東東京では屈指のタレント力を誇る帝京。2年生左腕が好投も「打線」完成が課題に
先発・安藤翔(帝京)
<春季東京都高校野球大会:帝京7-0成城(8回コールド)>◇7日◇2回戦◇[stadium]スリーボンドスタジアム八王子[/stadium]
帝京は1回裏、2番・本村 千夏良外野手(3年)のソロ本塁打で先制。2回裏には先発の安藤 翔投手(2年)の2点適時打で早々と3対0とすると、4回裏には8番・鵜飼 陽太捕手(3年)の2点適時打、5回裏には5番・大塚 智也内野手(3年)の左翼へのソロ本塁打で6対0とリードを広げる。
その後、なかなか1点を奪えずにいたが、8回裏に犠飛で7対0として8回コールド勝ちした。
この試合で光ったのは先発の安藤だった。
この冬の練習で大きく伸びた。江戸川南ボーイズ出身で、才能の高さを評価されていたが、徐々に素質を発揮している。しなやかな腕の振りから繰り出す130キロ前半の速球を両サイドへしっかりと決めていく。安藤が「内角へは自信があります」と語るように右打者の内角へ鋭い球を投げ込んだ。2月の取材時、実戦打撃練習で登板していた安藤が、右打者の内角へ強い球を投げ込んでいたことを思い出した。
前半、4安打を打たれたが、制球に気をつけ、変化球も器用に投げ分け、しっかりとゲームメイクした。8回無失点に抑え、金田監督の「夏の大会へ向けていろんな投手を試したい」という期待に応えた。
ただ金田監督は13安打を打ちながらも7得点にとどまった打線については厳しい評価だった。
「打線になっていないですよね。特にクリーンアップは2番・本村の本塁打で、さらに続きたい思いからか振り回す打撃になっていました。そうではなく、まずはつなぐこと。つなぐ打撃ができるスイング軌道、技術的な意識付けが大事で、それを試合中に修正ができればと思ったのですが、それができずに終わりましたので、次の試合までにしっかりと修正ができればと思います」
次の相手は西東京の強豪・創価。チーム力が非常に高く、厳しい試合が予想されるだけに今回の打撃内容では、苦しむことになるだろう。3番・小島 慎也内野手(3年)、4番・渡邊 礼内野手(3年)のポテンシャルは高く、都内でもトップクラス。レギュラーのほとんどの選手の体格も素晴らしく、スイングも鋭い。チーム力の高さを存分に発揮できるか注目したい。
(取材=河嶋 宗一)