2009年11月05日 千葉県野球場

東海大相模vs 花咲徳栄

2009年秋の大会 第62回関東地区高校野球大会 決勝

歓喜の瞬間(東海大相模ナイン)

東海大相模、花咲徳栄をくだし関東制覇!!

 第62回秋季関東地区高校野球大会もいよいよ最終日、日没再試合が組まれたため、予定より一日遅く本日5日に決勝が行われた。5日の千葉県営球場は曇天ながら時折晴れ間も顔を出す天候。10時開始ということもありスタンド内の空気はつめたく秋季大会といえども決勝戦をむかえたこの日、秋というより冬近しを思わせるものだった。

 神奈川大会5年ぶり10度目の頂点を取り今大会もエース一二三君や強力打線で勝ち進み決勝に進出してきた東海大相模と4年ぶり6度目で今大会に出場し佐藤君大塚君らの好調な打撃陣とエース五明君らの投手陣のがんばりで決勝に勝ち上がってきた 花咲徳栄 の一戦となった本日の決勝戦。先発は両校ともにエースをたて秋季関東の覇権を争った。

 この試合、東海大相模のエース一二三君の投球、そして 花咲徳栄 打線がどう好投手一二三君を攻略してゆくのか、また 花咲徳栄 の五明君を中心とした投手陣が強力東海大相模打線に対しいかに最少失点でしのぎ試合の流れを自軍に引き寄せるのかなどが注目された。

 初回を無難にたちあがった 花咲徳栄 のエース五明君、スリークォーターやや上くらいから投げ込み、大きなカーブとチャンジアップなどの変化球を効果的に使う身長181センチ、上背のある投手。左打者が多い東海大相模打線もてこずるのではと思った矢先の2回裏東海大相模の攻撃。染谷君がさからわずにおっつけてレフト前ヒットで出塁。 花咲徳栄 の五明君攻略の一端が垣間見られたような見事なバッティング。続いて打席に入った一二三君、その五明君が投じた甘く入った球を見逃さずレフトスタンドへ豪快に叩き込み東海大相模が2点を先取した。

 3回表 花咲徳栄 の攻撃、この回チーム初安打が生まれその後1番佐藤君にレフトオーバーのタイムリー二塁打が飛び出し1点を返した。得点を許した直後の回で1点を返した 花咲徳栄 、試合の流れはまだどちらに転ぶのかわからない状況。3回裏の東海大相模の攻撃をよくしのいが五明君であったが、4回裏ノーアウトから5番福山君に2塁打を打たれると6番染谷君がバントで送ったのち前の打席で先制ツーランホームランを打たれた一二三君を打席にむかえた。ここでも一二三君にタイムリー2打を打たれ3-1と再び2点差に。更に8番大城建君にも逆方向へのバッティングが見られレフト前ヒット、その後渡辺君に2点タイムリーを打たれこの回3失点、5-1とされた。やはり 花咲徳栄 のエース五明君の攻略、特に左打者は外角の変化球をひっかけずに逆方向へのミートを心がけているとはっきりわかるバッティングが随所に見られた。

 なんとかくいさがりたい 花咲徳栄 、6回表1死後佐藤君が3塁打を放ち2番大塚君が犠牲フライを打ち上げ1点を返し5-2。取られたら取り返す 花咲徳栄 の攻撃、中盤から終盤にかけての追い上げが期待された。

 しかしその直後の6回裏東海大相模の攻撃、一二三君が相手のエラーで出塁すると続く大城建君がバントでランナーを2塁に送る。その後東海大相模の9番打者、変則的な動きを打席内でする牧嶋君に対しストライクが入らず連続四球を与えたところで 花咲徳栄 は投手交代、背番号10の左腕山口君がマウンドにあがった。山口君もスリークォ-タ-から投げ込むが五明君より下目、左打者からはかなり球の出所・球筋などが見えづらい投手。このピンチを山口君は見事に切りぬけ試合終盤の逆転劇に望みをつないだ。

 するとその山口君の好投に応えるかのように、7回表 花咲徳栄 の攻撃2死から四球で出したランナーを7番木村君がタイムリーで返し5-3、再び点差を2点にする粘りを見せた。しかし7回裏東海大相模の攻撃、3番菅谷君に2塁打を打たれた後、犠打で1死3塁とされ5番福山君にスクイズを決められ再び3点差の6-3。追ってくる 花咲徳栄 を再度突き放す東海大相模

 8回裏東海大相模の攻撃を山口君がよくおさえむかえた最終回9回表 花咲徳栄 の攻撃。この試合粘り強く東海大相模の背中を追ってきた 花咲徳栄 だったが、ここにきても東海大相模エース一二三君のストレートの威力は衰えずあと一歩のところで東海大相模に追いつくことはできなかった。

 決勝にふさわしい、取られたら取り返すという試合展開になった第62回秋季関東地区高校野球大会の決勝。一二三君の投打に渡る活躍などで東海大相模が5年ぶり5回目の秋季関東大会の栄冠を手にした。東海大相模は 14日から行われる第40回記念明治神宮野球大会に出場し今度は全国の各地区大会を勝ち上がってきた強豪と関東代表校として出場し戦うことになる。

 試合終了後各メディアからインタビューを受ける際も、毅然とし立派な態度で応えていた東海大相模一二三君。ピッチングや打撃だけではなく、人間的にもキャプテンとしてチームを牽引している背景がうかがえた。神宮大会は勿論のこと、来春の選抜大会さらには来夏の大会も東海大相模の戦いが非常にたのしみとなった決勝だった。

(文・撮影=国吉辰一



4試合を1人で投げきったエース・一二三慎太(2年)は、最後の打者を打ち取ると高々と両手を突き上げた。 初戦から「目標」と口にし続けてきた関東制覇を現実のものとし、喜びを爆発させた東海大相模のナイン。門馬敬治監督も「良い成果だったと思います」と優勝という結果に及第点を与えた。

主将としてチームを引っ張り続けた一二三は決勝も投打で牽引。2回にこの大会2本目となる2ランで先制すると、ピッチングの方も快速球にカーブ、スライダー、チェンジアップなど豊富な球種を武器に快調。3失点こそ喫したが、連打を許さず、与えた四球も1つだけ。バックを守る野手陣もこの大会無失策(一二三の失策は2)の堅い守りで盛り立てた。 「(1イニングを)最少失点に抑えられたのが大きい。みんなが守ってくれたおかげです」と話したエースで主将はチームメートに感謝した。

県大会3回戦で痛めた右人差し指のツメがまだ生え変わらない状態で関東大会に臨んだエース。「この状態でどこまで通用するか」と不安も感じていたが、終わってみれば4試合を投げ抜き、崩れることはなかった。「一二三は体力的にも精神的にも疲れていたと思うが、粘り強く投げてそれを乗り越えてくれた」と指揮官も成長を感じている。

一方でチームの課題も多く残った。一番は『一二三への依存』からの脱却。「この大会は一二三の存在が他の選手の力を引き出した。でもそれをひもとくと個そんなに力のあるチームではない。一二三のようにチームを支える存在が後2、3人は出てきてほしいですね」と話した門馬監督。

次の舞台は14日から始まる明治神宮大会。指揮官は「なかなか(勝つ)縁のない大会」と苦笑いしつつも、「私も含めてダメな自分たちを再確認してきます」と締めくくった。

(文=松倉雄太

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