相馬東のベンチ入り一覧
創立110年以上という伝統を持つ相馬東。自律、共生、創造の3つを校訓に掲げて教育にあたっており、野球部は部員18名ではあるが、昨秋は県大会ベスト4進出。東北大会を逃したものの、春先も躍進が大いに期待されるチームの立役者となったのがエース・笠松 航汰だ。一番自信があるという力のあるストレートは134キロが最速だが、コントロール重視の安定した投球を秋の大会は心がけ、打たせて取ることで攻撃陣にリズムを作った。
その笠松をリードする中島 真尋は「とにかく元気を出してチームを引っ張るようにしています」とのことだが、パワー系の長距離ヒッターで相馬東の攻守の要として活躍した。この2人に加えて、「太田 祐藏が活躍してくれると、チームの流れが変わります」と渡部 瑛士主将は期待を寄せている。
エース・笠松 航汰
■リベンジに燃えた秋季大会
渡部主将のなかで一番印象深かったという県大会準々決勝・須賀川戦。夏の独自大会でも対戦しており、そのときの結果は1対2で相馬東の敗戦。「夏に負けてから須賀川にはリベンジをしたいと燃えていた」というほど相馬東にとって因縁の相手だったのだ。
リベンジマッチは「エース・笠松の調子が悪いときがあった」と渡部主将は語りながらも、大量失点とはならずに競った試合展開に。マウンドの笠松は「途中で夏の大会のリベンジを強く意識しすぎましたが、周りの支えで落ち着いて投げられました」と夏の敗戦をきっかけにモデルチェンジした制球力重視の投球で相馬東を封じ、試合には4対3で勝利。リベンジを果たすことが出来た。
渡部 瑛士主将
それと同時に新チーム発足時から目標としていた県大会ベスト8以上の結果をクリアした。ただ東北大会出場のかかった準決勝と3位決定戦では勝利を飾れず、秋季大会ベスト4という結果に終わった。
「雰囲気にのまれたところもありますが、今までにない経験も出来た」と渡部主将が語れば、「学法石川さんや東日本国際大昌平さんと比較するとボールにキレがなかった」と笠松は上位とのレベルの差を痛感した。
これを総じて遠藤先生は秋季大会をこのように振り返った。
「地区大会で優勝できたことはチーム初でしたし、県大会でも勝ったことがなかったので、まずは1勝というところでした。なので、予想以上に選手が頑張ってくれて想像以上の結果です」
練習の模様
■明るく楽しく元気よくを忘れずに
だがしかし、「私学さんとはパワーが違ったので、冬場に力を付けられるようにしてきました」と選手それぞれのパワーアップをテーマにしてきた。そんな相馬東で取り組んでいる冬場の定番メニューが学校の周りの外周だ。
1周あたり1キロのコースを4分以内で走破する。その後、4分間のインターバルを取った後に再びスタート。これを4本続けて行うのだが、外周は舗装された道ではなく、砂利道となっている。地面からの反発等は少ないため、きちんと自分たちの足腰の力で前へ進まないといけない。
体力系のメニューが苦手だという渡部主将は「下半身が強くなりますが、かなりきついメニューです」と少し苦笑いもしながら語っていた。
春以降は挑戦を受ける立場となる相馬東。持ち前の『明るく楽しく元気よく』を忘れずに、再び上位進出となるのか。春以降の戦いぶりも注目したい。
(文=田中 裕毅)

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