Match Report

川越東vs春日部共栄

2012.10.06
川越東vs春日部共栄 | 高校野球ドットコム

先発・高橋投手(川越東)

川越東のリベンジ

こんなに早くリベンジを果たすとは。
夏コールド負けを喫した春日部共栄戦から僅か3ヶ月弱、川越東が早くも再戦でそのお返しをした。

春日部共栄はエース西澤は、新チームに残っていたが、旧チームから鎌田、板倉など主力打者が抜けスタメン4人が1年生という若いチームに生まれ変わった。新4番は1年生の三浦だ。先発も同じく1年生左腕の倉井。
一方の川越東も新人戦で聖望学園を完封した1年生左腕の高橋が先発し再戦はスタートする。

両投手無難な立ち上がりをみせ試合は予想通りの投手戦となったが、4回表に試合は動く。この回、川越東の先頭の山本(2年)が右中間へ二塁打を放つと続く小寺(2年)が送り、一死三塁。ここで5番長野(1年)が、ライトオーバーのタイムリー三塁打を放ち川越東が先制する。

一方の春日部共栄打線も5回裏に反撃。6番山本がレフトへソロ本塁打を放ち同点とすると、7番佐野(1年)もヒットで続く。だが、一塁牽制で刺され流れに乗り切れない。

川越東は、春日部共栄の倉井に対し、タイミングがなかなか合わない打者も多く、走者こそ出るが連打が出ず、なかなかチャンスを広げられない。

膠着状態のまま迎えた9回表。川越東にチャンスが来る。この回先頭の小寺がセンター前ヒットで出塁すると続く長野がきっちりと送る。一死二塁で川越東は、代打染野(2年)を送る。
染野は倉井に対し、初打席ながらスライダーをきっちりと捉えた当たりのファールを打つ。この打球をみて、やや勝負を嫌ったか四球で歩かせる。倉井はこ続く高梨もストレートの四球で歩かせ、一死満塁。


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岩田(川越東)

ここで、春日部共栄バッテリーが迎えた打者はこの日、倉井にタイミングの合っている8番岩田。これには春日部共栄ベンチもたまらずエース西澤を投入する。だが、頼みの西澤も、追い込まれる。

ここで川越東ベンチはスクイズを敢行するが、西澤の投球が外へ抜けたこともありファールとなる。追い込まれる岩田。
「あの場面、何にも考えていない。必死でした」(岩田)
と無心で西澤のストレートを捕らえると、打球はセンター前へのタイムリーとなり、川越東に貴重な追加点が入る。
「ずっとチームの役に立ててなくて、この1週間で調子を取り戻してやっとチームの役に立てた」と岩田は試合後安堵の表情をみせた。

その裏、高橋が春日部共栄打線をきっちりと三人で片付け、ソロ本塁打1本の1失点に抑える完投勝利を飾った。

春日部共栄はこの日、足でかき回そうとするが、高橋の何種類もある牽制に幻惑され、牽制死が3つと苦しんだ。また、一度も先頭打者を出せなかったこと。期待の長距離砲、4番三浦も完全に抑え込まれるなど、打線爆発とはならなかった。ただ、まだ若いチームであり、長身右腕の水谷など、潜在能力の高い選手が多いチームなだけに今後の成長に期待したい。

勝利した川越東は、まずはこの日は高橋のピッチングが光った。1年生ながらピンチにも動じず制球も良い。実に完成度の高い投手だった。
5回、3巡目を迎えやや捉えられかかったが、次の回にすぐに修正し、結局その後の春日部共栄打線をノーヒットに抑える快投をみせた。

「3年前の高梨投手のピッチングに憧れて」と川越東の門を叩いた高橋は、新しい球種を一週間前に覚えるなど今もまだ成長段階にある。
また、その高橋に続き、川越東の投手陣には、2年生の渡邉に、1年生の渡部、藤野など完投力のある投手が、3人控えている。
彼ら4人の高いレベルでの競争が続くと自ずと上は見えてくるのではなかろうか。

私立4強の一つ、聖望学園を倒すなど新人戦西部地区大会で優勝し、今大会も春日部共栄を倒してのベスト4と徐々に勝ち癖がつき始めている川越東。さらなる高みを目指して、次なる相手は3年前の夏の準決勝で対戦した花咲徳栄だ。選手達も口々に3年前は負けたので、次は勝ちたい」と口にしていた。相手にとって不足はない。

(文=南英博

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