2017年09月10日 ポートアーサー球場(Port Arthur Stadium)

アメリカvs韓国

第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ 決勝戦
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スカウト部長・河嶋宗一の目が光る!全国逸材発掘レポート

アメリカが圧巻の4連覇!投打ともに隙なし!



世界一を決め、歓喜のアメリカナイン

 今年のU-18世代の頂点を目指す決勝戦が行われた。全勝のアメリカとアメリカによる1敗の韓国。

 韓国の先発は中継ぎで2試合登板のキム・ヨンジュンだ。キム・ヨンジュンは、右腕から常時140キロ前半のストレート、スライダーのコンビネーションで勝負する投手だ。アメリカの先発は左腕のLIBERATORE Matthew。オープニングラウンドのメキシコ戦で先発し、好投を見せている左腕だが、素晴らしい投手だった。大きなテークバックから常時145キロ前後・最速149キロを計測。ベース手元へしっかりと伸びるストレートは、実に素晴らしく、125キロ前後のスライダー、120キロ台のチェンジアップといずれも変化球の精度が高く、隙がない。本当にアメリカの投手陣は誰が出ても素晴らしい。まさに隙がない。

 2回まで0対0だったが、3回裏にアメリカがキム・ヨンジュンを捉える。一死一、三塁のチャンスを作り、3番ジャレッド・ケレニックの場面で、フルカウントから一塁走者がスタート。結果は三振となったが、捕手の送球が逸れる間に三塁走者が生還。アメリカが足で1点を先制する。この1点は韓国に大きなダメージを与えた。なおも二死二塁から4番カサスが変化球をうまく合わせて左中間へ二塁打。5番MC NAIR SEIGLERも変化球を左前適時打で3回裏に3点を先制した。

 さらに4回裏、一死満塁から併殺崩れと暴投の間に1点を追加すると、そして4番カサスが2番手・ソン・ジュノンから甘く入ったスライダーを捉えライトスタンドへ本塁打。7対0と大きくリードし、その後も1点を追加した。アメリカが打ち崩したソン・ジュノンは高校2年生ながら右サイドで常時145キロ前後の速球、切れの良いスライダーで勝負する投手だが、その投手相手にも粘って粘って、自分の狙い球を逃さないアメリカは恐ろしいチームだ。

 またアメリカは守備でも好プレー。特に素晴らしいのはショートのTURANG Brice Craig。4回表には、左打者が放った三遊間へのゴロを逆シングルで追いつき、そのまま体を反転したランニングスローで、一塁・カサスのファーストミットへダイレクトスロー。7回裏にも、三遊間への深いゴロを追いついて、踏ん張ってのダイレクトスローと、守備のレベルは、NPBのショートと比較しても、上手い部類に入るのではないだろうか。守備のリズムが実にいい選手だ。今大会は33打数12安打と当たりを見せており、将来はMLBでの活躍も期待できるショートとなるのではないだろうか。

 アメリカは7回表から150キロ右腕・ウィルコックスが登板。ウィルコックスはリリーフということもあって最初から全力投球。常時150キロ~153キロの速球、135キロ前後のスライダーのコンビネーションで、打者を翻弄。9回表には、クローザー・ジョン・ギンが登板。常時150キロ~153キロのストレートは揺れ動いており、144キロを計測したカットボールなど、1つ1つのボールの精度が高校生の枠を超えており、韓国は打ちようがなかった。最後は153キロのストレートで空振り三振に打ち取り、アメリカが優勝を決めた。

 投打ともに圧巻。アメリカは一発も打てるだけではなく、走れる選手も多い。そして投手も、150キロ越えが4人と世界一の投手陣で4大会連続の世界一を成し遂げた。韓国も強いチームだったが、アメリカのレベルが想像以上に進化を遂げている。アメリカは投手も野手も今回の選手が標準となると、他の国にとってかなり大きい壁となる。ぜひアメリカの選手たちはMLBを中心に次のステージで活躍を見せることを期待したい。

(文=河嶋 宗一

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