今年の浦和学院(埼玉)を牽引する八谷 晟歩(せいほ)主将(2年)。佐賀フィールドナイン時代は侍ジャパンU-15代表を経験し、昨夏も甲子園出場を経験した。八谷にとって2度目となる甲子園は、どんな思いで臨んでいるのか。昨夏からの成長を追った。
守備でアピールしベンチ入り
八谷晟歩(浦和学院)
中学時代、狭き門ともいえる侍ジャパンU-15代表にも選ばれ、アジアチャレンジカップ優勝を経験。この大会は非常に貴重な経験となった。
「一緒にプレーをしていて、他の選手たちのレベルが高くて勉強になることも多かったです」
他の高校からの誘いもあったが、浦和学院の練習の雰囲気にひかれて、佐賀から出て浦和学院へ進んだ。
「日本代表の時もそうでしたが、高校でもそれよりもレベルが高い選手が多くいたので、まだやらないといけないと実感しました」
その中で、八谷は守備でアピールし、2年春からレギュラーとして活躍し、春季関東大会にも出場。夏もレギュラーとして活躍し、甲子園出場を果たし、9番二塁手でスタメン出場した。
新チームがスタートし、主将に就任した。八谷は全国制覇を目指すとともに、選手、スタッフとともに信頼関係が強いチームになることを目指した。
「監督が森士先生から森大先生へ変わりました。大先生にとって最初のチームは印象に残るチームになると思うので、選手1人1人が自覚をして、取り組んでいきました」
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社会人野球でプレーできる選手になりたい
八谷晟歩(浦和学院)
練習では声を出すだけではなく、明るくチームを引っ張ることに努め、雰囲気の良いチームにしようと心がけた。
八谷ら甲子園出場経験メンバーたちでチームを引っ張り、関東大会ベスト4入りを果たした。しかし八谷自身、打撃結果には満足していない。練習試合と公式戦を含めた28試合で本塁打0、打率.250と、3割以上を打っているメンバーと比べると、どうしても物足りなさが否めない。
森大監督の方針で、睡眠の質向上に取り組み、八谷は体作りに励んだ。打撃練習でも、竹と木の混合バットで振り続けた。
結果として、秋が終わった時は、68キロだった体重が、2月には76キロと、8キロの増量に成功した。12月に取材した時と比べても、明らかに体格が変わっており、打撃練習では狙い球に次々とコンタクトし、右、左へ鋭い打球を飛ばすなど、12月とは違う内容だった。
守備の人から「打てる堅守の三塁手」へ変わろうとしていた。まもなく始まるセンバツに向けて、改めて意気込みを聞いた。
「全国制覇はずっと森先生は口にしています。みんなも自分も意識してますので、全国制覇を目指して取り組んでいます」
さらに、社会人野球でプレーできるような選手になるため、走攻守のレベルアップを目指している。名門校で主将を務め、しっかりと選手たちを引っ張れるリーダーシップがあるなど、人間性は申し分ない。高校ラストイヤーで、攻守にわたり精度の高いプレーを見せ続けることができるか注目だ。
(記事:河嶋 宗一)