2回裏に2点適時打を放つ太田悟士(郡山)
ビッグイニングを二度作った奈良郡山が初戦を突破した。
奈良郡山は2回裏、一死満塁のチャンスを作ると、8番・佐々木大貴(2年)の2点左前適時打で先制。その後、野選で1点を加えると、二死二、三塁から2番・太田悟士(2年)が左前2点適時打を放ち、リードを5点に広げた。
反撃したい登美ケ丘・国際は5回表、無死二、三塁から9番・平野開(3年)のスクイズで1点を返すと、一死三塁から1番・藤井海斗(3年)がレフトに2ラン本塁打を放ち、2点差に詰め寄る。7回表にも一死三塁から藤井の右犠飛で1点を返し、接戦で終盤戦に突入した。
1点差にまで追い上げられた奈良郡山は7回裏に7番・植家颯(3年)の右越え2点適時三塁打や佐々木の左越え適時二塁打などで5点を追加。6点差で二死二塁と一打コールド成立の場面まで持ち込んだが、登美ケ丘・国際先発の藤川慶(3年)が踏ん張り、これ以上の得点を許さない。
リードを広げてもらった奈良郡山先発の植家は8回、9回を無安打に抑えて完投勝利。伝統校の奈良郡山が3回戦進出を決めた。
奈良郡山は1~3月にグラウンドの改修があり、実戦練習が不足している中で挑んだ大会だったが、自慢の打力は健在。昨年の土井翔太(現・龍谷大)のような突出した選手は不在だが、今年も総合力は高そうだ。
敗れた登美ケ丘・国際は来春で閉校が決まっている登美ケ丘の3年生と登美ケ丘と同じ校地に昨春開校した国際の2年生で戦った。そのため、登美ケ丘の名前で戦うのはこの夏が最後となる。「よく頑張ってくれているので、一つでも多く勝たせてやりたい」と国際に籍を置く今中和宏監督は夏に向けて意気込んでいた。
その登美ケ丘・国際で印象に残る活躍を見せたのが藤井だ。打っては3打数2安打1本塁打3打点の活躍。センターの守備でも50m走5.8秒の俊足を生かして難しい打球を何度も好捕した。
卒業後は本格的な野球を続けるか迷っているそうだが、上のステージでも十分に勝負できる身体能力を持っている。彼の今後にも注目していきたい。
(記事=馬場 遼)