2016年の高校野球を占う【栃木編】「作新学院が再び夏に強さを見せるか？作新を止めたいライバルたち」

水野 敦之（白鷗大足利）

　昨秋の優勝校である白鷗大足利。中でも注目なのは北関東選抜にも選出された水野 敦之。140キロ前半の速球を投げ込む右の速球派で体格も良く、一冬を越え、さらなる球速アップに期待したい投手だ。また洗練されたマウンド捌き、制球力の高さが光る伊澤 京佑、パワフルな打撃が持ち味のスラッガー・秋 智也（2年）は今年にかけて活躍が期待できそう。

　準優勝の文星芸大附はエース左腕・佐藤 良亮、捕手・小野 貴照のバッテリーに注目。佐藤は130キロ前半の速球、スライダー、カーブをコントロール良く投げ分ける投手で、打者に応じた駆け引きもうまく、打たれにくい投手。小野は長打力だけではなく、逆方向にも打ち返す打撃も魅力で、さらに守備の精度を高めて県内屈指の捕手としてアピールをしていきたい。

　2011年から6年連続の夏の甲子園出場を目指す作新学院は、小林 虎太郎、山本 拳輝といった左の強打者が中心。冬を超えると別人のように強打のチームに変貌する同校だけに注目だ。投手陣では最速144キロ右腕・今井 達也がどこまで伸びるかに期待。フォームが安定し、球持ちがぐっと良くなれば、コントロール、ストレートの精度も伸びるはずで、北関東屈指の右腕になることを予感させる。また、186センチの大型右腕・入江 大生にも注目だ。

　ベスト8で括目すべきは、速球派右腕・板垣 理音を擁する青藍泰斗。140キロ台の速球を投げ込む能力は県内でも上位であるだけに、あとは実戦で勝つ投球が求められるだろう。また長打力のある野口 翔も栃木県屈指の打者としてアピールをしていきたい。

　そして昨秋は2回戦敗退（vs文星芸大附）を喫したが、選手層の厚い佐野日大がどこまで浮上するか、注目したいところ。140キロ右腕・永沢 楽、今年の高校生の中でもナンバーワンのスピードを誇り、更に盗塁技術も磨いている五十幡 亮汰（2015年インタビュー）、181センチの長身から最速138キロを計測する2年生左腕・中山 貴史など逸材がズラリ。あとは実戦でどれだけ力を発揮できるかにかかっている。
幸福の科学学園は昨年から投打にわたって活躍してきた早川 賢汰がどれだけ投球面で成長できているのか期待される。

　公立では、昨秋ベスト4に入った真岡工の大関 竜登に注目。181センチの長身から140キロ前後の速球を投げる本格派で、さらに打撃力も高い選手なので、一冬越えて、どこまで進化を遂げられるか、期待がかかる。また、青藍泰斗を相手に3対4の接戦を演じた真岡は、この大会、好投を見せた伊沢 勇人、サイクル安打を記録した木村 恭佑、俊足で打撃にもパンチ力もある伊東 風汰、吉川 佑輝らが注目選手になりそうだ。
打倒・私学に燃える小山西は、投打の中心・佐藤 唯がキーマンだ。他では小山南、強打が魅力の捕手・石川 珠祐哉にも熱い視線が注がれる。

　栃木は私学、公立問わず力のあるチーム、選手が揃う。今年も白鷗大足利、作新学院の有力校を破ることに燃える各校が栃木県のレベルを高めることを期待したい。　

（文・河嶋 宗一）