Column

ここまで全試合完投!鉄腕!大江 竜聖(二松学舎)ベスト4進出!!

2016.07.24

 今夏の東京で、ドラフト候補として注目されている二松学舎大附大江 竜聖関連記事。1年夏から甲子園のマウンドを経験し、さらに2年春も甲子園出場。昨秋も東京都大会準優勝と、まさに経験値でいえば、東京都の球児の中で、“ピカイチ”である。最速148キロのストレートを投げ込み、さらに貫禄あるマウンド裁きも評価されているが、ここまで順当に結果を残して、先ほど準々決勝を突破!東東京大会ベスト4まで勝ち進んだ。

課題を見出して、そして修正をしていった春季大会

大江 竜聖(二松学舎)

 この夏までの過程を見ていると、順調に成長の歩みを見せている。まず春の都大会の投球を振り返ると、まだ100点という出来ではない。夏にピークを持っていくように感じたが、それも良い課題の残し方だった。昨秋の時点では148キロを計測した。

 一冬越えて、大江は腰回りとお尻が大きくなり、とても高校生とは思えない逞しい体つきになっていた。体格のビルドアップ、また課題として球持ちの浅さを解消したことで、昨秋よりも質のある140キロ台へレベルアップ。東京都の各打者をストレートで圧倒していた。

 まず日大鶴ヶ丘戦(試合レポート)を振り返ると、4失点と大江にしては多かった。この4失点はスライダーが高めに浮いたものだ。秋から春を振り返ると、大江の140キロ台のストレートをまともに打ち返せる打者はそうそういないものの、ストレートだけしか投げないとなれば話は別。大江は1年の時の方がスライダーの切れが格段に良かったのだが、思うように投げられていないということは曲り幅や握り方などを見直す必要があるかもしれない。プロの投手も、変化球をうまく使えない時は曲げ幅などを工夫しながら、実戦に使えるボールにしている。それが夏までにできているかというのがチェックポイントだった。

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 春季都大会ではリリーフからの登板も多く、都立日野戦(試合レポート)では7回、無死一塁の場面で登板し、まずバントもさせず、8、9回では強打を誇る都立日野打線を寄せ付けなかった。そして迎えた準決勝東海大菅生戦では本人曰くまだ調子は上がっていなかったという。押し出しや、死球2つが絡んでから適時打を浴びるなど、計4失点。それでも粘り強く試合を作り、4失点完投勝利で決勝進出。関東大会への切符を手にした。

 東海大菅生は今大会、強打で勝ち上がり、その破壊力はまさに西東京ナンバーワン。その打線に本塁打を許さず、4失点だけにとどめたのは大きい。

 関東大会では、前橋工戦(試合レポートで先発したが、その投球は、大人と感じさせるものであった。捕手からボールを受け取ってから5秒~10秒以内で投球動作に入るリズムの良さ。見ていて守りやすい雰囲気がある。ギアの入れ替えもうまく、普段は133キロ~138キロだが、ここぞという場面では、140キロ~143キロの直球でねじ伏せていく。この試合では、140キロ以上のストレートを15球ほど、最速143キロを5球計測。筆者はスピードガンを片手に全国の好投手を計測してきたが、143キロを5球以上計測したのは、寺島成輝履正社)ぐらいだ。大江のスピード能力はずば抜けている。

 そして変化球の精度も120キロ前後のスライダー、110キロ前後のカーブ、130キロ前後のカットボールと、いずれもコーナーギリギリに決めていて、なかなか手が出ないと感じさせるものであった。その投球は、巨人で活躍する田口麗斗を彷彿とさせる投球で、ドラフト候補として文句なしの投球は、まさに夏の活躍を予感させるものであった。

 夏の東東京大会ではまず足立学園戦(試合レポート)に先発した大江は初回に1点を先制されるが、2回以降、無失点。4回戦の都立広尾戦(試合レポート)では8回8奪三振の快投。5回戦の都立小山台戦(試合レポート)では16奪三振完封勝利。その後も快投を見せている。準々決勝の都立江戸川戦では、強打の江戸川打線に苦しみながらも要所を締めて2失点完投勝利。準決勝進出を決めた。ここまで全ての試合で完投している大江。三度目の甲子園出場へ、最高のピッチングを[stadium]神宮球場[/stadium]で魅せる。


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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