戦力充実の東海大菅生 序盤の加点で秋のリベンジを目指す聖パウロ学園を一蹴
3回東海大菅生・金谷竜汰が右前安打をを放つ
<春季東京都高校野球大会:東海大菅生8-0聖パウロ学園(7回コールド)>◇6日◇2回戦◇スリーボンドスタジアム八王子
聖パウロ学園は、昨年秋季大会の1次予選で東海大菅生に敗れているだけに、「打倒 東海大菅生」を目指して、この冬の練習に励んできた。しかし、序盤硬くなり、しっかり加点され、試合の主導権を握られた。
1回表東海大菅生は、2番・小山凌暉が四球で出塁すると、すかさず二盗し、3番・福原聖矢の左前安打で還り1点を先制した。2回表も、1死二塁からこの試合先発の青柳琉汰の二塁打でさらに1点を追加。3回表には4番・小池祐吏の中前安打、5番・多井耶雲の三塁打、6番・酒井成真の二塁打、7番・金谷竜汰の右前安打と安打を連ね、3点を追加した。
東海大菅生は、若林弘泰監督が、「3月に入って良くなっている」と語る先発の左腕・青栁琉汰は、1回裏は安打と四球で1死一、二塁のピンチを迎えたが、4番・栗崎新大を併殺で仕留め、無失点で切り抜けたのが大きかった。その後は2回裏に下田に二塁打を打たれたりもしたが、危なげのない投球をみせた。
東海大菅生は、6回裏には豊岡遥翔、7回裏には藤井颯太と、球威のある投手が登板し、無安打に抑える。本来のエースである鈴木泰成は、この大会ではベンチ登録されていない。「今月中にピッチングができるようになります」と若林監督。東海大菅生は、大黒柱の投手に無理をさせなくてもいいだけの戦力がある。
東海大菅生は、6回表は小山の右前安打などで2点を追加。7回表にも1点を追加して8対0。東海大菅生は、3人の投手が無失点でつなぎ、安定した試合運びで、7回コールドが成立した。
聖パウロ学園の勝俣秀仁監督は、「硬くなり、重圧に押されている感じでした」と語り、エースの下田は、「強いチームにも通用する投手になりたいです」と、語った。東海大菅生という強豪と2回戦ったインパクトは、夏に向けての貴重な刺激になるに違いない。
一方、東海大菅生にしても昨年秋は、準々決勝で敗退という悔しさがある。そして昨年秋優勝の國學院久我山は、センバツでベスト4に進出した。「自分たちも頑張れば、全国大会で勝てるという、一つの目安になりました」と、主将の福原は言う。強い東海大菅生を取り戻すことができるか。戦いは、始まったばかりだ。
(取材=大島 裕史)