2010年04月02日 阪神甲子園球場 

興南(九州)vs大垣日大(東海)

2010年選抜大会 第82回選抜高校野球大会 準決勝


試合中の一つのプレー・瞬間のジャッジで大きく結果が変わってくるのが野球である。
今大会、松倉雄太が試合を決定づける「勝負の瞬間」を検証する。


痛感した2年生バッテリー



 2回表、 興南 6番山川大輔(3年)の一発で試合が動き始めた。

真ん中高めの少し甘い球。山川の打球はライト方向へのライナー。ポール際で切れるかと思われたが、振り切った分だけ、打球が伸びた。「すごい打撃」と苦笑いを見せたのはマウンドの葛西侑也(2年)。ここから始まった興南打線の猛攻になすすべがなかった。「自分の力がまだ通用しないということを実感した。2日間空いた影響はないですし、調子も良かった」と2年生エースはさばさばとした表情。捕手の時本亮(2年)も「途中からどこに投げさせても打たれる気がした」と脱帽だった。

1回から興南ペースになる伏線はできていた。スピードがない分、絶妙な制球力で勝負するタイプ。しかし立ち上がりからボールが先行。

時本は話す。「コントロールは悪くなかったし厳しいところにも来ていた。ただ、相手の打者がしっかりと見極められた」と打者が上だったことを強調。さらに「正直、ストライクを取ってほしいと思った球も何球かありました」と球審の特徴をつかみきれていなかったことを否定しなかった。ストライクゾーンギリギリの球が決まらない。そうなれば必然できに球が甘くなる。投球の幅を狭める要因だ。

阪口慶三監督は「葛西は腕が振れていなかった」と制球の乱れを分析。3回途中6失点でエースをマウンドから降ろした。エースの変化を見抜いていたのだ。

2番手の阿知羅拓馬(3年)も流れを止められず、4回に2失点。前半で試合の大勢は決した。

一方、興南のエース・島袋 洋奨(3年)は今大会一番のピッチング。特に圧巻だったのは初回。ファウルで粘る1番森田将健(3年)に10球を投げさせられるが、全て直球で押しとおした。女房役の山川は「緩い球を投げると当てられてヒットにされると思った」と配球を説明。結局この1回で変化球はわずか1球だけ。直球は走り、コントロールも安定。7回を投げて2安打、二塁をも踏ませないピッチングで 大垣日大 打線を翻弄した。大差となった8回から、同じ左腕の砂川大樹(3年)に譲り、決勝への準備も十分、チーム打率3割9分の 日大三 打線との対決が楽しみだ。

(文=松倉雄太

【選抜大会特集】
■ 興南(データ)
■ 大垣日大(データ)


印刷する  この記事をYahoo!ブックマークに追加  この記事をクリップ!    このエントリーをはてなブックマークに追加 



【関連記事】
大垣日大vs静岡商【2011年春の大会 第58回春季東海地区高校野球大会】
第31回 第83回選抜大会総括【大会展望・総括コラム】
第30回 大会途中経過!今大会の注目選手(投手&野手)を振り返る【大会展望・総括コラム】
第29回 いよいよ後半戦に突入!優勝の鍵を握るのは捕手の力量にあり!【大会展望・総括コラム】
東海大相模vs大垣日大【2011年春の大会 第83回選抜高校野球大会】
前原vs興南【沖縄県 2011年春の大会 春季沖縄大会】
大垣日大vs東北【2011年春の大会 第83回選抜高校野球大会】
第28回 注目カードはここだ!本気のプレーが日本を勇気づける(2)【大会展望・総括コラム】
第27回 注目カードはここだ!本気のプレーが日本を勇気づける(1)【大会展望・総括コラム】
選抜レポート 『大垣日大高等学校』 葛西&時本バッテリー対談 【ニュース - その他】
第62回 大垣日大高等学校 葛西侑也、時本亮選手 【2011年インタビュー】
第83回選抜高校野球大会 出場校特集近畿地区6校追加! 【ニュース - 高校野球関連】
美濃加茂vs大垣日大【岐阜県 2010年 平成22年度岐阜県私立高等学校親善野球大会】
阿知羅 拓馬(大垣日大) 【選手名鑑】
大城 滉二(興南) 【選手名鑑】
葛西 侑也(大垣日大) 【選手名鑑】
川満 昂也(興南) 【選手名鑑】
我如古 盛次(興南) 【選手名鑑】
国吉 大陸(興南) 【選手名鑑】
後藤 健太(大垣日大) 【選手名鑑】
島袋 洋奨(興南) 【選手名鑑】
高田 直宏(大垣日大) 【選手名鑑】
時本 亮(大垣日大) 【選手名鑑】
星野 真一郎(大垣日大) 【選手名鑑】
眞榮平 大輝(興南) 【選手名鑑】
山川 大輔(興南) 【選手名鑑】
大垣日大 【高校別データ】
興南 【高校別データ】
第82回選抜高等学校野球大会 【大会別データ】

応援メッセージを投稿する