大阪桐蔭が貫禄の7回コールド勝ちで公式戦28連勝
1回裏に先制2ラン本塁打を放った松尾汐恩(大阪桐蔭)
<春季近畿地区高等学校野球大会:大阪桐蔭9-0和歌山商(7回コールド)>◇22日◇1回戦◇紀三井寺運動公園
センバツ優勝校の大阪桐蔭が7回コールドで県立和歌山商を下し、公式戦の連勝を28に伸ばした。
県立和歌山商は右下手投げの木村健太郎投手(1年)を先発に抜擢。だが、大阪桐蔭はお構いなく初回から襲い掛かった。1回裏、1死一塁から3番・松尾汐恩捕手(3年)が左越えに2ラン本塁打を放つ。「変則というのはあまり意識せずにしっかりと自分のペースでタイミングを取ることを意識して打ちました。下から浮き上がってくる球なので、しっかり上から叩いてスピンをかけて飛ばすことを意識していました」と松尾。その後も大阪桐蔭打線は木村の球を全く苦にせず、2回までに6点を奪った。
守りでは先発の川原嗣貴投手(3年)が好投。冬場から課題に取り組んでいたという直球がかなり走っており、5回には自己最速を1キロ更新する146キロを球場のスピードガンで計測した。県立和歌山商打線は4回表に2安打を放ったが、走塁ミスで得点には繋がらず。それ以外の回は川原に対して走者を出すことすらできなかった。
川原は6回を投げて、78球、2安打、1四球、7奪三振という内容。センバツから右のエースとして徐々に頼もしい存在になってきている。
大阪桐蔭打線は2回途中からリリーフした県立和歌山商の技巧派左腕・小川侑汰投手(3年)を打ちあぐねていたが、5回裏に相手の失策で1点を加えると、6回裏に6番・星子天真内野手(3年)と途中出場の大前圭右(3年)の適時打で2点を追加。7回表は川井泰志投手(3年)が無失点に抑えて難なくコールド勝ちを収めた。
「変則投手にどう対応できるかというところで1回にしっかり打ってくれて、良い試合運びができたと思います」と試合を振り返った大阪桐蔭の西谷浩一監督。王者に死角なしといった完璧な試合運びだった。
完敗を喫した県立和歌山商の田中誠藏監督は「(大阪桐蔭は)隙がない。投手が良い、凄く打つというイメージですけど、キチっとした走塁や細かい部分ができています。流石です。そういうチームを目指していきたいです」と相手の実力を認める他なかった。ただ、近畿大会で大阪桐蔭と対戦できたことは大きな収穫となったはず。夏に向けてのチーム作りに注目したい。
(記事:馬場 遼)