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センバツ選考の気になる選出理由!関東地区の選考はこんなに熾烈だった!

2018.01.31

センバツ選考の気になる選出理由!関東地区の選考はこんなに熾烈だった! | 高校野球ドットコム

 昨日の続き。選抜選考委員会後の記者会見の様子を取り上げます、2回目は関東地区5番目と6番目などです。
記者会見出席のみなさん

① 選考委員会全体の委員長 八田英二さん(日本高等学校野球連盟会長)
② 北海道、関東、東京の3地区委員長 磯部史雄さん
③ 東北、近畿の2地区委員長 杉中豊さん
④ 東海、北信越、九州の3地区委員長 松元泰さん
⑤ 中国、四国の2地区委員長 井尻陽久さん

記者質問:「関東地区についてお聞きします。5番目に國學院栃木、6番目に高崎健康福祉大高崎と言う説明ですがこの辺り、どのような所に差があったのかを具体的に教えてください。」

関東地区・磯部委員長:「國學院栃木と高崎健康福祉大高崎、比較しますとチーム力は互角ということでかなり議論しました。結論から申し上げますと、攻撃力の高崎健康福祉大高崎と、投手力の國學院栃木を比較しまして、少ない得点を投手力で守り勝ってきた國學院栃木を我々は評価して5番目にすることにしました。関東大会を見ていただいた方はおわかりになると思うのですが、國學院栃木は3人の投手(水沢、渡邉、宮)がいずれもエース格なんですね。非常に安定したピッチングをしました。打高投低の試合が多い中で、県大会から7試合それぞれ崩れることなく、自分達の任されたイニングを自信を持ってまとめていた印象を受けました。ほぼ3回ずつリレーしての試合運びは堅実さとスマートさが強い印象でした。7試合で13失点、1試合平均1,9と少ない失点でした。投手交代は監督さんやチームとしては難しい、勇気のいることだと思うのですが、國學院栃木はこの3人でキチンと結果を残した。ぜひ、本大会でも3人の投手リレーを見てみたいと我々強く感じました。一方の高崎健康福祉大高崎は、非常にバッティングが良く、3番・山下、4番・高山といて、機動力も高いチームでしたが、國學院栃木と比較しますと投手力の整備が遅れていたなという印象を受けました。具体的に言いますと、明秀日立との準々決勝で5対7で負けたのですが、4回に先発の吉田投手が二巡目で捕まり、二番手の藤原投手も高めに浮いていて痛打され、一挙に6点取られ、さらに次の5回にも1点を取られた。5回までで2対7という一方的な展開だった。その後に打線が一生懸命頑張って2点差まで追い上げたが、投手が取られすぎだなという印象でした。関東大会2試合で8失点、2試合とも相手に二桁安打を打たれ、県大会から8試合で25失点、1試合平均3,1ということで國學院栃木と比較すると、投手力で國學院栃木に軍配が上がるということにしました。以上になります。」

磯部委員長のコメントからも分かるように、客観的なデータと選考委員の“眼”でアツく議論されたように感じます。例えば関東大会全体を見て打高投低の印象を受けていたということで、その中で投手力に着目したとも受け取れるでしょう。もちろん、投高打低の年ならば印象も変わっていたかもしれません。高崎健康福祉大高崎にとっては悔しい結果になりましたが、群馬大会を優勝すれば絶対に[stadium]甲子園[/stadium]の出られる夏の選手権大会へ向けて頑張ってほしいと思います。

次は21世紀枠について八田会長にこんな質問がありました。
記者質問:「会長にお伺いします。今回記念の90回大会ということで、21世紀枠の方もすっかり定着している感じがするのですが、あらためて制度の意義とどのような戦いを期待されているでしょうか」。

八田会長:「21世紀枠は2001年からですけれども、実力校で選ばれているのが地区別の一般枠、それ以外ある程度の実力があって困難克服や地域活動、文武両道で選ぶのを21世紀枠と考えております。今回も地域との交わりや交流で由利工業や伊万里を選ばせていただきました。膳所は文武両道とデータを重視しているという点を加味して選ばせていただきました。選抜高校野球は英語では【Invitational】という意味ですから、招待させていただく大会ですから、このように色々な要素をこれかれも加味していって深く考慮して、21世紀枠の意義、制度を生かしていきたいと考えています。今回選ばせていただいだ3校は私どものメッセージだと考えていただければ幸いです」。

八田会長の、選抜高校野球は英語では【Invitational】という言葉が全てを物語っているように感じます。選抜大会の英語の正式名称は【Japanese High School Baseball Invitational Tournament】で、あくまでも主催者による招待大会なんですね。つまり、秋の大会は参考資料の一つであって、予選ではありません。秋の大会で勝ち上がって選抜出場が決まったかのように喜ぶ選手もいますが、監督や指導者が「正式に決まるのは1月だ」と制止するチームも時折みます。秋の段階ではあくまでも地区大会優勝、その先の明治神宮大会優勝を第1に考えていってほしいと思います。その先の1月に選抜出場が初めて見えてきます。

明日は近畿地区と21世紀枠の関係について取り上げます。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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