関東大会準々決勝では、群馬2位の健大高崎以外、全て1位校が勝ち上がった。そんな準々決勝の見どころを紹介したい。
山梨学院vs白鴎大足利
榎谷礼央(山梨学院)、阿部 快俐(白鴎大足利)
どちらもコールドで勝ち上がってきた。山梨学院のエース・榎谷 礼央は今大会で自己最速の143キロをマーク。120キロ後半の縦横のスライダーも交え、初戦では5.1回を投げて5奪三振の快投を見せた。完成度も高く、今大会屈指の投手として前評判通りの投球を見せていきたい。
打線も強打の1番・鈴木 斗偉、高校通算19本塁打の相澤 秀光、チームで最も本塁打を放っている岩田 悠聖、1年生スラッガー・高橋海翔と能力が高い選手を揃え、守備では吉田監督の評価も上がっている捕手・佐仲 大輝や、遊撃手・進藤 天も良い。
白鴎大足利は強打と機動力で勝負する。ミート力が高い2番中島 空大に加え、5番林 虎之介と、長打力のある3番阿部 快俐と、上位に打力が高い選手を揃える。投げては斎藤 祥汰が120キロ後半の速球と、縦スライダーを使い、打たせて取る投球が持ち味。山梨学院打線相手に、どこまで耐えられるか。
浦和学院vs桐生第一
高山維月(浦和学院)、北村流音(桐生第一)
浦和学院のエース・宮城 誇南は初戦で変化球の精度の甘さが課題となったが、準々決勝まで改善できれば、直球がコンスタントに130キロ後半〜140キロ前後まで速くなっているだけに楽しみ。打線は初戦で本塁打を放った高山 維月、投手・遊撃手で活躍する二刀流・金田 優太や、4番に座る鍋倉 和弘など強打者が揃う。
桐生第一はエースの北村 流音の投球が鍵となる。直球は常時140キロ前後で、スライダー、フォーク系の変化球を操り、攻略は困難。打線も強打者の提箸 優雅、三塚 琉生など打力が高い選手を揃える。
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東海大相模vs木更津総合
百崎蒼生(東海大相模)、越井颯一郎(木更津総合)
両校は2019年の春季関東大会でも対決し、4対3で東海大相模が勝利した。神奈川1位と千葉1位のカードということで大きく盛り上がりそうだ。木更津総合は142キロ右腕・越井 颯一郎が初戦で完封。どこまで粘れるかが焦点となりそうだ。打線では山田 隼、水野 岳斗など長打力のあるスラッガーが東海大相模投手陣を攻略していきたい。
東海大相模は角度のある速球を投げ込む求 航太郎、完成度の高い投球を見せる庄田 聡史が中心となりそうだ。5打数5安打の百崎蒼生、3安打の求など打線は好調。守備では深谷 謙志郎がサードとして声、好守備でもり立てる。
木更津総合打線が東海大相模投手陣を捉えられるか。東海大相模打線が活気づく前に試合の主導権を握っていきたい。
健大高崎vs明秀日立
加藤達哉(健大高崎)、猪俣駿太(明秀日立)
明秀日立は関東大会最後の登場となる。例年、強打を掲げて勝負するが、その打線の破壊力は本物。県大会でも本塁打を放った188センチのスラッガー・小久保 快栄、佐藤 光成、石川 ケニー、武田 一渓、エース・猪俣 駿太の5人の長打力は出場校トップクラス。甘く入ったボールを逃さない技術の高さが魅力だ。猪俣は、135キロ程度だが、ここぞという場面で140キロ前後の速球を投げ込む本格派右腕だ。
一方、健大高崎は技巧派左腕・加藤 達哉がどこまで凌ぐことができるか。強打の捕手・清水 叶人は一発を打てるが、今年は単打を積み重ね、初戦で4盗塁を絡めたように今年は機動力でも勝負する。
明秀日立が長打で圧倒するか。健大高崎が総合力の高さを発揮し、明秀日立を追い詰めるか。ハイレベルな熱戦が期待できそうだ。
(記事:河嶋 宗一)