長谷川 大将選手 (九州学院)
寸評
九州学院の核弾頭として、秋の九州大会優勝に貢献。特に広い守備範囲を誇り、球際に強い守備に定評がある。しかし選抜の八戸学院光星戦(2015/03/21)では、ことごとくチェンジアップを引っ掛けてしまい結果を残すことなく[stadium]甲子園[/stadium]を去った。 (第一印象) グリップが奥に入り込んで、インステップして踏み込んでくる癖のあるスタイル。身体が三遊間方向に向いてスイングしているので、けして引っ張りにかかってはいけないスタイルだということを、私自身改めて強く実感させられました。 (守備・走塁面) 中堅守備には、かなりの自信があるのでしょう。守備位置も前の方に守っていますが、更にその上を光星戦では抜かれてしまいました。地肩はまずまず強く、中継の野手に返す強い返球が光ります。この選手の売りは、やはり守備なのだと思います。 一塁までの塁間は、4.15秒前後と平均的。1番打者ですが、新チーム結成以来の36試合で2盗塁ですから、足でガンガンアピールするタイプではありません。 (打撃内容) 上記でも述べたように、かなり独特のバッティングをする選手です。そのメリット・デメリットを理解してやっているのであれば良いのですが、そこを理解せずにやっていると今後壁にぶち当たることになるでしょう。 <構え> ☆☆ 前の足を軽く引いて、グリップは平均的な位置へ。しかしバットを捕手方向に捻りながら引いており、センターカメラからもしっかり背番号が読み取れます。腰の据わりは浅く、全体のバランス・両目で前を見据える姿勢としてもどうでしょうか? <始動> 平均的 投手の重心が沈みきったあたりで動き出す、平均的な始動。これは、ある程度の長打力と対応力をバランスよく兼ね備えた中距離打者・ポイントゲッターが採用する打ち方。 <下半身> ☆☆☆ 始動~着地までの「間」はそこそこあり、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。ベース側にインステップして踏み込んで来るので、外角を強く意識しているのがわかります。構えた時からクロスの形になっており、クローズスタンスを取っているのと同じになります。クロスに構える選手は、センターからレフト方向(左打者の場合)に打ち返そうとしないと意味がありません。それを無理に引っ張ろうとすると、空振りをするかゴロで引っ掛けることになるわけです。まさに光星戦の彼は、チェンジアップを無理に引っ張って引っ掛けていました。踏み込んだ足元は最後までブレないで壁を作れているわけですから、センターからレフト方向へ追っつける技術を追求すべきです。引っ張って良いのは、高めの緩い球だけです。 <上半身> ☆☆ 早めに打撃の準備である「トップ」の形を作れていますが、グリップが完全に奥に入り込んでしまい、なかなかバットが出てきません。スイング自体も外の球を打つことに特化したスイングであり、内角の捌きはどうなのでしょうか? それほどバットの先端であるヘッドが下がらないので、ドアスイングにはなっていませんが。 <軸> ☆☆☆☆ 足の上げ下げは静かなので、目線はそれほど上下動しません。足元がブレず体の開きも我慢できていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定。空振りをしても、バランスを崩しません。
更新日時:2015.04.14
将来の可能性
癖のあるバッティングスタイルというのは、それだけ何かに特化している可能性があるわけです。その長所と短所を理解しながら、付き合ってゆくことが大切。それが嫌ならば、オーソドックスな形に変えてゆくしかありません。守備という武器もあるので、そこを全面に押し出して存在を示して欲しいと思います。
更新日時:2015.04.14
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