沼田 洸太郎選手 (浦和学院)

沼田 洸太郎

球歴:浦和学院

都道府県:埼玉

ポジション:三塁手

投打:右 / 右

身長:180.0 cm

体重:84.0 kg

学年:卒業

寸評

 秋から、名門・浦和学院の4番に座り続けている男です。少々荒削りですが、思っきりの好いスイングは見ていて気持ちがいいものがあります。ツボにハマればスタンドインの魅力がある選手で、その長打力はチームNO.1のスラッガーです。 (守備・走塁面)  一塁までの塁間を4.4秒強(左打者換算で4.1秒強)ぐらいで走り抜けられるなど、プロの基準である4.2秒を上回る脚力の持ち主です。ただ試合では、盗塁を試みることは稀で、足を売りにするプレースタイルではありません。  課題だった三塁守備ですが、だいぶ安定感が出てきました。テイクバックが小さめなスローイングが、長い距離を投げるときはどうか?という不安はあります。しかし地肩も強いですし、この夏の埼玉大会では大きなミスはしていなかったように思えます。秋からの一番の成長は、守備の安定感を増したことではないのでしょうか。 (打撃内容)  どうも打球の方向を見ると、圧倒的引っ張りの打球が多いように思えます。最後まで、右方向への意識は持てなかったようです。そのため外の球を引っ掛けたり、空振りをするケースが目立ちました。春は意外なミートセンスを褒めましたが、夏はそういった傾向も薄らいでしまったようです。 <構え>  前足を引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり・全体のバランス・両目で前を見据える姿勢なども良く、理にかなった構えができていると評価します。 <始動>  早めに動き出す選手で、始動だけ見ているとアベレージヒッターが多く採用するタイミングで始動します。欠点である対応力を求めがあまりに、早く始動することで、いろいろな球に対応しようとする傾向が見られます。これが、彼のような強打者に合っているのかは疑問が残ります。 <下半身>  早めに足を引き上げて、まわし込んで踏み込みます。そのため「間」を作り出すことはできているので、いろいろな変化には対応できるはずです。真っ直ぐ踏み出していることからも、内角の球にも外角の球にも対応したいという意識が見られます。踏み込んだ足もブレないでスイングはできているのですが、本人の意識が引っ張りかかっているために、打てる球が限られているのが惜しいです。踏み込んだ爪先が開いていることからも、早めに開いて引っ張りたいという感じが見え見えですが、せっかく足元も我慢できているのですから、右方向への意識も持てれば打てないスイングではありません。対応力を上げたければ、右方向への意識を持つことです。 <上半身>  浦和学院の選手全体に言えるのですが、打撃の準備段階である「トップ」を作るのは遅くはありません。しかしトップ自体が浅いので、どうしても打球に勢いがつきにくいわけです。トップを深く取るというのは、弓矢の弓を強く引く意味合いがあり、それがしっかりできていないということは、ボールの反発力が弱いことを意味します。ただバットの振り出しは悪くないので、ボールを捉えるまでのロスは感じられません。ただボールを捉える時に、バットの先端が下がってスイングが波打ってしまい、フェアゾーンにボールを落とせる可能性は減ることになります。 <軸>  フォームの入りが静かなので、頭の動きは小さく目線は安定。体の開きは我慢できておりますし、軸足にも大きな崩れは感じられません。当たった時の打足の速さは感じられますが、やはり無理な引っ張りに問題があるように感じます。この意識の切り替えができれば、打撃の幅は大いに広がりそうです。ただトップを作るのが遅れがちだったのや、体から遠回りにまわるスイング軌道は修正されるなど、悪い部分は随分と改善のあとがみられました。
更新日時:2011.08.30

将来の可能性

 守備の安定感が増したことと、スイングの修正は、かなりなされました。しかしそれでも、まだまだすべてにおいて粗さが残します。高校の間だけでは、その改善が充分できたとは言えません。  あとは、やはり引っ張りだけの意識を捨てることだと思います。技術的には、だいぶしっかりしてきただけに、右方向への意識も持てれば、それなりに結果は出るはずです。貴重な右の強打者タイプだけに、これからも期待がされることでしょう。その期待に応えられるような活躍を見せれば、4年後はドラフト候補として注目されるのではないのでしょうか。そんな日が来るのが、今から楽しみです。
更新日時:2011.08.30

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