2015年ドラフト候補特集(高校生)東日本編 「高橋純平、オコエ瑠偉など大型選手が目白押し!」
神宮大会が終わり、2015年度の有望な高校生が見えてきたのではないだろうか。
そこで、来年度、ドラフト候補になる可能性が高い高校生を東日本と西日本に分けてピックアップした。東日本は全体的に大型投手、大型野手が多く、非常に見所ある1年になりそうだ。
最速152キロ右腕・高橋 純平、吉田 凌など本格派が集う

吉田 凌(東海大相模)と高橋 純平(県立岐阜商)
来年の高校生で最も高い評価を受けそうなのが、高橋 純平(県岐阜商)だ。東海大会準決勝(試合レポート)で、最速152キロを計測。投球フォームは、ゆったりとした始動からリリース時に一気に力を入れるフォームだ。
コンスタントに140キロ後半の速球を計測するスピード能力だけではなく、タイミングも取りづらいので、球速表示以上に打ち難い。キレのあるスライダー、カーブをストライクゾーンへ投げ分け、投球を構成する。既に多くのスカウトが注目する逸材だが、このまま投球の完成度を高めていけば、来年のドラフト1位候補に挙がる存在になっていくのではないだろうか。
また東北では佐藤 世那(仙台育英)が明治神宮大会3試合で25回2失点の好投で、一気に評価を上げた。
その他、まだまだ東日本には好投手が多く、楽しみな逸材が多い。東北では八木 彬(八戸学院光星)に注目。甲子園・敦賀気比戦(試合レポート)で、最速145キロを計測した速球派右腕だ。同じ青森県には140キロ台の速球を投げ込む大型右腕・赤川諒(弘前学院聖愛)も、甲子園出場を目指し、更なる成長を期待したい。
甲子園で最速143キロを計測した佐藤 僚亮(山形中央)は、完成度が非常に高く、実戦力の高さにも注目だ。
194センチの長身右腕・内沢 航大(八戸工大一) は140キロ近い速球を投げ込む右腕。人材が豊富な岩手県では他にも140キロ台の速球を投げ込む本格派左腕・高橋 樹也(花巻東)の成長も見逃せない。
関東地区では吉田 凌(東海大相模)がトップクラス。右上手から投げ込む常時140キロ~145キロの速球は角度があり、縦に鋭く落ちるスライダーが嵌った時の投球は二桁奪三振を狙える迫力がある。あと1年で、さらにスケールアップを果たすことができるか。
そして吉田と二枚看板を組む小笠原 慎之介にも注目だ。左スリークォーターから投げ込む直球は常時140キロ前後(最速146キロ)を計測し、ここぞというときに投げ込む速球の威力は本物だ。そして不調時でも我慢強く投球の組み立てが出来る。体格も良く、常時140キロ前後の速球を投げることができ、投球の組み立ても出来る高校生左腕は少ない。需要が大きく高まるタイプだと考えられるので、ぜひ高卒でプロに行く気概で取り組んでほしい。
原 嵩、小澤 怜史などの本格派右腕の成長にも期待

小澤 怜史(日大三島)
同じ南関東では原 嵩(専大松戸)に注目だ。1年生から140キロ台を計測していた原。投球フォームを改良し、135キロ前後まで落ちたが、今のフォームが馴染んだ時、どこまで変貌するか興味深い。また宮城 正規(我孫子東)は181センチ90キロと恵まれた体格から振り下ろす140キロ台の直球が威力抜群。最速143キロ右腕・原田泰成(東海大望洋)はコンスタントに130キロ後半の速球を投げ込む馬力の大きさは千葉県でもトップクラスだ。
185センチの本格派右腕・望月 惇志(横浜創学館)も、現時点では130キロ後半だが、来年にかけて常時140キロ台・145キロ~140キロ後半の速球を投げ込むまでの投手に成長すれば、一気にドラフト戦線に加わる可能性がある。
また182センチの長身から、常時140キロ台の速球を投げ込む田村 海人 (桐蔭学園)も素材としてならば神奈川県でもトップクラスの逸材だ。
北関東で有望候補に挙がるのが大関 友久(土浦湖北)だ。球速は130キロ中盤だが、伸びのある直球、曲がりの大きいカーブで翻弄する186センチの大型左腕。将来性が高く、一冬超えてどれだけ伸びるか楽しみだ。
静岡県では、夏の静岡大会で、最速148キロを計測した小澤 怜史(日大三島)に注目したい。身体能力が高く、投球フォームに大きな癖がなく、体力面を強化すれば、さらに球速は速くなっていくだろう。この冬から来年の夏にかけて打たれにくい投球術を追求し、高卒プロを狙える存在になるか注目したい。東海地区では、東海大会に導いた右の好投手・森 奎真(豊橋工)、最速147キロ右腕・山田 大樹(菰野)の投球にも注目だ。
北信越地区では平沼 翔太(敦賀気比)が格の違いを見せ付けているが、平沼に続く選手として、最速143キロ右腕・谷川 刀麻(星稜)はフォームの土台も良く完成度の高さならば北信越随一。さらにポテンシャルを高める努力を行いたい。
オコエ 瑠偉、勝俣 翔貴などポテンシャルが高い野手が勢揃い!
打者では、昨年以上にポテンシャルが高い選手が多く、見所ある1年になりそうだ。明治神宮大会で大活躍した走攻守三拍子揃ったショートストップ・平沢 大河(仙台育英)の評価が急上昇し、来年度の高校生野手の中では一歩リードしている存在だろう。

オコエ 瑠偉(関東一)
東北では走攻守三拍子揃った大型外野手・吉田 開(専大北上)、甲子園でも本塁打を放った強打の二塁手・遠藤 真(盛岡大附)、190センチのスラッガー・佐藤 唯斗(花巻東)、180センチ84キロと恵まれた体格から破壊力ある打撃をウリにする青木陸(山形中央)の4人に注目だ。
関東では、身体能力が高く、嵌ったときの長打力が素晴らしいエドポロ・ジョセフ(柏日体)、強打の二塁手・西連地 悠貴(水戸商)が注目を浴びそうだ。
そして来年の東京都についてだが、東京は野手の年といえる。これほど将来性が高い野手が集まった年も珍しい。秋優勝(試合レポート)の東海大菅生のエース・勝俣 翔貴は、打者として注目されている選手だ。
オコエ 瑠偉(関東一)は第86回選抜高校野球大会後の春季大会からデビューした大型外野手。それまでセンターを守っていた快速外野手の熊井からポジションを奪い、センターの座を獲得すると、自慢の強肩、快速を披露。また打撃も本塁打こそ少ないが、外野の間を抜く長打を連発している。身体能力が高い右打ちの外野手として人気株になりそうだ。
また加藤 雅樹(早稲田実業)は、飛ばす能力に関しては今年の東京都ではピカイチの存在といえる。捕手としての技術を高めていけば、来年の高校生を代表する捕手になる可能性を秘めているだろう。
また東京都選抜に選ばれ、日大とのオープン戦(試合レポート)で146キロを計測した田村 孝之介(日大三)は野手としてのセンスの高さが光る選手で、投打両面のレベルアップを期待したい選手。また強打の外野手・中道 大波(帝京)も注目株として挙がるだろう。
千葉では強打の捕手・網谷 圭将(千葉英和)の長打力は関東地区の高校生でもトップクラス。さらに確実性と捕手としての技術を高め、ドラフト候補に名乗り挙がりたい。そして千葉県を代表する大型遊撃手・渡辺 大樹(専大松戸)も、攻守の成長ぶりに注目が集まる。
[page_break:東海大相模の野手3人衆に注目]東海大相模の野手3人衆に注目

杉崎 成輝(東海大相模)
神奈川では、東海大相模の3人の野手に注目。走攻守三拍子揃った遊撃手・杉崎 成輝は一発を打つパンチ力があり、見逃せない存在。強打の捕手・長倉 蓮は、スローイング、キャッチングを磨いていきたいところ。夏の神奈川大会で2本塁打を放った豊田 寛の走塁、守備力の高さ、身体能力の高さも見逃せない。さらに長打力を伸ばし、存在感を出すことが出来れば、ドラフト候補に挙がりそうだ。
同じ神奈川では強打の捕手・下地 滉太 (日大藤沢)の存在も見逃せない。巧打者・柳町 達(慶應義塾)は、慶應義塾打線の中では最も対応力が高く、守備力も高いプレイヤーだ。
東海大会優勝の静岡の強打の遊撃手・安本竜二、ディフェンス力が高い堀内 謙伍の2人は来春以降、どこまでプロを意識出来る選手へ成長を遂げていくか。愛知大会で2本塁打を放ち、甲子園でも本塁打を放った溝口 慶周(東邦)の打撃に注目。新チームからは捕手としてプレーしており、守備力をどこまでアップできるか。また同じく強打の捕手として注目される伊藤 寛士(中京大中京)のレベルアップにも期待したい。
北信越地区では、星 兼太(日本文理)に注目だ。前チームでは1番打者として活躍し、明治神宮大会決勝(試合レポート)では本塁打、第96回甲子園では大分の好投手・佐野 皓大から本塁打を放つなど、大事な所で活躍を見せてきた勝負強さがウリ。
長打力、バットコントロール、走力、守備力とすべてにおいてハイレベルな外野手で、さらに走攻守で存在感を示すことが出来るか。
今挙げた選手は、入学から秋まで話題になった選手たちだ。まだ露出が少なく、取り上げられていない逸材も数多い。来春には多くの選手がドラフト戦線に加わる活躍を見せてくれることを期待している。
次回は西日本の逸材を中心にピックアップをしていきたい。
(文=編集部 河嶋 宗一)