大谷翔平が満票MVP!来年の高校生を代表する全国レベルの8人の二刀流

猪俣駿太(明秀日立)、田中晴也(日本文理)、山田陽翔(近江)、森下瑠大(京都国際)
11月19日、エンゼルスの大谷翔平が満票でのア・リーグMVPを受賞した。今回は22年度の高校球界を代表する全国レベルの二刀流選手について紹介をしていきたい。
注目は近江の山田陽翔だろう。投手として今年の夏甲子園でベスト4に導く投球を見せた。30回を投げ、31奪三振。打者としても特大本塁打を放った。ここぞという場面では140キロ中盤の速球や、鋭く落ちるフォークで圧倒した。秋季大会では右肘の治療の影響で、野手としての出場に専念したが、3位決定戦で満塁本塁打。近畿大会でも強打を発揮した。投打ともに能力が高く、大舞台ほど持ち味が発揮できる強心臓を持っている。NPBを目指す選手に必要なキャラ立ちした選手であり、来季は投打ともに万全にして大暴れを見せてほしい。
明秀日立の猪俣駿太も、かなり楽しみな選手だ。投手としては最速142キロを誇るが、実戦ではゲームメイクを意識し130キロ前半と抑え気味にしている。打っては関東大会決勝の山梨学院戦でバックスクリーン弾を放った。豪快なフォロースルーが特徴のスイングを見ると、打者としても、かなり魅力的な逸材に映る。140キロは出せるが、コントロール重視で130キロ前半に抑えている大型右腕。打者としてスイングも豪快で、長打を打てる点については、日本文理2年秋の飯塚悟史(14年横浜DeNAドラフト7位)を思い出す。この選手がどう成長するのか、注目していきたい。
京都国際の森下瑠大、平野順大の2枚看板は投打ともに素晴らしい。森下は最速143キロの速球と、鋭いスライダーで打者を翻弄する本格派左腕で、今夏甲子園ベスト4に大きく貢献した。打者としてもレフト方向へ本塁打を放つなど、投打ともに才能は十分にある。平野は下半身主導のフォームから繰り出す伸びのある140キロ前後の速球が魅力的で、打者としてもパワフルなスイングを見せる。
京都外大西の西村瑠伊斗も面白い。夏の京都大会では1試合2本塁打を記録するなど、レベルが高い。重心が低く、バットを沈めた構えからしゃくりあげるスイングで本塁打を量産。投手としても最速147キロの速球に、スライダーの切れも良い。どちらの才能も素晴らしいが、野手として高く評価する声が多い。
来年の高校生を代表する豪腕・田中晴也(日本文理)は最速148キロの速球を投げ込むだけではなく、恵まれた体格から、とてつもない打球を放つスラッガーでもある。武元一輝(智弁和歌山)は、角度のある最速148キロの速球が武器。長打力のあるスラッガーでもあり、22年度の高校生を代表する二刀流になる可能性を秘めている。和歌山大会準決勝で敗れた悔しさを晴らしたいところだ。
強肩捕手としてのカラーが強いが、徳島商の幸坂征太郎は、マウンドに上がれば最速148キロの速球で相手を圧倒し、打者としても主軸を打ち、力強い打球を飛ばすことができる。
(記事:河嶋 宗一)