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高校通算35本塁打スラッガーから期待の1年生など群馬にいた8人の逸材

2021.01.09

 2年連続で関東大会を制した健大高崎をはじめ、昨夏の甲子園交流試合にも出場した桐生第一。さらに前橋育英など今年も実力校が揃っている群馬県。そんな群馬県で春以降、順調に大会が開催されれば注目が集まるであろう逸材たちを何名かピックアップして紹介していきたい。

超強力打線・健大高崎から3名の選手を紹介!

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小澤周平

 まず紹介したいのが、小澤周平である。旧チームからチームを支えてきた世代屈指の強打者であり、強打の健大高崎をまとめる主将でもある小澤。横浜DeNAベイスターズジュニアを経験し、横浜南ボーイズから注目を集めてきた逸材だが、持ち前のバッティングを磨くために健大高崎の門を叩くと、早くから才能が開花させる。

 1年生ながら練習試合で星稜荻原吟哉(亜細亜大進学)からホームランを打って見せるなど、高いポテンシャルを発揮。現時点でも高校通算35本塁打と世代屈指の強打者の小澤はどっしりとした構えからゆったりとすり足気味から足をあげてタメを作る。そこから体が突っ込むことなく、軸を崩さずにその場で回転してボールをはじき返していくのが特徴的で、打席の中で魅せる安定感と鋭いスイングが魅力的。

 また、健大高崎のなかで最も打撃理論を理解している逸材である。

 続いてが1番に座る堀江晃生。強打の健大高崎を牽引するスラッガーであり、高校通算17本塁打を既にマークしている健大高崎の驚異の1番打者である堀江。昨秋、大会連覇となった関東大会決勝戦・常総学院との一戦では2本のホームランを放ち、優勝に大きく貢献したことで一気に注目度を高めた。

 最大の特徴はバットの軌道。健大高崎が実践するボールのラインにバットの軌道を入れるために、少しボールの下を捉えるように振りだしていく。さらに、大きく体に巻き付くようなフォロースルーで打球を飛ばしていく思い切りの良いスイングも魅力的な打者である。投手にかけるプレッシャーの大きい恐ろしい核弾頭といっていい打者である。

 3人目に紹介したいのが大型スラッガーの森川倫太郎だ。高校通算21本塁打を記録するスラッガーとして健大高崎を支える森川。身長186センチ体重91キロという恵まれた体格を活かして、ボールをバットに乗せるようにして力強い打球を飛ばしていく大型スラッガーである森川。

 しかし入学当初から決してスラッガーとしての能力が備わっていたわけではなく、初めのころはなかなか結果を出せず苦しい日々が続いた。その時に赤堀コーチによる打撃メソッドを小澤にも教えてもらいながら習得し、ボールの軌道にバットのラインを合わせられるようになり徐々に能力が身についていった。一冬超えて度のようなバッターへ成長を遂げるのか非常に楽しみな逸材である。

[page_break:他にも気になる逸材が多数登場!]

他にも気になる逸材が多数登場!

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左から神山翔琉、佐藤 圭隼、三塚琉生

 健大高崎以外で気になる逸材を挙げると、樹徳津田竜聖をまず紹介したい。

 守備では一塁駆け抜け4.2秒の足も活かした軽快なフットワークに合わせて、強肩も光るショートストップ。球際にも強さを見せるが、バッティングでは無駄の少ないコンパクトな構えからすり足でゆったりとタイミングを取り、鋭く上からバットを振り抜いていくのが印象的な選手。

 旧チームから主力メンバーとして活躍しており、一昨年の秋季大会では毎試合ヒットを放ちチームトップの打率をマーク。昨秋の県大会でも長打を連発していた津田。1番打者として打線を牽引する津田の今後の成長が樹徳の打線のカギを握る。

 そして津田と同じく樹徳を支える佐藤 圭隼はチームの4番に座る主砲であり、打席の中での風格はスラッガーそのものである。昨秋の県大会でも打点をきっちりマークし、4番の仕事を果たした佐藤は中学時代に群馬ダイヤモンドペガサスJrに選出され、全国大会を経験。前橋育英皆川岳飛菊地樂らとともに出場を果たしていた。

 上半身は適度にリラックスしたところから、深い懐に呼び込んだボールを押し込んで飛ばしていくパワーのある強打者だ。津田同様に樹徳打線を牽引するスラッガーとして一冬かけて、さらなるスケールアップを目指してほしい打者である。

 そして昨秋の県大会4強に入った桐生第一からは、三塚琉生を先に取り上げたい。中学時代は千葉県の八千代中央シニアでプレーをしていた三塚。OBにはヤクルトドラフト1位・木澤尚文慶應義塾出身)や広島の坂倉将吾日大三出身)も輩出する強豪で3年間プレーし、高校から群馬の桐生第一への進学を決意した。

 秋の大会でも3番に座るなど1年生ながらチームの中心選手として活躍が期待される三塚。足を高々と上げて自分の間合いをきちんと作ったところから、シャープなスイングで打球を飛ばしていくが、まだまだ線の細さが課題にある三塚。アスリート系の選手へ成長する可能性も秘めた逸材の今後に注目したい。

 また三塚と同じく1年生ながらエースとなった北村流音は、大阪桐蔭川井泰志と小学生の時は同じチームに所属し、中学時代には群馬ダイヤモンドペガサスJrに選出され、全国の舞台を知る。秋季県大会の準決勝・前橋商戦では常時130キロ前半をマーク。スライダーを上手く混ぜながら打者を翻弄した。

 県大会後に開催された1年生大会ではチームの優勝に貢献するなど、三塚とともに今後の桐生第一を牽引する選手として注目が集まる。

 最後に古豪・前橋工から神山翔琉を紹介したい。
 全体の動きとしてはバネを感じさせる軽い身のこなしをしており、それを活かした軽いフットワークで広い守備範囲を守り、柔らかいハンドリングも光る。バッティングでは全身を使って大きいフォロースルーを見せる思い切りの良いバッティングを見せており、今宮健太明豊出身)を彷彿とさせるプレースタイルの持ち主である。

 この中から1人でも多く春以降にブレークする選手が現れることを楽しみにしたい。

(文=田中 裕毅)

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