校訓として『白梅精神』を掲げて1915年より学校が創立された美作(みまさか)。岡山県津山市に学校を構えており、9つのコースに分かれているなど生徒の学びたいものを選ぶことが出来るのも特色の1つ。
また各部活動がSNSによる広報活動を積極的に行っており、野球部も先日からインスタグラムを始め、日々の取り組みを伝える取り組みを行っている。そんな美作をここまでけん引してきたのは岩本虎亜と里見明飛の2人だ。
美作の練習模様
3もしくは4番に座る長距離砲であると同時に、逆方向に打てる広角な打撃と対応力に長けている岩本。旧チームからの経験者であることからも、「どんな場面でも結果を残してくれる頼りのバッター」だと皆木湧太主将は信頼を寄せている。
里見はチームの副主将であり、粘りの投球が光るエースである。秋の大会でも粘りの投球でチームに貢献し続けており、岩本同様に信頼の置ける選手の1人である。
この2人に影山大侍、兼田蓮と言った選手たちが春以降に台頭してくれるかがポイントとなっている。
美作の練習模様
■負けなしで始まった新チーム
旧チームがベスト16入りしたところからスタートを切った今年の美作。その壁を超えるベスト8を目指し、新チームはスタートする。吉田監督も「経験者は2人だけでバッテリーの経験が浅かった」と不安を感じつつも、カバーリングと全力疾走だけは徹底して練習をしてきた。
するとチームは力を次第につけていき、秋季大会前の練習試合では負けなし。「負けてしまうと思った試合でも最後まで諦めずに粘り強く戦って、逆転することもあった」と吉田監督は振り返る。
そして影山も「10連勝位だと思いますが、驚きです」と一言を残した。カバーと全力疾走を継続したことで、相手にプレッシャーをかけ続けた結果が、全試合引き分け以上に繋がった。
この結果を残したことで「秋はベスト8以上に行けるだろう」と自信を深めて大会に臨めた。
美作の練習模様
■一発勝負の怖さを痛感
県北地区の美作は代表決定戦から登場。1つ勝てば県大会というところで、津山商との一戦を迎えた。2回に先取点を取るなど幸先よいスタートを切るが、「取れる時に点数を取り切れなかった」と皆木主将。
接戦にもつれたまま終盤に入ると、津山商のチャンスで美作が粘り切れずに失点。勝ち越しを許し、追いかける展開となった美作は逆転できずに2対8で敗戦。県大会の切符をつかみ損ねた。
美作の練習模様
「ノックの雰囲気やピッチャーを見ていても『勝てるだろう』と思っていたところで負けました。改めて一発勝負の怖さを感じました」(吉田監督)
「ピンチで向こうに点数を与えてしまい試合の流れを渡してしまいました。練習試合で出来たことが公式戦で発揮できずに本当に悔しいです」(皆木主将)
集合写真
■チャレンジャー精神で県上位を目指したい
その後に実施した練習試合でも連敗が続き、チームの雰囲気もあまり良くなかった。ただ皆木主将は「試合で悪いところを全部出しきって、敗因をきっちりさせよう」と負けて終わりにせず、そこから何を学ぶか。敗戦を糧にしてチームを強くしてきた。
そして現在は打撃に力を入れて、1.4キロほどのバットを使って、多い時は1500回スイングをするなど、打力に磨きをかけてきた。「春はチャレンジャー精神で県上位を目指したい」と言っていた皆木主将。秋に味わった悔しさを晴らすべく、今もなおバットを振りこむ。
(文=田中 裕毅)

今年も大好評!【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!