大道 康平選手 (都立小山台)

寸評

　選抜の履正社高校戦（2014年03月21日）では、結果こそ出ませんでしたが強烈な打球が目を惹きました。新チーム結成以来の打撃が打率.490厘とチーム最高で、3番打者として打線を牽引する存在。 　 （第一印象） 　 　ボールを引きつけて叩く技術があり、思っきりひっぱたく気持ちの好いスイングが目を惹きました。 　 （守備・走塁面） 　 　一塁までの塁間は、4.3秒前後と左打者としてはそれほど早くありません。それでも新チーム結成以来の36試合で10盗塁を記録し、けして動けない選手ではないようです。 　 　二塁手としての動きも無難といった感じで、それほどフットワーク・キャッチング・地肩に特別なものは感じません。新チーム結成以来の失策は11個と、これは遊撃手である　西脇　康一　選手と同じ数で、ポジション柄少し安定感に欠けるところがありそうです。 　 （打撃内容） 　 ＜構え＞　☆☆☆☆ 　 　前足を引いた左オープンスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わりがよく、どっしりした構えに安定感があり、その割に両目で前を見据える姿勢は並ぐらいでしょうか。ボールを呼びこむ独特の「間」の取り方に、光るものを感じます。　 　 ＜始動＞　遅め 　 　投手の重心が下がりきって、前に移動する時に動き出す遅めの始動。ボールを手元まで引きつけて叩く、長距離打者が多く採用するタイミングです。実際プレーを見ていると長距離砲には見えませんが、できるだけ手元まで引きつけて叩くので、打撃の破壊力は高いはず。そ　の辺が、強烈な打球を生み出す要因になっているのではないのでしょうか。 　 ＜下半身＞　☆☆☆ 　 　始動～着地までの「間」がないので、いろいろな球に対応するというよりも、狙い球を絞りその球を逃さないことが求められます。ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用し、内角を強く意識したスタイル。踏み込んだ足元もブレないので、外角でも高めや甘い球ならば対処できるはず。 　 ＜上半身＞　☆☆☆☆ 　 　早めに打撃の準備である「トップ」の形をつくり、始動の遅さを補います。バットの振り出しは、上からミートポイントまで振り下ろし大きなロスがありません。バットの先端であるヘッドも下がらず、思いっきり最後まで振りぬきます。 　 ＜軸＞　☆☆☆☆ 　 　足の上げ下げも静かで、目線も大きくはブレません。体の開きも我慢出来ていますし、軸足にも粘りを感じます。下半身が安定しており、軸が崩れないのが好いところ。

将来の可能性

　選抜では結果は出ませんしたが、打撃には光るものがあります。守備・走塁とそれほど際立つものはありませんが、もう少し総合力を高めれば大学などでも野球を続けて行ける素材ではないのでしょうか。国立大学の野球部など、そういったところでの活躍を予感させるような強打者でした。