岡豊vs高知南
小技と守備を整えた岡豊、「公立タレント集団」高知南に完勝!
強打の高知南を4安打完封した岡豊・津野 凌河(3年)
岡豊の完勝だった。春の県大会準優勝、3番・中野 慎太郎(3年・左翼手・180センチ72キロ・右投右打・高知県立高知南中出身)をはじめ、今季県内公立校屈指のタレント集団である高知南に対峙しても彼らは決して臆することはなかった。
投の立役者は昨秋県大会でエースナンバーも春は「11」、さらに今大会は「19」まで背番号の数字が増えた津野 凌河(3年・162センチ67キロ・右投右打・須崎市立浦ノ内中出身)。高知南のスイング軌道を見計らい、丁寧にコースを突いて27アウト中16個をフライアウトで仕留め101球で4安打5奪三振完封。「本来エースと心中するのが自分の主義だが、今年はない」と山中 直人監督は津野への懐疑的姿勢を崩さないものの、この完封が最後の夏のエースナンバー奪回へ、大きな判断要素となったことは確かだろう。
攻撃・守備でもチーム内の徹底が光った。両校無得点で迎えた6回表には二死二・三塁から7番・西本 歩夢(2年・二塁手・167センチ60キロ・いの町立伊野中出身)が「しっかりヘッドを立ててスイングしろ」と指揮官から朝練習でアドバイスを受けたことを体現する三塁横を破る先制2点適時打。
さらに7回表には9番・梅林 俊介(2年・中堅手・左投左打・166センチ55キロ・須崎市立朝ヶ丘中出身)の二塁内野安打を契機に追加点。9回には1番・別府 秀悟(3年・右翼手・右投右打・180センチ70キロ・高知市立青柳中出身)の中前打で拡大した一死一・三塁から連続スクイズを成功。毎日の練習で重ねてきた小技と無失策の守備はまさにチームが志す「相手に嫌かられるチーム」の典型であった。
対する高知南は自慢の中軸が11打席無安打と機能せず、守備も6失策。1番・中越 優成(3年・遊撃手・右投左打・170センチ64キロ・高知市立横浜中出身)の負傷により急遽遊撃手に入るも、併殺プレー含む遊ゴロ3個を確実に処理。「3年生でも控え選手がいる中『いつでも試合に入れる準備をしてくれ』と常に話をしてくれたことをよくしてくれた」と指揮官も褒め称えた渡邉 大起(3年・163センチ47キロ・右投右打・高知市立潮江中出身)のような収穫もあったが、「チームとして岡豊が強かった」と発した井上 大地監督のコメントがすべてを現している。
大会前にはシード獲得の可能性もあったが、この敗戦で夏の高知大会はノーシードからのスタートとなった高知南。彼らには残された時間を大切に使い、ぜひ自らの力を出し切るチーム・個人の「心・技・体」を鍛えてほしい。
(文=寺下 友徳)
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