
自由ケ丘の4番冬木 壌太郎
秋季福岡大会で圧勝した九州国際大付に打撃面で抵抗したチームがある。準決勝で対決した自由ケ丘は、エース香西 一希投手(2年)相手に8安打を放った。得点は2点だけに終わったが、九州国際大付が戦った準々決勝以降の3チームのなかで、最多の安打数だった。
3者凡退も1回と8回の2度しかなかった。自由ケ丘打線の4番冬木 壌太郎外野手(2年)と、6番長村 勇哉外野手(1年)の2人がマルチ安打をマーク。2得点はいずれも長村の打点だった。1年生ながらスイングも力強い。体格も173センチと大きくはないが、77キロの体重からも分かるように、太ももあたりの下半身に筋肉がついていて、胸板も厚い。パワーあふれる打撃で、九州国際大付のエース香西から左翼への2本の二塁打を放って打点を挙げた。
4番の冬木は178センチ、84キロと大柄で、フルスイングを身上としている。2回の第1打席で中前打を放つと、6回の第4打席では右翼線へ二塁打を放ち、長村の適時二塁打で2点目のホームを踏んだ。チーム8安打中、長打は3本あったが、この2人が放ったものだった。
赤嶺 琢(たくま)監督は打線には手応えを感じている。「もともと、打撃はあんまり当てにしていないけど、思いのほか、打てているので点が取れています。とにかく強く振ることを意識づけさせてます」。2018年2月から、元ソフトバンクの好打者だった柴原 洋氏が臨時打撃コーチに就任。ナインの打撃指導をしている。4番の冬木は「柴原さんからはフルスイングすることを言われています」と強く振ることをイメージしている。ソフトバンク柳田 悠岐外野手(広島商出身)に憧れる自由ケ丘の背番号9は、スラッガーへの変身を狙って努力を積み重ねてきた。
来年春から夏にかけて九州国際大付に勝たなければ頂点はない。強豪私立がひしめく福岡県だが、自由ケ丘の一冬越えたチーム力には期待が持てる。九州国際大付の強力打線と肩を並べ、打撃戦を演じる可能性は十分ある。
<自由ケ丘の今秋季大会全成績>
2回戦:7-0 高稜
(7回コールド)
3回戦:9-2 八幡南
(7回コールド)
4回戦:5-4 東海大福岡
5回戦:7-0 小倉
(8回コールド)
準々決勝:17-7 [team]柳川
(6回コールド)
準決勝:2-9 九州国際大付
(8回コールド)
3位決定戦:9-8 飯塚
(延長12回サヨナラ)
(記事:浦田 由紀夫)