2017年11月12日 明治神宮野球場

東洋大vs富士大

2017年 第48回明治神宮野球大会 大学の部 準々決勝
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小関順二が徹底分析 ストップウォッチレポート

戦国東都を制した東洋大が富士大を退け、準決勝進出!



得点を決めハイタッチをする東洋大

 優勝候補ナンバーワンの東洋大に対し、躍進著しい地方大学リーグの雄、富士大がどんな戦い方を挑むかに注目が集まった。富士大が優勝候補の伏兵に挙げられていたのは投手力に厚みがあったからだ。この日先発した左腕本格派の鈴木 翔天(3年)をはじめ、右腕の加藤 弦(4年)、左腕の佐々木 健(3年)、技巧派右腕の平野 裕也(4年)など持ち味の異なる投手を複数人備え、彼らをリードするキャッチャーの小林 遼(4年)は仙台育英時代からディフェンス型捕手として注目を集めてきた。さらに富士大は近年、多和田 真三郎(投手・西武)、小野 泰己(投手・阪神)、山川穂高(内野手・西武)、外崎修汰(内野手・西武)など好素材をプロに輩出している。そういう信頼感が大会前の下馬評を高める一因になったことは間違いない。しかし、東洋大攻撃陣は容赦なく前評判の高い富士大投手陣に襲いかかった。

 1回は〝振り逃げ″と死球からチャンスを作り5番原澤 健人(4年)がセンター前にタイムリーを放って先制。2回はセンター前ヒットで出塁した7番津田 翔希(2年)を2番竹原 祐太(3年)が内野安打で還し、3回はヒットと死球で出塁した2人を8番宝楽健吾(4年)が右中間を破る三塁で還し、序盤で早くも4対0と主導権を握る。

 この4点で東洋大の勝利を確信したのは先発した飯田 晴海(4年)の出来が素晴らしかったからだ。5回限りで降板するまで内外角に145キロ前後のストレートを緻密に配球、5つの三振のほとんどをストレートで取っている。おおよその見当で言わしてもらえばストレートの比率は6割くらいだっただろう(最速は147キロ)。4割の変化球が物足りなかったわけではない。スライダーを縦・斜め・横で使い分け、縦割れのカーブは切れ味鋭く打者の目を高低に激しく揺さぶった。

 今秋のリーグ戦では最高殊勲選手に選出されているが、3勝3敗、防御率3.05(6位)の成績でわかるように安定感はなかった。それが優勝を決定した11月4日の亜細亜大戦以降、腕の振りが強くなった。秋のリーグ戦を最初から現在のスタイルで投げていたら、ドラフト3位くらいで指名されたかもしれない。そう思うくらい私は飯田のピッチングに魅了されていた。

 しかし、1回からギアを全開して投げているのでスタミナは最後まで続かない。リーグ戦の優勝決定戦となった亜細亜大戦が5回途中、この富士大戦が5回限りでマウンドを降り、あとを3年の甲斐野 央(3年)に託している。甲斐野は飯田ほどコントロールが安定していないがストレートの最速はこの日が149キロ、優勝を決定した亜細亜大戦は152キロを計測しているように東都大学リーグを代表する本格派と言っていい。この2人による継投が東洋大の勝利の大きな要因と言っていい。

 打のヒーローもいる。先制打を放った原澤だ。5回には先頭打者としてレフトスタンドに5点目となるソロホームラン、6回には7対1の場面で勝利を決定する2ランホームランをやはりレフトスタンドに放っている。秋季リーグで13打数6安打2本塁打、打率.462と少しだけ目を引く成績を残しているが、4年春まで1部リーグで放ったヒットはたった2本だけでその時点での通算成績は打率.118という低さ。その原澤が2打数連続ホームランという大会タイ記録を刻み、次戦で新記録に挑もうというのだ。

 前橋工時代は強打が恐れられ、13年夏の群馬大会準々決勝、健大高崎戦では三塁手が外野守備に加わり、外野4人制というシフトを敷かれたこともある。もともと素質が群を抜いて高かったのである。優勝候補ナンバーワン東洋大に強力な新戦力が加わった。

(文=小関 順二

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