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148キロ右腕・種市 篤暉(八戸工大一)を筆頭に好投手が集結!たった1つの甲子園の切符を手にするのは?【青森抽選会後 展望】

2016.07.06

 今春のセンバツ大会に2校が出場。昨年は三沢商が青森の公立校としては19年ぶりに甲子園で戦い、八戸西は23年ぶりに公立校で春の青森を制した。勢力図に変化が生まれ、好投手も目白押しでハイレベルな戦いが予想される青森。たった1つの甲子園切符を手にするのはどこか。

■組み合わせ表もあわせてチェック!

【第98回青森大会組み合わせ表】

八戸西、弘前学院聖愛など強豪校がひしめく

小西 巧(弘前学院聖愛)

 34年ぶりに春の県大会で優勝し、第1シードとなった八戸西。中心は、185センチ、88キロの最速143キロ右腕・竹本 祐瑛。もともと評判の高い投手だったが、結果もついてきた。08年以来となる東北大会も経験し、夏本番で本領を発揮したい。県大会決勝では相手のミスがあったとはいえ、逆転サヨナラ勝ちを実体験しており、最後まで諦めない姿勢は相手にとって脅威だろう。

 八戸西の初戦は連合チームの鶴田・金木。直球に力のあるエース・青山 尚登は中学時代にノーヒットノーランを達成しており、この春は連合チームを県大会出場に導いた。春に右足を負傷しているが、完治して万全の投球ができれば春優勝校と互角に渡り合えるかもしれない。

 八戸学院光星と同じ学校法人で兄弟校の野辺地西2011年の青森大会準優勝以降、部員9人を割った時期もあったが、チームを立て直し、今年は部員34人。好投手・伊藤 楓を中心に上位を伺う。初戦の相手となる名久井農は14年に軟式野球部から硬式野球部に転部後、夏は2年連続で初戦を突破中で今年は2勝以上を目指している。シードの黒石商は14年に男女共学となり、硬式野球部が創部された青森明の星と対戦する。優勝の八戸西と初戦で接戦を演じた青森商も同じブロックに入っている。

 第2シードは弘前学院聖愛春の県大会決勝では3点リードの9回裏に守備のミスが出るなどし、逆転サヨナラ負けした。春連覇はならなかったが、冬場に打力を磨いてきた成果は出した。タイプの異なる投手陣が多くいることもプラスの要素だ。今年の3年生は弘前学院聖愛が甲子園に初出場した13年に中学3年生で、聖愛シニアだった選手は実際に甲子園で応援している。再び、夢舞台への思いが強くなれば3年ぶりの出場に近づくだろう。

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[page_break:八戸工大一、青森山田、八戸学院光星は夏をどう戦うのか?]

 第3シードの八戸工大一のブロックが激戦だ。今春のセンバツ大会には青森山田八戸学院光星の2校が出場したため、2校ともに地区予選が免除で県大会に出場。抽選はフリーだったため、青森山田八戸工大一と、八戸学院光星弘前学院聖愛と初戦を戦った。その結果、センバツ大会出場校が2校とも敗れ、夏の抽選もフリーに。青森山田八戸学院光星がどこに入るのか、注目が集まったが、青森山田八戸工大一のブロックに入った。

 その上、シードの大湊、昨秋4位の青森北弘前といった実力校に181センチ、93キロの左腕・浪岡 凌佑を擁する三沢もひしめいており、今大会一の激戦ブロックとなった。

八戸工大一、青森山田、八戸学院光星は夏をどう戦うのか?

種市 篤暉 (八戸工大一)

 八戸工大一は投打に抜けている。春の県大会まで登板がなかったプロ注目の種市 篤暉は怪我から復帰し、夏は万全の状態で迎えられそうだ。2年生右腕・古屋敷 匠眞に外野手兼任の石戸谷 黛政と投手陣は夏を戦うに十分。攻撃も種市、石戸谷らクリーンナップはもちろん、個々に役割を果たせる選手がそろっており、投打がかみ合えば6年ぶりの聖地も見えてくる。

 11年ぶりのセンバツ大会を戦った青森山田だが、春の県大会1週間前に1番を打つ内山 昂思主将が骨折。夏はどう戦うか。それでも、プロ注目の三森 大貴、長打力のある金澤 世那ら攻守に戦力は充実。投手も最速144キロのエース・堀岡 隼人、2年生左腕・三上世視滝など試合経験が豊富な選手が多い。春の雪辱を果たすためにも負けられない。

 第4シードは五所川原工。このブロックに八戸学院光星が入った。昨夏は決勝で三沢商にサヨナラ負け。そこからスタートしたチームは秋の県大会で優勝するも、東北大会では青森山田に敗れて準優勝。センバツ大会では3年連続で初戦を突破したが、春の県大会は初戦敗退。勝負の厳しさをどこよりも知っている。春はエース・櫻井 一樹が右ひじ痛でベンチを外れていたが、夏に向けて回復し、好投している。櫻井に次ぐ投手が乏しい点が不安要素だが、田城 飛翔益田 敦成ら攻撃陣がカバーして勝ち上がりたい。

 県大会出場はならなかったが、弘前実の左腕・福士 笑もキレのある直球を放る評判の好投手。昨夏代表の三沢商もこのブロックに入っているが、この春は地区予選で敗退。昨夏を経験しているメンバーを中心に意地を見せたいところだ。

(文・高橋 昌江


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