成田 雄樹選手 (飛龍)

寸評

　2014年夏の静岡大会開幕戦・御殿場西戦に先発。強豪校同士の注目カードとなった試合で、好投手ぶりが光っていた。中学時代は横浜市内の中学出身で、静岡の高校に進学した経歴の持ち主。 　 　（第一印象） 　 　　事前に名前を知らない選手でしたが、総合力に優れた好投手でした。とくにピンチでも、パッとマウンドを外すような間の取り方がうまく、野球センスの高さを感じます。 　 （投球内容） 　 　オーソドックスなフォームから常時130～130キロ台後半を記録。驚くような球威・球速はありませんでしたが、外角の微妙なところで出し入れしたりと、コントロール・投球術の上手さも光ります。変化球は、カーブ・スライダー・高速で沈む独特の縦の変化球もあり。フィールディング・牽制などもまずまずで、クィックも1.1秒弱と素早く投げ込みます。ポテンシャルに秀でた選手というよりは、野球センスに優れたタイプの好選手だと言えます。 　 　＜長所＞ 　 　最後までグラブは体の近くにあり、両サイドの投げ分けも安定。足の甲でも地面を押し付けることができ、ボールも上吊りません。「球持ち」も悪くなく、高校生としては安定したコントロールの持ち主だと言えるでしょう。 　 　腕が身体に絡んでくるように、速球と変化球の見極めは困難。ボールにも適度に体重が乗せられ、地面の蹴り上げも悪くありません。下半身を活かして、上手くフォームをリード出来ています。 　 　＜課題＞ 　 　技術的に何が悪いということはあまりないのですが、まだまだ筋力が弱く、身体を鍛える必要性を感じます。

将来の可能性

　野球センス・技術に優れて、これに筋力や体重などが増して力感が出てくると将来楽しみ。中央の大学に進むというよりも、地方の有力大学に進み、じっくりその才能が開花するのを待つタイプではないのでしょうか。最後の夏まで全く彼の名前が浮上して来なかったことに、今年の静岡の層の厚さを感じます。静岡大会の上位進出も期待できる選手だけに、今後の活躍も期待せずにはいられません。