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- 2011年 第58回NHK杯佐賀県高校野球大会
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佐賀西vs塩田工

重田清一(佐賀西)
春につかんだもの
塩田工、1点ビハインドで迎えた9回表。
先頭打者の3番中山賢人が相手失策で出塁すると、犠打、セカンドゴロの間に走者の中山は三塁に達し、一打同点となる絶好のチャンスをつくる。
春季大会では幾度となく相手のペースのなかから追いついてきた。
その粘りは監督さえも驚くほどのものだった。
少ないチャンスをものにして勝ち上がった春の再現への期待が高まる。
脅威ともいえる粘りをここでも発揮するのか。
スタンドでは春に比べ1年生が入部し増えた控え選手たちの大きな声援が飛び、この日一番となる盛り上がりを見せた。
大声援に押され打席に立ったのは春、1番を打っていた白川雄一。
佐賀西エース重田清一の2球目を振り抜く。
だが、打球は力なくセカンドの前に転がった。
佐賀西セカンドの古賀が、ダッシュし打球の正面に入り難なくこれをさばく。
万事休す。
春、県大会を制した塩田工が、準々決勝で佐賀西に惜しくも1−2で敗退し春につづく快進撃はならなかった。試合後、塩田工•青野雅信監督は敗戦にも「夏に向けての手応えを感じた試合だった」と振り返る。
立ち上がり塩田工バッテリーは、強気にストレートで内角をつく。
初回、二回と甘くはいったところを佐賀西•3番松田出海、4番中村唐十郎に弾き返され失点する。
すると、投球の組み立てを外のスライダー、緩いカーブを中心に変え佐賀西打線のタイミングをうまく外した。4回以降、四死球は出すものの佐賀西打線を無安打に封じ込める。
5回には、伊東真徳が二塁走者を素早い牽制で刺し、自らピンチの芽を摘み取った。
攻撃でも、積極的な動きをみせる。
二回、五回に走者、二塁、一•二塁からエンドランを仕掛け、5回ランナー二塁の場面では1点差に迫るタイムリーにつなげた。
「落ち着いて試合運びができるようになった」と青野雅信監督がいうように、相手のペースのなかで試合をしていた春の大会とは、同じ1点差の試合とはいえその内容は大きく異なっていた。
そこに選手たちの掴んだ自信、成長した姿があった。
(文=藤吉 ミチオ)
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