山本 皓大選手 (敦賀気比)

寸評

　2年夏では、8番として出場をしていたが、高い打撃センスを発揮していた選手。秋では5番センターとして出場。打撃力だけではなく、脚力も高く、身体能力が高い選手。夏に活躍した選手は、冬にかけて急激に伸びたように、山本は攻守のスキルが高い選手なだけに一冬超えて、どれだけのレベルに達するか楽しみなプレーヤーだ。 （打撃） 　下位に座っていたが、潜在能力は高く、ミート力も上位打線に負けないものがあった選手。 　スタンスはスクエアスタンス。グリップを肩の位置に置いて背筋を伸ばして構えている。投手が足を下ろしたところから始動を仕掛けるスタイルで、やや始動の仕掛けはやや早い。以前に比べアベレージヒッターの路線に走ったように感じられる。 　ステップは夏ではノーステップ気味だったが、神宮大会の時は右足を高く曲げて間合いを測ることができている。それにより、今までよりタイミングの取り方に余裕が持てるようになっている。 　トップの動きを見ていくと、捕手側方向に引いていき、トップはグリップが入りすぎることなく、インパクトまで無駄なくスイングすることができている。また縦のスイング軌道でボールを捉えることができているため、角度が付いた打球を打つことができている。 　踏み込んだ右足はしっかりと踏ん張り、軸も綺麗に回転をして振り抜くことができている。上体が高く、膝の割れがない状態なので、低めの変化球を打てないように思えるが、重心が残って、我慢しながらボールを待つことが出来ている。ストレートは引っ張り、変化球は上手く流すことができている。 （守備・走塁） 　塁間タイムを4.00秒前後。セーフティバントでも3.75秒と非常に速いタイムを計測している。かなりの脚力がある選手であることに驚かされた。 　打球に対する反応は良く、落下地点に対し、素早く入ることが出来ている。もともと投手ということもあって、地肩自体は強く、鋭い返球を投げることが出来ている。だがやや返球が高いので、もう少し低く鋭い返球が出来てほしい。

将来の可能性

　思いのほか、打撃技術、身体能力も高く、3年生に負けない魅力を持った選手だった。敦賀気比は冬場で徹底的に追い込むと聞くので、一冬超えて大きく伸びた3年生のように彼も一変した姿を見せて、大きく存在感を示せる活躍を見せてほしい。