試合レポート

山村学園vs花咲徳栄

2022.05.02

花咲徳栄敗退!山村学園が昨夏に続き花咲徳栄を破り準決勝進出!

山村学園vs花咲徳栄 | 高校野球ドットコム
山村学園の得点シーン

<春季高校野球埼玉大会:山村学園5-4花咲徳栄>◇1日◇準々決勝◇[stadium]県営大宮[/stadium]

 11安打と4安打。「勝ちに不思議の勝ちあり」とは言ったものだが、勝ったのはどちらか。

 雨が降り始めた[stadium]県営大宮球場[/stadium]の第2試合はAシード・花咲徳栄vs山村学園との一戦である。

 この両校は昨夏対戦しており、山村学園花咲徳栄の夏6連覇を止めたことは有名であろう。しかも山村学園には昨夏のレギュラーメンバーが半数以上残っている。旧チームのこととはいえ、花咲徳栄にとっては当然因縁の相手となる。

 しかも、花咲徳栄は春ノーバントで戦い自らハンデを背負う。2番手以降の投手育成を考えているだけにエース金子も今大会は後ろでしか投げない。それが山村学園相手にどう出るか。

 山村学園のスタメンは前日と全く同じオーダー。花咲徳栄はもちろん、増田 空(2年)の怪我による不在の影響もあるであろうが、昨秋から打順やメンバー、特に守備位置が大きく変更となっている。

 1番中堅には齊藤 海(2年)が入り、秋6番中堅の上田 光浩(3年)が7番三塁に入る。秋1番遊撃だった山田 慎之介(3年)は現在6番二塁、遊撃には秋二塁だった新井 大貴(2年)が入る。4番捕手には「関東大会後の招待試合で活躍して、そこからレギュラーに」(柴田)という柴田 樹(2年)が入り、秋4番一塁だった前田 空(3年)は5番左翼に、9番一塁には木田 康介(2年)が入るという半数が2年生で今大会に臨む。

 先発は、山村学園は3連投となる右サイドのエース・山田 翼(3年)、花咲徳栄は今大会のこれまで同様に左腕の飯島大聖(2年)が先発し試合が始まる。

 先制したのは、花咲徳栄であった。

 直前のベンチ内での円陣の効果があったか、打順が2巡目となった4回表、この回先頭の藤田大清(3年)が右前安打を放ち出塁すると、続く柴田が左中間を破る適時二塁打を放ち1点を先制する。その後一気に突き放しにかかるかと思われたが、無死二塁で後続が倒れ1点でこの回の攻撃を終える。



山村学園vs花咲徳栄 | 高校野球ドットコム
花咲徳栄の得点シーン

 すると、その裏同様に円陣を組んだ山村学園打線が2巡目を迎え猛反撃を見せる。

 この回先頭の井上翔汰(3年)がチーム初安打となる右前安打を放ち出塁すると、続く河村優雅(3年)がきっちりと送り1死二塁とする。

 2死後、4番・酒井大輝(3年)が死球で出塁し2死一、二塁とチャンスを広げると、続く高野壮瑠(2年)が右前適時打を放ちまず1点、さらに2死一、三塁から6番・山田浩太(3年)も左前適時打を放つと、一走・高野も三塁を陥れる。左翼手の三塁への送球が逸れる間に一走・高野も本塁へ生還し3対1と逆転に成功する。

 このエラーでやや浮き足立ち始めた花咲徳栄は、さらに2死二塁から、飯島が7番・塙光悟(3年)、8番・山田翼に連続四球を与え2死満塁とすると、9番・小栗陸斗(3年)の遊撃ゴロを今度は遊撃手が後逸する間に2者が生還する。

 結局、山村学園がこの回ヒット3本ながら、敵失に乗じ一挙5得点を奪う猛攻を見せ、試合の主導権を握る。

 一方、このままでは終われない花咲徳栄は、6回表、1死から4番・柴田が左前安打を放ち出塁すると、続く前田が四球を選び1死一、二塁とする。2死後、7番・上田が右越えの適時二塁打を放ち2点差とし、山村学園山田翼をマウンドから引き摺り下ろす。

 代わった2番手左腕の佐藤実倫(3年)に対しても花咲徳栄は攻撃の手を緩めず、代わり端を攻め代打・須藤京介(3年)が死球で出塁し2死一、二塁とチャンスを広げると、続く木田が中前適時打を放ち5対4とついに1点差まで追い上げる。

 山村学園もその裏、花咲徳栄の3番手・左サイドの熊倉柚(3年)を攻め、この回先頭の高野が四球で出塁すると、続く山田浩がきっちりと送り1死二塁とする。7番・塙も右前安打を放ち1死一、三塁とチャンスを広げると、花咲徳栄ベンチはたまらずエース金子翔柾(3年)を投入する。

 金子は代わり端に、四球を与え1死満塁とするが、後続を抑える貫禄のピッチングを披露する。金子はその後も山村学園打線を寄せ付けず無失点で切り抜ける。

 一方の山村学園・佐藤はその後毎回のようにピンチを背負う。

 7回表には、この回先頭の新井に左中間へ二塁打を浴び無死二塁のピンチを招くが後続を抑え無失点で切り向ける。最終回にも、1死から3番・藤田に左前安打を浴びると、2死後、5番・前田の一塁ゴロを一塁手がエラーする。さらに続く山田に死球を与え2死満塁まで追い詰められるが、後続を抑える。

 結局、山村学園が5対4で花咲徳栄との接戦を制し、昨夏に続く金星を挙げ準決勝へ進出した。


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山田翼(山村学園)

 山村学園は、11安打を浴びながらも再三のピンチを凌ぎ、ワンチャンスを生かすと敵失に乗じ僅か4安打で勝利した。花咲徳栄に2連勝し、これはチームの自信になったであろう。

 「うちはノープレッシャーなので。山田翼の先発は朝決めた。本人も行けると言っていたので。昨日継投タイミングを逸したので、今日は2、3点取られたらって思ってました」と、岡野監督も試合後、饒舌であった。

 ただし、課題はある。2日連続で5安打、4安打と打線が湿っていることだ。要所でワンチャンスをモノにする集中打で勝ち上がってきているが、本来のポテンシャルを考えるとやや消化不良気味か。それでも投手陣は頑張っている。

 この日も山田翼がゲームを作り、昨夏の経験も豊富な佐藤実が後ろを締める。今、出遅れている投手が揃えば、昨夏同様に今年の夏もマシンガン継投ができる布陣となるであろう。次の相手は秋の地区予選で守備が乱れ敗れた市立川越が相手だ。山村学園にとってはリベンジマッチとなるが、互いに情報がある川越市内の対決は波乱がつきものだ。山村学園が勢いで関東大会まで突き進むのか。今後も注視していきたい。

 花咲徳栄はこの日、雨やコンバートの影響もあったか要所で守備が乱れた。打線も再三のチャンスで進塁打が打てず敗れた。課題であった2番手以降の投手に関しても道半ばといったところか。夏は大事な試合は金子がメインで行くであろうが、金子1人では夏は勝ち上がれない。2番手以降の投手の底上げと守備力の向上が今後の課題となるであろう。

 「ミスをすると打つだけでは返せない。やっぱり3回表で2点目を取れなかったところ。前半取れるところで取れなかった。3倍打っても勝てないのは初めて。いかにビッグイニングを作るかですね」と岩井監督も言っていたが、守備面も含めチームは未だ発展途上だ。増田も復帰し迎える夏、どのような戦いを見せるのか。

 百戦錬磨の岩井監督だけに夏までにきっちりと仕上げてくるであろう。花咲徳栄の夏のリベンジに期待したい。

(取材=南 英博

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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