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- 2009年夏の大会 第91回全国高校野球選手権大会
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中京大中京(愛知)vs日本文理(新潟)

甲子園決勝のビデオを見る伊藤直輝
【特別企画】伊藤直輝、吉田雅俊が振り返る甲子園決勝
あの夏、たった1度の負けた試合。準優勝・日本文理のエース・伊藤直輝と4番・吉田雅俊が1年前の熱闘を見た。彼らは、澄んだ青空の下で、どんなことを感じて野球をしていたのか。
今回は、本人たちに実際の試合を検証してもらった。
【1回表】
1番・切手孝太
吉田雅俊選手(以下「吉田」)「切手、打ちそうだったけどね」
伊藤直輝選手(以下「伊藤」)「バット、出てこなかったね」
カウント2-0
伊藤「1球、1球への、この歓声がね、すごい!」
ファーストファウルフライ 1死
2番・高橋隼之介
吉田「隼之介、バッティングいいよな。これ、超ジャストミートするから」
伊藤「あー、(甲子園に)戻りたい」
吉田「この雰囲気、まだ覚えてる」
センター前ヒット 1死1塁
吉田「ナイスバッティング」
伊藤「素晴らしい。めちゃくちゃ立てるよね、バット」
吉田「うん。この歓声、すごいですよ」
―周りの声は聞こえない?
吉田「全く。おーい、おーいって言っても」
伊藤「でも、結構、聞こえ・・・聞こえないか」
吉田「ジェスチャーしないとね、気付いてくれない」
3番・武石光司
セカンド併殺 チェンジ

甲子園球場
【1回裏】
伊藤「あー、ホームラン打たれるー」
吉田「でも、詰まった感じじゃない?」
伊藤「あぁ」
吉田「あれ、芯?」
伊藤「芯じゃない」
吉田「だよね」
伊藤「うん。うそでしょ?って思ったもん。入んないでしょ?って」
吉田「ギリギリじゃなかった?」
伊藤「うん。風、ヤバかったよ」
吉田「風ね、ババババーって」
伊藤「右中間ね」
吉田「上の方ね、旗がすごかった」
1番・山中渉伍
伊藤「初球、打たれるからね、これ」
吉田「俺、普通にショートゴロだと思ったんだけど」
センター前ヒット 無死1塁
吉田「自分、中京打線来た、と思いましたよ」
2番・国友賢司
犠打 1死2塁
3番・河合完治
吉田「こいつすごいですよ、河合完治は。これだけでここまで飛ぶんですよ。3番・河合、4番・堂林はヤバイよね」
レフトフライ 2死2塁
伊藤「すごい。3球でツーアウトか」
吉田「お前、痩せてんな」
伊藤「めちゃくちゃ痩せてた」
4番・堂林翔太
伊藤「うわぁ、やだ。2-3から。これ、スライダー」
吉田「振ってこないもんね、この球ね。これ、狙っていたの?高め」
伊藤「うん、狙った。若林、立ったじゃん。もうちょっと起こしたかったんだけどね」
吉田「あんま、起きないもんな。次、ストレート?」
伊藤「いや」
吉田「これって、変化球狙っていたのかな?それとも、全部の球に対応するのかな?狙うはないか、2-3で」
伊藤「変化、狙ってたんじゃねぇ?」
右中間ホームラン 2点 0-2 2死
吉田「うわ」
伊藤 苦笑い
吉田「これで入りますからね」
―フライだと思った?
吉田「普通のフライですよ。やけに滞空時間の長いフライだなぁと思って(笑)気付いたらフェンス越えていたんですもん。バックホーム態勢だったので、そこまでバックしていかなかったんですけど。追っていったら、ボールが全然落ちてこないんですよ」
伊藤「いや、絶対、絶対・・・あ、でも芯かも」
吉田「でも、フルスイングではないよね」
伊藤「あぁ。いや、風だな」
吉田「風」
伊藤「風!」
吉田「風がなかったら自分の俊足を生かして(笑)フェンスの手前で捕っていましたよ」
―2点を先制され、この後も中京大中京の攻撃は続きます。
吉田「この回、6人くらい?」
―7人。
吉田「7人ですか。それでもよく、2点でいけたよね」

甲子園球場
5番・磯村 嘉孝
四球 2死1塁
6番・伊藤隆比古
ライト前ヒット 2死1、3塁
吉田「これも、自分、だいぶ後ろに守っていたので、サードに投げられなかったんです。隆比古とか、めっちゃ怖かったからな」
伊藤「隆比古、すごかったね」
吉田「ガタイが。半袖もう、この辺(肩くらい)まできていましたもん」
伊藤「おしとやかだよ、こいつ(笑)」
吉田「優しいんだ」
伊藤「優しい、めちゃくちゃ」
日本文理 タイム
吉田「これ、何していたの?何て言われたか、覚えている?」
伊藤「覚えてない。いや、そんな、何も言われてない」
吉田「切手とか何も言ってないの?『まぁ、いけるっしょ』みたいな」
伊藤「あぁ。(伝令の)田辺、来ても何も言わなかったもん(笑)」
吉田 笑い
伊藤「うなずいているくらいだったもん(笑)」
吉田「伝令役田辺ね。この集まっている時、結構、外野、気まずいんだよ」
伊藤「確かに痩せてた。痩せこけてた」
7番・柴田悠介
レフトフライ チェンジ
吉田「2点ならね、まだいけると思っていたもんな」
伊藤「うん」
―チームびは「いける」という雰囲気があった?
吉田「全然、まだまだ」
伊藤「とりあえず、点を返そうって。6回、痛かったなぁ」
―2回表、反撃を見せます。
伊藤「お前がね、口火を切ったんだよね!」
吉田「俺、打った瞬間、あれですよ」
伊藤「入ったと思った?」
吉田「いや。この試合、絶対にいけると思いました。義人がね、だいぶ心強いよね、あいつ」
伊藤「うん」
吉田「すごいですよ、5番バッター」

2009年甲子園
4番・吉田雅俊
吉田「このスライダーを見た時、キレていると思ったんだよね」
伊藤「思った。俺、1打席目三振だからな」
吉田「スライダー?」
伊藤「うん」
吉田「スライダーいいもん」
伊藤「俺、狙っていたのがさ・・・完全にホームラン狙ってた」
レフト線2ベース 無死2塁
伊藤「いいねぇ」
吉田「これ先っぽじゃなかったらファウルですよ」
伊藤「俊足です!(笑)さすがー」
吉田「俊足ですよ(笑)甘いからね、これ。真ん中高め」
5番・高橋義人
吉田「こいつがすごいんですよ」
伊藤「ほんと、こいつ、すごい」
右中間2ベース 1点 1-2 無死2塁
―吉田君、かなりギリギリのホームイン。
吉田「余裕ですよ、俊足なので」
伊藤「お、お前さ、(バックホームの)ボールとさ、タイミング一緒だったじゃん(笑)ボール来て、お前の足、一緒だったからね」
吉田「キャッチャー前に出ていたから大丈夫」
伊藤「俊足じゃねぇじゃん、全然!」
吉田「タッチアップ狙っていたからさ、ちゃんとベースについていたの」
6番・伊藤直輝
伊藤「完全に開いているから。ホームラン狙って開いているから」
吉田「結構、悔しがっていたでしょ、三振して」
伊藤「そう」
吉田「お前は絶対に打つと思っていたよ」
伊藤「次、完ぺきに狙ってた」
吉田「またスライダー来ると思ってた?」
伊藤「思っていなかった。ストレートかと思った。ストレートに張って」
空振り三振 1死2塁
伊藤「完ぺき開いていたでしょ」
吉田「でも、結構、いいスイングだ」
7番・湯本翔太
空振り三振 2死2塁
8番・若林尚希
空振り三振 チェンジ
【2回裏】
8番・金山篤未
伊藤「こいつ、ホームラン打っているからな」
吉田「花巻東戦だろ?」
伊藤「うん。(今から投げるのが)チェンジアップ」
初球、空振り
吉田「おぉ、いいね、チェンジアップ。左バッター脅威だなぁ。今、探索中?」
伊藤「何が?」
吉田「チェンジアップ、戻ってきた?」
伊藤「いつも通りだよ」
吉田「このくらい落ちてる?このくらい落ちてたら、絶対に左バッターに打たれないから」
空振り三振 1死
吉田「ナイスボール。左バッター、わからないんだろうな、腕も振れているし」
9番・岩月宥磨
レフト前ヒット 1死1塁
吉田「ナイスバッティン」
伊藤「岩月、ファインプレーしやがったからな」(4回裏、伊藤の打席)
吉田「俺、絶対にいったと思った」
伊藤「お前、何で捕ったの?とか言ったらさ、すいません、って言われた(笑)」
1番・山中渉伍
ショート併殺 チェンジ
【3回表】
9番・中村大地
伊藤「しかし、こいつバッティング、すごかったな」
吉田「一時、苦しんだ時期あったよね。ちょっと引っ張っただけで『打たなくていいよ』って言われて」
伊藤「あった、あった」
吉田「走らせられて。でも、あの練習がよかったんじゃない」
1ボールから3球ファウル どよめき
吉田「あぁ、この雰囲気、思い出すわ」
伊藤「中京大とオープン戦やったときヤバかった。全く一緒だからさ、ユニフォーム」
吉田「そうなの」
伊藤「しかも、山中いたし」
吉田「出てた?」
伊藤「途中から出てきた」
吉田「勝った?」
伊藤「勝ったよ」
吉田「お前、出た?」
伊藤「ずっとデータやってた。後ろで(ビデオで)『ワンアウト、ランナーなし』とか言って(笑)」
見逃し三振 1死
1番・切手孝太
ショートゴロ 2死
2番・高橋隼之介
レフトへホームラン 1点 2-2 2死
吉田「お、いった」
伊藤「これ、鳥肌立っているなぁ、隼之介。ベース回っている時」
―どんな気持ちでした?
伊藤「最高でした」
吉田「いけると思った」
VTR
伊藤「すげえな、こいつ」
吉田「しかも、甲子園はめっちゃ左中間が一番広いからね」
3番・武石光司
ショートゴロ チェンジ
伊藤「すごいんだけどな、こいつも」
吉田「全部、芯に当たっているもんな」

甲子園球場
2番・国友賢司
カウント2-2からの7球目
伊藤「スライダーです」
カウント2-3
見逃し三振 1死
伊藤「これもスライダーです」
吉田「いいね」
3番・河合完治
ファーストエラー 1死1塁
4番・堂林翔太
カウント0-1から1走・河合盗塁 1死2塁
吉田「これ、いいところにいっていたらアウトだったな」
カウント1-2
吉田「これ、勝負してないの?」
伊藤「してない。カウント、こうなったらもう、しなかったね」
吉田「1-2はバッティングカウントだからな」
―わざと外した?
伊藤「いや、外れました。外れて1-2になったので、勝負しなかったです。この打席は」
カウント1-3
―今のは外した。
伊藤「今のは外しました。明らか外すとあれかなぁと思ったので」
―5球目はインコースに投じてボール。
伊藤「(キャッチャーの)若林は外そうと思ってなかったです。自分で外しました、自ら。危ないと思ったので」
四球 1死1、2塁
5番・磯村嘉孝
レフト前ヒット 1死満塁
吉田「打球、速かったからね」
伊藤「実際さ、俺、この回よりさ、(5回の)ノーアウト2、3塁の方がヤバかった」
吉田「フェン直?」
伊藤「あの時の方がね」
吉田「こいつ、バッティングいいな」
伊藤「夏、くるかな、中京大中京」
6番・伊藤隆比古
2つの空振りでカウント2-0
伊藤「全部、チェンジアップ。3球ともチェンジ。全部、いいところにいった」
吉田「チェンジアップっていつから投げていたっけ?県大会、投げていたっけ?」
伊藤「県大会、投げていない。甲子園から」
吉田「それでこれだけはまっているんだもんな」
―県大会では封印していた?それとも、使えなかった?
伊藤「はい。使えない&確かに、封印っていうのもありました。いらないからって」
空振り三振 2死満塁
7番・柴田悠介
カウント2-0
スライダーで見逃し三振 チェンジ
吉田「これ、3球で勝負してくるとおもわなかったよ、たぶん」
ガッツポーズでベンチに戻る伊藤
―ガッツポーズをしています。
伊藤「久しぶりにガッツポーズしました。初めてやった、甲子園で。あ、違うな。県岐阜商の時もしました。チェンジアップで三振を取った時」
【4回表】
4番・吉田雅俊
吉田「変化球、狙ってて」
伊藤「甘かったでしょ、絶対」
吉田「甘くないんだよな」
初球をセカンドフライ 1死
吉田「あぁ・・・」
5番・高橋義人
ショート内野安打 1死1塁
吉田「これでお前のセンターフライ」
伊藤「そうだよ。初球だよ。見とけよ」
吉田「ジャストミートしたからホームランかと思った」
伊藤「これね、振り切っておけばよかったなぁ」
吉田「振り切っていないの?」
伊藤「振り切ってないよ。思いっきり振り切ればよかった」
6番・伊藤直輝
初球をセンターフライ 2死1塁
(センター・岩月、後ろに走りながらジャンプしてキャッチ)
吉田「これ、スーパーキャッチだよな。マジ、上手い」
伊藤「・・・悔しかったぁ」
吉田「バックスクリーン入っていたら」
伊藤「すごかったな」
【4回裏】
8番・金山篤未
セカンド内野安打 1死1塁
9番・岩月宥磨
吉田「ここゲッツーだっけ?」
伊藤「違う」
バント 1塁線ファウル
吉田「これ、監督、怒っていたよね」
伊藤「何て?」
吉田「『なんで、そのままタッチしないんだよ』って、武石に。『そのままタッチすれば、(アウト)1個もらえたじゃないの』って。ベンチで言ってた」
伊藤「俺が触るなって言ったの」
吉田「そうなの?武石、それで怒られてた」
ピッチャー前バント ピッチャー・伊藤セカンドへ送球 1死1塁
伊藤「これ、上手かったな(笑)」
吉田「いいボールだよ」
―これはもう、迷わず?
伊藤「いや、完全に2塁に投げるつもりなかったです。若林が2塁を指したんで。『ふたつー』って聞こえて、うそでしょ、って思って、握り替えたの、分かります?ちょっと、握り替えたんですよ」
1番・山中渉伍
キャッチャーファウルフライ 2死1塁
2番・国友賢司
サード前セーフティバント チェンジ
吉田「中村、上手いよな」
伊藤「上手いんだよ。中村の守備好きだ、俺」

甲子園決勝のビデオを見る吉田雅俊
8番・若林尚希
空振り三振 1死
9番・中村大地
サードゴロ 2死
1番・切手孝太
レフトフライ チェンジ
【5回裏】
3番・河合完治
セカンド内野安打 無死1塁
伊藤「足速いよ、完治。普通に足速い」
吉田「チェンジアップに当てるもんね」
4番・堂林翔太
伊藤「実際、これ入っていてもおかしくなかったわ」
吉田「焦ったんだけど、うわー、いったーと思った」
伊藤「俺も焦ったよ」
吉田「インコース?高め?」
伊藤「内にさ、入れてんの分かる?左足」
レフトフェンス直撃2ベース 無死2、3塁
吉田「クルッとね」
伊藤「上手いな」
吉田「クルッと回ってるね。これストレートでしょ。これすごいですよ」
伊藤「何ていうの?・・・たたむ。見たことないでしょ、だって」
吉田「ライトから見ていて、絶対にいった角度だったんですよ。でも、入らなかったです」
伊藤「逆方向狙っていたんですよ、足が。本当は、スライダーを投げておけばよかったんですけど、外に。スライダーを外に投げて、甘く入ったら長打になるかなと思ったので。若林もインステップだったことに気付いていたので、内のストレートで、って思ったんですけど、見事にクルッと回りましたね。打たれたわ」
5番・磯村 嘉孝
空振り三振 1死2、3塁
6番・伊藤隆比古
吉田「これ、インコースのスライダーをファウルだっけ?」
伊藤「たぶん。インコース、ストレートかな。スライダーだ。ミートされるよね、1球」
ボール、空振り、ボールでカウント2-1
伊藤「雄星からホームラン打ったからな、隆比古。えげつないよ。パワーがすごい」
吉田「中京大中京もそろっていたな」
伊藤「そろいすぎでしょ」
吉田「バッター、すごかったもんな」
伊藤「夏ってさ、バッターがよければ勝てるよな」
吉田「うん。打てれば、何とかなる」
―5球ファウルで粘られています。
伊藤「最初、チェンジアップを粘られていたので、他の球を見せて、チェンジアップで抑えようと思ったんですけど、それも粘られて。でも、チェンジアップでしか、ここは抑えられないと思ってチェンジアップを投げました」
―3回の第2打席目も。
伊藤「さっきもこれ。隆比古、全く合っていなかった」
空振り三振 2死2、3塁
7番・柴田悠介
ショートゴロ チェンジ
―ノーアウト2、3塁のピンチをしのいで、伊藤君は涼しい顔をしてベンチに戻りました。
吉田「危ねぇ」
伊藤「危なかったよ、実際。こんな顔していられなかった」
【6回表】
2番・高橋隼之介
伊藤「ここ点が入らなかったのがね…」
吉田「隼之介、2番じゃないだろ」
伊藤「こういうやつが大学でも活躍するんだよ」
吉田「木製でもいけそうじゃない?」
伊藤「絶対打てる。すごいよ、隼之介」
レフト前ヒット 無死1塁
3番・武石光司
死球 無死1、2塁
中京大中京 ピッチャー堂林から森本隼平
堂林がライト、ライト・金山がセンター、センターの岩月が退いてピッチャー・森本
4番・吉田雅俊
吉田「これで、自分にバントのサインが出るんですよ」
―ここでピッチャーが変わります。
吉田「初球を見たとき、めっちゃ速いって思いましたよ。球速138㌔くらいだったのかな。めっちゃ速く感じた。で、1球目でバントを失敗し・・・」
―自分の打席でピッチャーが変わったけれど、心境は?
吉田「自分、堂林より森本の方が、ビデオを見ると速球派でヨッシャーって思ったんです。打つ気満々だったんですけど、バントのサイン出たんですよ」
実況のアナウンサーが「吉田、バントの構え。次の高橋義人がよく当たっています」。
吉田「ということですね(笑)」
初球、バントファウル
吉田「もう絶対にバントは出来ないと思ったので、バスターでいこうと思いました。バントと思わせて」
セカンドゴロ 1死2、3塁
5番・高橋義人
初球、ファウル
中京大中京タイム
伊藤「何で、1球投げて(タイムを)とったんだろ?」
吉田「義人だからかな。確かに怖いもん」
2球目、ストライク
3球目、ボール
カウント2-1
伊藤「外野フライトだったらよかったんだけどな」
ショートゴロ ショートバックホーム ホームタッチアウト 2死3塁
伊藤「無理だな。スライディングしても。よけて滑ろうとした方向にボール来ている」
6番・伊藤直輝
伊藤「そうだ、これ、すごく甘かったんだ」
吉田「ストレート?」
伊藤「ストレートだっけかな。だいぶ、詰まった」
レフトフライ チェンジ
【6回裏】
伊藤「この回、2アウト取ってからだったなぁ。2アウト満塁からだったな」
8番・金山篤未
セカンドゴロ 1死
9番・森本隼平
伊藤「フォアボール出したの、痛かったな」
四球 1死1塁
1番・山中渉伍
5球目、暴投 1死2塁
ショート強襲ヒット 1死1、3塁
伊藤「逆シングルでしか取れない。しょうがない」
吉田「体、入れられなかったの?」
伊藤「無理、無理、絶対に無理。あれ、捕っていたらセカンドランナー、アウトだった。完全に出ていたもんね」
2番・国友賢司
カウント0-2
―スクイズを仕掛けられます。
伊藤「いつ来るかなって思っていました」
―あれは外した?
伊藤「森本が走ったの、見えたので」
3球目、ファウル スクイズ失敗
吉田「よく当てたよな」
伊藤「もうちょっと外せば良かったな」
サード強襲ヒット 1死満塁
吉田「1アウト満塁?これ、完治でさ、三振とって、いけると思ったんだけどな」
伊藤「これ、微妙な三振だったんだよね」
吉田「抜けたの?」
伊藤「抜けた」
日本文理タイム
伊藤「来たな、田辺」
吉田「何言われたか、覚えてる?」
伊藤「とりあえず、1個取ろうじゃない?」
3番・河合完治
吉田「左バッターに対して安心していたんですけど、こいつだけは怖かったです。チェンジアップに合っていたもんね。こいつだけは当ててきた」
空振り三振 2死満塁
吉田「伊藤、いけると思った?」
伊藤「いや、いけるとは思わないよね。とりあえず、抑えたい、だよね」
4番・堂林翔太
吉田「ここまで2打数2安打か」
伊藤「これで3の3になる。低めを拾うの上手いから高めで勝負するしかないんだ」
レフト前ヒット 2点 2-4 2死1、2塁
吉田「すごいなー、こいつ」
伊藤「最強だわ」
―勝ち越されました。
伊藤「やっちまったって感じでした。先に取られないことしか考えていなかったです」
5番・磯村 嘉孝
死球
2死満塁
6番・伊藤隆比古
高いバウンドをピッチャー・伊藤が捕球。1塁に投げられず
1点 2-5 2死1、3塁
伊藤「これさ、武石、多分、打球しか見ていなかったね。高かったじゃん。落ちてくるのに時間がかかったから」
―その間にファーストに戻っていれば良かったと。
伊藤「そうしていたら、アウトだったんですけどね」
―ファーストに誰もいなくて驚いた?
伊藤「めちゃくちゃビックリしました。(セカンドの)切手もビックリしていた」
7番・柴田悠介
吉田「走者一掃か、これ」
伊藤「そういうこと」
レフトオーバー2ベース 3点 2死2塁
伊藤「うわぁ」
―この時の心境は?
伊藤「いやぁ、もう、ミスがあった後の・・・。別に甘くはないんですけどね、もうちょっと慎重にいけばよかったなって思います。低めのストレートを投げたんですけど、上手いわ。低めを拾うの、上手すぎじゃない?」
吉田「うん」
伊藤「右ひじをたたむのが上手い」
8番・金山篤未
四球 2死1、2塁
9番・森本隼平
空振り三振
3アウトチェンジ
【7回表】
7番・湯本翔太
伊藤「1年で甲子園の決勝を経験できるって最高だな」
吉田「最高」
―君たちが経験させてあげたんじゃない?
伊藤「いや、こいつの力もなきゃダメでしたよ」
吉田「湯本、甲子園の初打席初安打が2ベースだよね?」
伊藤「そうだよ」
センター前ヒット 無死1塁
―この時、6点のリードを許していました。
吉田「焦りはなかったよね」
伊藤「なかった」
吉田「なんか、いけるって。まだ全然、いけるってね」
―点差がついている意識は、あまりなかったと?
伊藤「なかったですね。全くではないですけど」
8番・若林尚希
初球、ストライクの後、1走・湯本に代走・村山良太
レフト前ヒット 無死1、2塁
吉田「これ、連打、連打でいい感じだったのにね、切手、ゲッツーだっけ?」
伊藤「(笑)あいつはもう・・・説教!」
9番・中村大地
吉田「バッティングいいな」
ライト前ヒット 1点 3-8 無死1、2塁
1番・切手孝太
セカンドゲッツー 2死3塁
伊藤「痛かったなぁ…」
2番・高橋隼之介
レフトフライ チェンジ
伊藤「惜しかったなぁ」
【7回裏】
日本文理 代走・村山に代えて、センター・朝妻翔
伊藤「完治に打たれるんだ。ライト線に」
1番・中山渉伍
レフト前ヒット 無死1塁
2番・国友賢司
犠打 1死2塁
3番・河合完治
ライト線2ベース 1点 3-9 1死2塁
4番・堂林翔太
セカンドフライ 2死2塁
5番・磯村 嘉孝
カウント0-1からの2球目、暴投 2走・河合進塁 1死3塁センター前ヒット 1点 3-10 2死1塁
6番・伊藤隆比古
セカンドゴロ チェンジ
【8回表】
中京大中京 レフト伊藤に代えて盛政仁至
3番・武石光司
ショートゴロ 1死
4番・吉田雅俊
吉田「これも甘かったんだけどなぁ」
ファーストファウルフライ 2死
伊藤「あぁって感じだった?」
吉田「球威に押された。打ちたかったなぁ。もう1本、打ちたかったな、決勝」
5番・高橋義人
センター右へヒット 2死1塁
伊藤「すごいよな、こいつ」
吉田「うん」
6番・伊藤直輝
吉田「打つっけ?お前」
伊藤「わかんない。あ、そうだ、三塁線。で、完治がセカンドに送って逸れたやつ」
吉田「そうか」
伊藤「あ、三遊間抜けそうな打球かも」
サードエラー、さらに送球ミス
2死1、3塁
7番・代打・田辺和貴
吉田「田辺これ、だいぶ粘りますよね」
―粘ります。
吉田「バックネットにファウル打った時、上にはまったんですよ。それでオーってなるんですよ」
伊藤「あった、あった、あった(笑)」
吉田「思い出した?」
吉田「こいつ、シニアの時も全国準優勝だからな。新潟シニアのやつ、すごいわ。2回もそんな経験して」
4球目、暴投 3走・高橋義、ホームイン 1点 4-10
5球目がファウルになり、バックネットに挟まる
吉田「どこまで笑わせるんだって感じでした」
―笑わせるキャラクター?
吉田「そうです」
伊藤「こいつ、ヤバイですよ」
空振り三振 チェンジ
【8回裏】
日本文理 代打・田辺に代えて、センター・矢口正史
7番・柴田悠介
レフト前ヒット 無死1塁
8番・金山篤未
犠打 1死2塁
9番・森本隼平
ファーストゴロ 2死3塁
1番・山中渉伍
ショートゴロ チェンジ
【9回表】
中京大中京 ピッチャー森本から堂林
森本がファースト、ファーストの柴田がライト
吉田「出たぁ、堂林」
伊藤「みんな言っていたじゃん。打とうぜって」
吉田「あいつらエースで終わらせる気だろって」
伊藤「もう、打とうぜ、打とうぜって」
吉田「このままじゃ、終われなかったよな」
伊藤「うん」
吉田「4点じゃ物足りなかったですよ」
8番・若林尚希
見逃し三振 1死
吉田「これ、ストライクか。厳しいな」
9番・中村大地
ショートゴロ 2死
―この時も「まだ、まだ」という雰囲気?
伊藤「まだ、まだっていうか・・・確かにもう、2アウトだったので」
吉田「潮時かって気持ちもあるけど、でも、物足りないよなって感じでした」
1番・切手孝太
四球 2死1塁
2番・高橋隼之介
吉田「こいつ、5の4だったのか」
伊藤「粘って打つってすごいよな」
4球目で1走・切手盗塁 2死2塁
―伊藤君はベンチ前でキャッチボールをしているけれど、自分に打席が回ってくるとは思っていた?
伊藤「思っていなかったですね」
左中間2ベース 1点 5-10 2死2塁
中京大中京 タイム
3番・武石光司
吉田「ナイスバッティングだ、これ」
ライト線3ベース 1点 6-10 2死3塁
4番・吉田雅俊
吉田「来たぁ、吉田。問題児・吉田(笑)」
伊藤「問題児だね」
吉田「初球だっけ?打ったの。あ、2球目だ。甘かったんですけどね」
伊藤「焦った?」
吉田「焦った。あれ?何で?ホームランだと思ったら、上がって・・・。超、甘かったよね。分かる?」
伊藤「分かる」
吉田「ちょっと低めの」
伊藤「絶好球だった?」
吉田「絶好球。ホームランボール。狙いすぎて開きが早かった。これですよ」
カウント0-1からの2球目 3塁ベンチ前にファウルを打ち上げる
吉田「あー、もう終わったと思いました。(サードが捕れず)おぉ、良かった、と。もう、本当に冷や汗ですよ」
伊藤「冷や汗かいたの?」
吉田「もう、背中、スーッとなって」
―打席にはどんな気持ちで向かったのですか?
吉田「自分で終わる気がしなくて、自然体で、プレッシャーも感じないで打席に立ちました。そしたらファウルフライを打って、危ねぇと思って」
死球 2死1、3塁
吉田「ケツなのに、痛かったです」
中京大中京 ピッチャー堂林から森本
堂林がライト、ライトの柴田がファースト
吉田「義人もだいぶ、粘るよね」
5番・高橋義人
四球 2死満塁
6番・伊藤直輝
―打席にはどんな気持ちで向かったのですか?
伊藤「もう、この時は打ってやろうってしか思っていなかったです。打ってやろうっていうか、次につなげば、とりあえず、点は入るじゃないですか。次につなごう、としか思っていなかったです」
吉田「イトウコール、起こったじゃないですか。すごいですよ」
イトウコールが沸き起こる
伊藤「焦ったよ、あれ」
―しっかり、聞こえていたのですか?
伊藤「聞こえていました」
吉田「聞こえますよ、あの声は。すごいですよ」
伊藤「いやぁ、何かよくわからなかったですね、実際。何でこんなに自分の名前が呼ばれているのかも分からなかったです」
レフト前ヒット 2点 8-10 2死1、2塁
吉田「ここで自分、レフトを見たんですよ。だいぶ後ろだったので」
2走・吉田 ホームで間一髪セーフ
吉田「セカンドからサードに行った時、(レフトが)すごく後ろにいたんですよ。結構、余裕かなと思ったらいいボールが来て危なかったです。超いいボールでした。2バウンドしていますけど、ストライクボールで。お前、よく打ったよ」
伊藤「ベース上で安心感に浸りました」
7番・代打・石塚雅俊
レフト前ヒット 1点 9-10 2死1、3塁
吉田「自分、これ、見ていなかったんですよ。ベンチに戻って、水飲んでいたら。1球目だったので」
伊藤「水、飲んでんじゃねぇよ、お前」
吉田「ヤバイってなった」
1走・石塚に代走・平野汰一
8番・若林尚希
吉田「こいつも惜しかったな。これはいい当たりだと思った。終わった瞬間、時が止まったよね」
伊藤「一瞬な」
サードライナー
吉田「うわ、いい当たり」
試合終了
吉田「泣いたのも若林だけだったしね」
伊藤「うん」
吉田「あとはみんな、清々しかったね。これだけいい試合したらね」
中京大中京校歌斉唱
伊藤「初めて、試合でさ、ベンチ前に並んだんだよな」
吉田「うん」
伊藤「それはそれでな、すごいわ」
吉田「ずっと、自分たちホームベース前だった」
―昨夏の甲子園決勝を見て、どうでしたか?
伊藤「つい最近のことのようでした」
吉田「懐かしくはないですね」
伊藤「この前やっていたって感じですね。記憶に新しいっていうか」
―何故、決勝まで進めたと思いますか?
伊藤「ひとり一人、勝ちにこだわっていた。勝つってことを、みんながしようとしていたからじゃないですかね」
吉田「練習で出来たことを試合で出せたしね」
伊藤「それは大きかったね」
吉田「一番はバッティングですね。朝練からずっとやってきたからね」
―改めて、高校野球を振り返ってみると?
伊藤「あっという間でしたね。自分は1年と2年の夏、肩をケガしていてろくに投げられなかったので。最後の夏にかける思いがありましたし、この仲間で3年間やってこられて、最後にこういう結果を出せたということは何よりも嬉しいこと。本当に最高の思い出になりました」
吉田「自分は試合に出たのが2年生からなので、1年生の時は長く感じました。練習もきついじゃないですか。なので、長く感じたんですけど、3年生になったら、あっという間でした。1、2年の時、勝てなくて甲子園に行けなかったので、最後、こういう風に終われて、3年間、頑張った甲斐があったなと思います」
―大学野球はどうですか?また、今後に向けて。
伊藤「チームも全国もレベルとか違いますね。チームは特にピッチャーのレベルが高いです。春は全国で勝つのは難しいと思いました。これからは高校野球の経験を生かせるといいですね」
吉田「高校野球とは環境や雰囲気が違い、レベルも高い。木製バットに変わって、高校とは違う考えが必要になってくる。対応力ができないといけないなと思います。がんばります」
(文・インタビュー=高橋 昌江)
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| 日本文理 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 5 | 9 | ||||||
| 中京大中京 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 2 | 0 | X | 10 |
日本文理:伊藤―若林 中京大中京:堂林、森本、堂林、森本―磯村
【本】堂林(中)高橋隼(日)
【三】武石(日)
【二】吉田、高橋義、高橋隼(日)堂林、柴田、河合(中)


















