5年ぶりのセンバツ出場を果たした常総学院。輝かしい常総学院の背番号1を背負うのが秋本 璃空だ。最速145キロの直球に加え、チェンジアップ、スライダー、カーブ、スプリットなど多彩な変化球を投げ分ける。島田 直也監督も「レベルが高い投手」と評価が高い。
そんな秋本の軌跡に迫っていきたい。
秋本璃空(常総学院)
江戸川中央シニア時代から評判の好投手で、好投手・岡本 陸(専大松戸)、吉岡 道泰(専大松戸)、今回は惜しくもベンチ入りを外れたが、秋本、大川 慈英に次ぐ速球能力を持つ坂本 駿(常総学院)と錚々たるメンバーの中で、秋本はエースとして活躍した。
そして常総学院に進むと、先輩には良き手本、そして同級生には大川がいた。良き手本となったのが法政大で活躍する塙や、特に明治大に進学した150キロ右腕・菊地からは変化球の投げ方など投球についてあらゆることを教わった。
大川については早くも潜在能力の高さを発揮しており、「大川とエースを争うことになるのかなと思いました」
そんな秋本だったが、去年は一條 力真(東洋大)、菊地と強力な2枚看板がいて、出番はなかった。それでも、昨夏は活動が再開した段階で、現在のチームはBチームとして、練習試合を行い、秋季大会へ向けて準備をしてきた。
新チームになると、元プロの島田直也監督と正捕手の田辺 広大とともに、試合後にミーティングを行い、配球についての反省を行ってきた。元プロならではの配球の指摘に驚きつつ、着々と投球術に磨きをかけていた。
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ヒールアップする秋本璃空(常総学院)の投球フォーム
秋季県大会、関東大会でも好投を見せ、3完封。関東大会では準々決勝までの15イニングで無失点の好投を演じた。
しかし決勝戦の健大高崎戦では8回8失点と悔しい投球に終わった。
「健大高崎とは、去年の9月に練習試合をしているのですが、全く別のチームなのかと思うぐらいの打線でした」
この冬は、さらなるレベルアップを目指し、ヒールアップを行う投球フォームを辞めたが、感覚が合わず、再びヒールアップに戻し、2月の紅白戦では140キロ超えの速球をマーク。
寒空の中でも力強い速球を膝元に投げ込んでおり、さらにチェンジアップを低めに落とし、完成度の高い投球は健在だ。
24日の敦賀気比戦へ向けて、こう意気込んだ。
「自分の持ち味は制球力の高さなので、ゲッツーをとりたい場面はゲッツー、三振を取れる場面は三振を。そんな投球をしたいと思います」
常総学院のエースとして5年ぶりの勝利を導くために、登板したイニングは圧巻の投球を見せていく。
(記事=河嶋 宗一)