市立船橋vs船橋東
通算26本塁打スラッガー・片野優羽が成長見せる1安打1打点 5回13得点で市立船橋が8強へ

市立船橋4番・片野 優羽
<春季千葉県大会:市立船橋13-2船橋東(5回コールド)>◇3回戦◇29日◇[stadium]県立柏の葉[/stadium]
初回から市立船橋の強力打線が爆発したが、通算26本塁打の強打の捕手・片野 優羽(3年)は、3打数1安打1打点という結果に終わった。自身もこの結果には納得できず、「開き気味になってしまい、ポップフライやひっかけたゴロになってしまいました」と試合後に打席内容を振り返った。
しかし、初回のタイムリーはあわやホームランかと思われる一打で、会場を沸かせた。秋までに比べると体型に厚みが増したことで飛距離が伸びたのかと思ったが、体重は94キロと秋から1キロ増加とあまり増えていない。ただ、体脂肪率は大きく変わっていた。
「秋の時点では体脂肪率20%くらいでしたが、今は15%前後になったので、筋肉量が増えたと思います。白米から麦飯に変えたり、鶏肉などのたんぱく質を摂取するようにして、ジュースも控えるようにしたら、現在まで絞ることができました」
そのおかげもあり、プレー1つ1つに切れが生まれ、パフォーマンスアップに手ごたえを感じているという。
技術面での成長もある。冬場は長尺バットを使ったロングティーはもちろん、オリックス・杉本 裕太郎外野手(徳島商出身)らが活用して話題となったシークエンスバットを練習で使用。下半身主導で打つ感覚だけでなく、「バットと顔の距離が近づいた感覚がして、凡打が減ってきました」と確かな手ごたえをつかんでいるようだ。
片野以外でも、2番に座った三浦 元希内野手(3年)は5打点を記録する大暴れを見せるなど、各打者のスイングは鋭く、シャープな印象だった。冬場は「センターから逆方向を意識してバットを振ってきました」と片野は言う。たしかに強引に振りに行かずに、インサイドアウトでスイングできている選手は多かった。準々決勝でも強打に期待がかかる。
試合は、初回に先取点こそ許したが、直後に2番・三浦、4番・片野の一打など4点を奪って逆転すると、2回にも3番・森本 哲太外野手(3年)の一打で4点を追加。さらに3回には相手のミスなどもあり5点を追加して勝負あり。船橋東を13対2で下した。

船橋東3番・真下 尚己
市立船橋の強打の前に敗れた船橋東。初回に2点を先取した際は勢いこそあったが、2回以降に繋げることができなかった。また投手陣はストライクゾーンの中で勝負していったが、市立船橋打線が一枚上手だった。
ただ、守備は取れるアウトをしっかりとるなど、動きを見ていても基本をしっかり実行しようとしているのは見て取れた。どれだけ投手力、打力を整備できるかが夏の上位進出にはつながるだろう。
その船橋東でも目に留まったのは3番・捕手の真下尚己(3年)。イニング間の二塁送球は手動での計測になるが、1.9秒近くをマーク。肩が強く、市立船橋戦でも盗塁を1つ刺している。
打っては左中間へのヒットを記録するなど、3打数1安打の結果。ポイントは近めだが、懐まで球を呼び込んで、鋭いスイングではじき返していた。
ワンバウンドの処理など、細かなミスは見られたが、攻守で光るものがあった真下。さらに4番・大西 遼矢内野手(3年)も上から鋭く叩くようなスイングでヒットを放ち、存在感が際立った。彼らを中心に県内の上位チームに勝つチームを作るべく、再び練習の日々に戻る。