試合レポート

今治西vs今治北

2014.10.14

勝利を近づける「制球力」

今治西vs今治北 | 高校野球ドットコム

延長13回152球で1失点完投勝利の今治西・杉内 洸貴(2年)

「今治市内のチームと当たると、どうしてもこういう試合になってしまう」。
試合後に今治西・大野 康哉監督が苦笑いを浮かべながら話したように、勝手知ったる1キロ圏内の今治市内隣接校対決は、お互いに「あと一本」を出させない、緊迫感のある2時間38分であった。

 5回裏に今治西が一死二・三塁から今治市立立花中3年時にBFAアジア15U選手権日本代表に選出された杉内 洸貴(2年・投手・右投右打・175センチ64キロ・第7回15U全国Kボール野球秋季大会愛媛県選抜メンバー)の右前打で先制。

 対する今治北も8回表に二死三塁から重松 諭(1年・三塁手・右投右打・172センチ65キロ・今治市立西中出身)が同点の遊撃内野安打。
共に1番打者による適時打の後、13回裏二死二塁から8番・安藤 悠利(2年・捕手・右投右打・174センチ65キロ・伊予三島シニア出身)の中前サヨナラ打まで、スコアボードに「1」が灯ることはなかった。

 ただ、単に敵を知るだけではこのような展開にはならない。最大の要因は両先発投手による高い「制球力」である。


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今治北先発・上谷 和大(1年)

 今治西先発の杉内は他投手に不振や故障が重なり、秋季大会前から急遽中学時代以来となる投手へ復帰。にもかかわらず130キロ近くのストレート、120キロ台前後のスライダー共に外角低めへの制球力が素晴らしく、13回・打者47人に152球を投じて与えた四球は初回の1個のみだった。

 今治北の1年生・上谷 和大(投手・右投右打・176センチ61キロ・今治市立日吉中出身)も堂々としたピッチングだった。

 スピードこそ杉内に及ばないが、今治北エース伝統の右サイドハンドからストレート・スライダー・シンカー系の球筋を駆使し、158球・打者53人に対し四死球は4個のみ。5失策でも延長13回まで粘れた健闘は、背番号「10」の制球力なくして語れない。

 もちろん、課題は今治西今治北とも多々あった。ただ、チームのリズムを整え、勝利に導く必須条件である「制球力」を備える投手がいる限り、春以降も両チームが県内上位進出への最短距離にいることは間違いない。

(文=寺下友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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