谷脇 亮介選手 (常葉橘)

寸評

　旧チームからエースナンバーを背負い、静岡で注目されている一人。秋の御殿場西戦では、延長13回を投げて22奪三振を奪うなど力の片鱗を魅せました。 （第一印象） 　驚くような球威・球速はまだありませんが、非常に筋が良いというか、センスの良さを感じます。 （投球内容） 　球速は、常時130キロ前後～中盤ぐらいでしょうか。しかし球速以上にボールに伸びが感じられ、空振りを誘える球質。変化球は、カーブ・スライダー・それにチェンジアップだかの沈む球があります。この球が、結構相手のタイミングを崩し、武器になっています。 　クィックは、1.15秒前後と基準レベル・牽制もまずまず鋭く、野球センスの高さが感じられます。 ＜長所＞ 　グラブを最後まで内に抱えられており、両サイドの投げ分けは安定。足の甲でも地面を捉えており、ボールもそれほど上吊りません。まだ時々球筋が乱れることはありますが、四死球でそれほど自滅するタイプではなさそう。 　振り下ろした腕は、しっかり強く身体に絡んできます。そのため速球と変化球の見極めはつきにくい。それゆえ、打者の空振りも誘いやすいことになります。 ＜課題＞ 　着地までの粘りがなく、すぐに地面を捉えてしまうのは気になります。着地が早いと、身体を捻り出す充分な時間が確保できないので、体の何処かに無理がかかるって変化球を投げるか、曲がり幅やキレが中途半端になりがちです。 背中を後ろに傾け、腕を無理に真上から振り下ろしてきます。こうなると肩への負担も大きく、将来的に故障しないか心配です。日頃から体のケアには、充分注意してもらいたいものです。

将来に向けて

　まだ驚くようなボールは投げませんが、一冬越えて体がビシッとして来た時に、どんな球を投げ込むのか楽しみ。今の投球に、球威・球速が加わってくれば、ドラフト候補として注目されても不思議ではありません。 　2015年度の静岡を代表する投手として、今後の成長が非常に楽しみです。全国の舞台に、その素晴らしさを伝えて欲しい一人です。