明徳義塾、梼原の健闘を退け4強進出!
88球で4安打2奪三振無四球1失点完投の明徳義塾・矢野 勢也(3年)
<第104回全国高校野球選手権高知大会:明徳義塾4-1梼原>◇20日◇準々決勝◇県立春野総合運動公園
この試合、まず触れたいのは敗れた梼原の健闘である。今大会で最速138キロまで球速を伸ばしたエースの三石 史弥(3年・右投右打・172センチ68キロ・四万十市立西土佐中出身)は、明徳義塾相手にも最速136キロの直球中心に強気の投球を展開。計7回で10安打を浴びながら4失点に留めた粘りは見事だった。
また、打線も0対2の6回裏2死二塁から1番・石元 創瑛(3年・右投右打・171センチ61キロ・土佐市立高岡中出身)の投手強襲安打で1点を返すなど、最後まで臆することはなし。春までに戦える基礎体力を養った岩崎 智久・前監督(現:伊野商副部長)と、戦術的、技術的な素養を追加した梶原 大輔監督ら指導陣や選手たち、その選手たちを公私にわたって支えた梼原町の皆さんには心から敬意を表したい。
だが、その梼原を退けた明徳義塾はやはり流石だった。「梼原は地域と一体になって野球部を支援しているので、勢いに乗らせたら怖い」と対戦相手を分析していた馬淵 史郎監督は、梼原・三石と同じ西土佐中出身の林 大心(3年・捕手・右投右打・180センチ70キロ)に「ストレートがカット気味になる」傾向を聴くなど、いつもに増して試合を慎重に進めることを選択。
結果、その林は4回表2死三塁から「ストレートを狙って」決勝打をたたき出せば、春季四国大会では1番を背負った矢野 勢也(3年・右投右打・180センチ72キロ・球道ベースボールクラブ<フレッシュリーグ・福岡>出身)が最速135キロの直球とツーシーム、スライダーを駆使しわずか88球で4安打1失点完投勝利。1週間500球ルールを見据え、最速137キロ変則左腕・吉村 優聖歩(3年・181センチ72キロ・熊本中央ボーイズ出身)の温存にも成功した。
試合後には「『これは明徳強いわ』にはなっていない」と現状を認識しつつ「勝つことが一番大事」といつも通りの言葉で締めた名将。3大会連続22回目の出場を期す明徳義塾は右肩上がりで高知中央との準決勝、高知と中村の勝者と当たる決勝戦へ臨んでいく。
(取材=寺下 友徳)