試合レポート

狭山清陵vs狭山ヶ丘

2022.04.25

狭山清陵打線、中盤まで嵌りつつも6回一気に逆転し初戦突破!

狭山清陵vs狭山ヶ丘 | 高校野球ドットコム
小高歩夢(狭山清陵)

<春季高校野球埼玉県大会:狭山清陵7-3狭山ヶ丘>◇24日◇1回戦◇所沢航空公園

 この日は曇天。所沢航空公園球場の第一試合は狭山ヶ丘狭山清陵と西部地区の実力校同士の一戦である。

 狭山ヶ丘はエースナンバーが変わった。1年春から登板経験があり、夏にはエースナンバーを背負った長身2年生右腕・加藤 健太ではなく「試合づくりや安定感を含め春は田中に託そう」(平澤監督)ということで、安定感のある田中 蓮がエースとなる。スタメンは2番に木屋 奏(3年)、3番に中本 晃太郎(2年)、5番に鈴木 漣(2年)が入るなど、1番・関 颯希(3年)、4番・千鹿野 雄大(3年)以外は昨秋から全員入れ替わっている。

 狭山清陵武内 優真(3年)のポジションが遊撃手から一塁手へ変更となり、5番・遊撃には井上 尚之(2年)が入る。2番には古川 唯翔(3年)が入った。

 先発は狭山ヶ丘が前述の田中、狭山清陵は右サイドの小高 歩夢(3年)と両エースが先発し試合が始まる。

 試合は初回から動きを見せる。

 狭山ヶ丘は初回、狭山清陵・小高の立ち上がりを攻め、この回先頭の関が左前安打を放ち出塁すると、続く木屋がきっちりと送り1死二塁とする。さらに3番・中本が四球を選び1死一、二塁とチャンスを広げると、2死後5番・鈴木も四球を選び2死満塁とし、続く金子も押し出し四球を選び1点を先制する。だが後続が倒れ、狭山ヶ丘は1点でこの回の攻撃を終える。

 狭山清陵もその裏、狭山ヶ丘・田中の立ち上がりを攻め、1番・武内、2番・古川が連続四球を選び無死一、二塁とする。3番・清水が右前安打を放ち無死満塁とチャンスを広げると、続く見方 駿平(2年)が犠飛を放ち、すぐに同点とするが、後続が倒れ1点でこの回の攻撃を終える。

 狭山ヶ丘は3回表にも1死から5番・鈴木が左越えの二塁打を放ち出塁すると、続く金子 莞大(3年)のセーフティーバントが相手の一塁悪送球を誘い1点を勝ち越す。

 狭山清陵は、2回以降、打たせて取る狭山ヶ丘・田中の術中に嵌り、単発で安打こそ出るがなかなか打線がつながらず試合後半へと進む。

 迎えた6回裏、狭山清陵は一つのプレーから流れを取り戻す。1死から4番・見方の右翼への飛球を右翼手が落球し1死二塁とチャンスを得ると、続く井上も死球で出塁し1死一、二塁とチャンスを広げる。ここで6番・木谷 信汰(3年)が左前安打を放ち1死満塁とすると、続く鈴木 弾士郎(2年)が右越えの適時打を放ちまず1点、だが、二走・井上が本塁へ還れず三塁で止まってしまった結果、一走、打者走者が共に大きくオーバーランし挟殺プレーとなる。だが、ここで相手守備陣に送球ミスが生まれラッキーな形で逆転に成功する。勢いに乗った狭山清陵は2死後、9番・草間 隆佑(2年)にも適時打が生まれ4対2と試合を一気にひっくり返す。

 このままでは終われない狭山ヶ丘も7回表、2死から4番・千鹿野が左中間へ三塁打を放ち出塁すると続く鈴木が左前へ適時打を放ちすぐに1点差とする。

 だがその裏、狭山清陵はこの回先頭の古川が右前安打を放ち出塁すると、続く清水も左前安打を放ち無死一、二塁とする。ここで4番・見方が左前適時打を放ちまず1点、さらに1死後6番・木谷が四球を選び、狭山ヶ丘・田中をマウンドから引きずり降ろすと、2番手・二宮 政吉(2年)に対しても2死後、途中出場の鈴木 大地(2年)が遊撃への適時内野安打を放ち6対3とする。

 狭山清陵は8回裏にも1番・竹内の二塁打を足がかりとし、4番・見方が中前適時打を放ちダメを押すと、投げては予定通り小高、鎌田、鈴木、清水と小刻みな4投手の継投で逃げ切る。

 結局、試合は狭山清陵が7対3で狭山ヶ丘を下し初戦を突破した。

 狭山清陵は「冬場はアルティメット・フィジカルっていうスローガンを決めてウエートトレーニングを多く入れていたんですが、春になり練習試合が増え、自分達の課題は攻撃じゃないってわかって今は守備がテーマになっています」と古川。この日打線は狭山ヶ丘・田中の緩急にはまりかけていたが、試合後半に攻略し結局12安打を放った。現在、取り組んでいる守備面に関しては失点に絡むミスも1つ、走塁ミスも出たが、初戦ということも考えれば上出来であろう。また、投手陣はバリエーションが豊富なだけに今後は継投タイミングが鍵となるであろう。

 狭山ヶ丘は、初回の無死満塁を最少失点でしのぐなど試合前半は自分達のペースで試合を進めていたが、6回裏の2つのエラーで流れを失った。何より本来のエースである加藤が万全ではなかったのが、今大会は誤算であった。幸い加藤も「コンディション面も含め春はバッテングに専念させて夏に間に合うように」(平澤監督)という状態だった。加藤が入ればチームの雰囲気も全く変わるであろう。夏への奮起に期待したい。

(取材=南 英博

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