2010年04月18日 上尾市民球場

秩父vs桶川

2010年春の大会 埼玉県地区予選  代表決定戦
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秩父が昨秋ベスト8の桶川を破る

わかっているだろう。
これがもっとも怖い。
ボールカウント、アウトカウント、ランナーの位置……。
誰もがわかっていると思っているから、おろそかになる。
この試合の勝負を決めたのも、その「だろう」だった。

9回表、1点を返した 桶川 はなおも1死一、二塁。
打席にはここまで3打数2安打1四球ともっとも当たっている3番の岡本。
ここで 秩父 は先発の福田をあきらめ、引間をマウンドへ。
両チームとも岡本の打席にすべてをかけた。

ところが、結末は意外なかたちでやってくる。
ワンボールからの2球目を叩いた岡本の打球はショートへのゴロ。
ショートの強矢順が二塁に送ってセカンドはフォースアウト。通常なら、ここで一塁送球となるのだが、二塁にもう一人走者がいた。

二塁走者の皆川だ。
一、二塁のため、2人のランナーは打った瞬間にスタートを切るはずだが、皆川は走っていなかった。
セカンドの大場はベース上にいた大場にタッチ。走ってきた一塁走者の原田にもタッチした。原田はすでにフォースプレイでアウトになっている。優先権は前の走者である皆川にあるのだが、皆川はフォースプレイによる審判のアウトのコールを自らに向けられたものと勘違いしたのかベンチに戻ってしまった。二塁上には、すでにアウトになっている原田が残った。

この場合、皆川は三塁に走るのをやめて引き返してきた扱いになる。
そのまま二塁に残っていれば生きていたのだが、ベンチに帰ってしまったために「権利を放棄した」(責任審判の一塁塁審・倉上)と見なされた。桶川はキャプテンの下村を抗議に送るが認められず、併殺が成立。なんとも後味の悪い結末になった。

もとはといえば、皆川のボーンヘッドから始まったこと。
普通に三塁に走っていれば、打者が左打ちの岡本、セカンドがこの日3人目の二塁手として起用された背番号16の大場だったことを考えれば、打者走者はセーフになっていた可能性もあった。
いずれにせよ、抗議、審判の協議などもなく試合終了を迎えることができていた。

アウトカウント、走者の位置の確認。そして、同じ塁に2人の走者が重なった場合は前の走者に優先権があるというルールの確認。基本中の基本だが、「わかっているだろう」という思いから怠りがちな部分だ。

「1球に集中しろ」
よくいわれる言葉だが、これは1つのボールの動きにだけ集中するのではない。
現状を把握し、次に何をすればいいのかをあらかじめ頭の中で準備しておくことも含まれる。
抗議、協議をしている際の審判の対応、態度は決してほめられたものではなかったが、結果的にそれを招いてしまったのは自分自身。もしかしたら、塁上で何かを言われたせいでベンチに戻ってしまったのかもしれないが、審判のせいにしても始まらない。

「わかっているだろう」は禁物。
確認はしすぎてもやりすぎということはない。

まだ春の大会。
この悔しさをバネに、最後の夏は気持ちよく終われるように確認の徹底をしてもらいたい。

(文=田尻 賢誉)




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