トーナメント表
・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
國學院久我山 イチローイズムをセンバツ初勝利の戦果で表現
國學院久我山・齋藤 誠賢
<第94回選抜高校野球大会:國學院久我山4-2有田工>◇22日◇1回戦◇甲子園
立ち上がりは互いにやや浮足立ったが、2回以降は立ち直って引き締まった好ゲームになった。
1回裏、國學院久我山(東京)は2死一、三塁から5番・大野 良太外野手(3年)の左前適時打で先制点を挙げると、3回裏には2死二、三塁から6番・成田 陸投手(3年)の内野安打で追加点。2対1で迎えた6回には、1番・斎藤 誠賢外野手(3年)の左前適時打でさらに1点を追加し、7回にも1点を追加して突き放した。
援護をもらった先発の成田は、アウトコースへ直球とスライダーを上手く投げ分け、有田工(佐賀)打線に的を絞らせずに粘投を続ける。「四球や味方がエラーする場面もあったが、そのあと野手全員で気持ちを切り替えて、一人ひとりの特徴見ながら抑えることができた」と語るように、ランナーを出しても落ち着いた投球で後続を断ち、後半に入ってもリードを守る。
試合はそのまま國學院久我山が4対2で逃げ切り、2回戦進出を決めた。
試合後、尾崎直輝監督は「うちの野球スタイルは考える野球。イチローさんにも素晴らしいと言っていただいていて、選手たちはしっかり考えながらプレーできていた。(先発の)成田は本当にこんなロングイニングは久しぶり。どこまでいけるかなと心配しながら見ていたが、甲子園という舞台が成長させてくれた」と語り、粘り強く戦った選手たちを称えた。
一方の有田工は、佐賀県勢では00年佐賀商以来、22年ぶりとなる春勝利とはならなかったが、エースの塚本 侑弥投手(3年)と主将の上原(かんばる) 風雅捕手(3年)の息の合ったバッテリーを中心に、粘り強く國學院久我山に食らいついた。
惜しくも初戦敗退となったが、梅崎信司監督は「相手の成田君の前半の投球を見て、追い込まれて外のスライダーは難しいと感じたので、カウントを取りに来る球を打っていこうと指示を出した。(カウント球を)見逃す場面もあったので、もう少し打っていけばと思いましたが、選手は精いっぱいやってくれた。真っ赤なスタンドにもジーンと感動した」と、粘り強く戦った選手たち、そして地元の声援に感謝を口にした。
(記事:栗崎 祐太朗)