2009年11月19日 神宮第球場

大垣日大vs東海大相模

2009年秋の大会 第40回明治神宮野球大会 決勝

大垣日大、初優勝!!

大垣日大、東海大相模を逆転でくだし神宮大会初優勝!

 第40回記念明治神宮大会も最終日を迎え、この日高校の部決勝戦 大垣日大東海大相模の試合が行われた。試合開始直後から軽めに降り出した雨、天気予報に反して試合が進むにつれ激しくなり、師走を思わせるような肌寒さも重なりプレーする選手たちは勿論のこと観戦する側もかなり厳しい気象条件となった。

 先発は 大垣日大 が1年生サウスポーエースの葛西君、対する東海大相模はエースの一二三君ではなく背番号11の江川君がマウンドにあがった。東海大相模一二三君、前日の 帝京 戦完封による肩の披露、右手人差し指の状態などが危惧された。また東海大相模の江川君がどこまでゲームを作ってゆけるかが注目された。

 1回表 大垣日大 の攻撃を三人でしとめいい立ち上がりをした東海大相模江川君であったが、2回表の 大垣日大 、6番時本君にライト前タイムリーを打たれ1点を先制された。しかし3回終了時までこの時本君のタイムリー1本におさえ、両サイドをつく緩急を交えた丁寧なピッチングで試合を作った東海大相模江川君。するとその裏東海大相模の攻撃、3番菅谷君に同点タイムリー、4番田中君にも逆転タイムリーが飛び出し2-1。内野エラーで追加点をあげたあと2死1.2塁から好投していた江川君がレフトスタンドへスリーランが放ちこの回一挙6点の猛攻で試合の流れを完全にものにした東海大相模

4回 大垣日大 の攻撃、この日2本目の安打を後藤君に許すも無失点で乗り切り、4回被安打2、失点1の好投。右サイドスロー気味から投げ込むシンカーが有効でなかなか 大垣日大 打線も江川君の球を捕らえきれない序盤の攻防となった。

 しかし5回以降徐々に 大垣日大 に試合の流れが移りだす。4回まで好投をみせていた東東海大相模江川君であったが、1番森田君のタイムリー2点スリーベースで6-3、2番小尾君も連続タイムリーで続き6-4の2点差。7回には1番森田君にライトスタンドへ豪快に運ばれる本塁打を許しいよいよ1点差の6-5、じわじわ東海大相模の背中を追ってくる大垣日大。一時は5点差がついた試合だったが試合後半にきて全くわからない展開となった。

 一方の東海大相模も7回裏、2死満塁から8番大城君が走者一掃のレフト前タイムリーツーベースを放ち9-5、再度4点差をつけ流れを呼び戻したかに見えた試合だったが、ここから 大垣日大 がさらに迫力満点の攻撃をしかけた。8回表1死1塁から5番高田君のスリーベースで1点を返すと、6番時本君のレフト前タイムリーで9-7、8番須藤君にもヒットを許し1死1.2塁としたところで東海大相模たまらずエース一二三君をマウンドへ。ここまで江川君を引っ張らざるを得なかった状況を考えると一二三君の状態は決していいとは言えないことが予想された。なんとかエースの投球でピンチをしのぎたい東東海大相模。9番葛西君を外角低めのストレートで三振にしとめた一二三君であったが、強い雨による悪条件のマウンドの影響を受けたかワンバウンド投球でキャッチャー後逸、ランナーを2.3塁とした後で1番森田君にタイムリー2点2塁打を打たれついに9-9の同点に。しかしその後2番小尾君を見逃し三振に切って取りピンチを脱した。

 試合終盤にきて冷たい雨に打たれ肌寒さで指先が思うように動かず体が真から冷え震える状態でありながら、試合のほうはまさに手に汗を握る展開。マウンド上で苦しんでいる東海大相模一二三君、体の状態は本人にしかわかならない、関東大会から通じて初めて見る姿だった。

 なんとか反撃に移りたい東海大相模8回裏、1番渡辺君がヒットで出塁、2番臼田君の内野ゴロを大垣日大守備陣のエラーがでて1.2塁。東海大相模が願ってもないチャンスを迎えた。スタンドからも東海大相模へ大きな声援。東海大相模押せ押せの状態で、 大垣日大 坂口監督はエース葛西君を諦め背番号10の右腕阿知羅君をマウンドへ。その阿知羅君、長身から投げ込む投球は威力も気迫も十分、試合の流れを一気に変え3番菅野君そして4番田中君を三振で打ち取り万歳のガッツポーズ、力で牛耳る渾身の投球を見せた。この阿知羅君への継投、そして投球が実に大きかった。

 激戦となった決勝戦も同点のままいよいよ最終回9回の攻防。9回表大垣日大の攻撃、先頭打者3番後藤君が一二三君の初球を芯で捕らえセンターオーバーの三塁打。フォローが大きいバッティングは豪快そのもの。4番安藤君が背中に死球、ノーアウト1.3塁。5番高田の時に東海大相模一二三君がマウンドに足をとられボールを握ったまま投げられずボークを取られ大垣日大逆転10-9。その後高田君にヒットを許し、ノーアウト1.3塁。明らかに状態がおかしい一二三君。マウンド上で苦しい表情を見せた。しかしここも気迫をみせレフト菅野君の好プレーもあり、後続を断ち最終回9回裏の自軍の攻撃に望みをつないだ。

 9回裏、先頭打者5番福山君が四球を選び同点のランナーが出ると6番染谷君の送りバントでランナー進塁、打席には一二三君。この場面で一二三君が意地をみせ阿知羅君の甘く入った変化球をセンター前にはじきかえし出塁、同点タイムリーかとスタンド内盛り上がるも三塁でランナーストップ。一塁ベース上では一二三君が大きな声で、スタンドまで十分聞こえる雄たけび。正直びっくりするくらいの気迫を見せた。終始冷静な表情でマウンドを守ってきた一二三君が見せた絶叫、先ほど逆転を許したミス、また思うようにならない自身のコンディションの悪さへの怒り、いらだちが一気に叫びとなって現れたような気がした。

 盛り上がる東海大相模応援団、1死1.3塁打席には8番大城君。スクイズも考えられたこの場面だったが強攻し打って出る大城君。阿知羅君の外角の球を何球もファールし食い下がったが、最後は外角の球を空振り三振。9番牧嶋君もサードゴロに倒れゲームセット。 大垣日大 が第40回記念明治神宮大会の頂点を取り、神宮大会初優勝を飾った。

  

 大垣日大 の各選手、ファインダーから伺えた表情は活き活きとしており、阪口監督の指導、人間力、選手の乗せ方等が選手たちに浸透しているような好印象を受けた。また試合終了の挨拶後、顔をしかめて悔しがる東海大相模一二三君の姿にも胸を熱くした。頂点を取るのは来春以降に持ち越しとなったが、今大会を通じて選手としては勿論のこと、人間としても魅力ある選手という感想を持った。

 ほんとに悪条件のもと行われた本日の決勝戦、実力校同士の対戦だっただけにグランドコンディション、選手たちの状態も含めて両校いい状態で試合をしてもらいたかった。この両校の来春以降の今後の戦いぶりも非常に楽しみとなった白熱した決勝戦、 大垣日大 が優勝を飾り神宮大会高校の部の幕を下ろした。両校のより一層の今後の飛躍、健闘を祈願して筆をおきたい。

(文・撮影=国吉辰一


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