佐々木 毅選手 (花巻東)
寸評
豊富な投手陣を抱える花巻東高校の中でも、縦の変化を武器にする正統派です。旧チームから背番号18をつけて、投手陣を支えた一人でした。 (第一印象) 非常にオーソドックスなフォームから、昨夏の時点で常時135キロ前後の力のあるボールを投げていました。その球に加え、カーブ・スライダーフォークなどを織りまぜてきますが、特に縦の変化が印象的。ボールも低めに集まることが多いようです。 (投球内容) <長所> グラブを最後まで体の近くにあるので、外角中心にボールが集められます。足の甲で深く地面を捉えられるため、ボールも低めに集まりやすい。また「球持ち」もよく、指先の感覚に優れ、細かい制球力もつけやすいタイプ。将来的には、ボールの威力を持ちながら、安定した制球力を武器にできる投手に育つのではないのでしょうか。 <課題> 気になるのは、フォークなどの縦の変化を武器にする割に、お尻が一塁側に落とせないフォームだということ。このようなフォームのまま、縦の変化を多投すると肘などに大きな負担がかかりやすいわけです。またフォークも低めに集まるのは良いのですが、意外にストンと落ちず、スピリット気味に落差の小さなフォークになりがちです。そのため意外に、狙って三振が奪えない可能性もあります。 あとは「体重移動」が不十分であり、体が流れがちです。これだとボールにしっかり体重が乗せられず、ボールが打者の手元まで伸びてきません。空振りを誘うような勢いのあるストレートを投げるためには、こういった動作も大事にして行きたいところ。
更新日時:2012.06.06
将来の可能性
速球に力もありますし、フォークも悪くありません。その上コントロールも安定しており、将来的には楽しみな投手です。ただ課題も少なくないので、その辺が夏までに改善できるのか気になります。 将来的には、140キロ前後の球速も期待できます。ただ意外に体が横回転であるので、もっとスリークオーターやサイド的なフォームによって、活路を見出す可能性もあります。ただそうなると、フォークなどが生かせないピッチングスタイルになるので、その辺が難しい選択となりそう。いずれにしても、大学などでも野球を続けて行ける素材。少し長い目で、追いかけて行きたい投手でした。
更新日時:2012.06.06
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