田頭 寛至選手 (今治西)

寸評

　チームの一番・遊撃手を担い、まさに切り込み隊長といった感じの選手です。選抜の桐生第一戦（2014年03月21日）では、3打数0安打に終わり、悔しい思いをしました。 　 （第一印象）　 　 　一つ一つの動作がキビキビしていて、切り返しの鋭いのが印象的に。指先まで神経の通ったプレーが、何より魅力です。 　 （守備・走塁面） 　 　一塁までの塁間は4.3秒ぐらいでしたが、これは内野ゴロで多少勢いを緩めたので、実際はもう少し早いように思います。特に相手の隙を突いて、三盗を決めた大胆な走塁が光りました。新チーム結成以来の33試合で8盗塁と圧倒的な脚力はないようですが、動ける身体能力はありそう。 　　 　遊撃手としては、動作の切り返しの速さ・とっさの判断力の良さには目を惹きます。小柄ですが地肩も強く、スピード感のあるプレーが自慢。走守共に、上のレベルでの活躍が期待できます。 　 （打撃内容） 　体は小さいのですが、スイングは結構大きなスイングをしてきます。巧打者なのではなく、強打者タイプの打者ではないのでしょうか。 　　 ＜構え＞　☆☆☆☆ 　 　スクエアスタンスで両足を揃え、グリップは高めに添えます。腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢・全体のバランスもまずまずで、特に打席での高い集中力を感じます。 　 ＜始動＞　遅すぎる 　　 　投手がリリースを迎えるあたりで動き出すので、一定レベル以上の球速・キレのある投手の球に立ち遅れる危険性を感じます。 　 ＜下半身＞　☆☆☆　 　 　始動～着地までの「間」がないので、ボールを点で捉えるタイプ。あらかじめ狙い球を絞って、その球を逃さない打撃が求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたいタイプ。踏み込んだ足元はブレないので、外角や低めの球にも喰らいつくことができます。 　　 ＜上半身＞　☆☆☆ 　 　始動が遅い分、早めにトップの位置にグリップを引いて、そこから振り出し始動の遅さを補います。振り出しはインサイド・アウトではありませんが、大きな孤を描き、バットの先端であるヘッドも下がらず大きなロスは感じません。 　 ＜軸＞　☆☆☆☆ 　　 　足の上げ下げが小さいので、目線は上下に動きません。体の開きも我慢でき、軸足にも粘りを感じます。軸を起点に、綺麗に回転できていると言えます。

将来の可能性

　守備・走力・打力も一定レベルの水準にありますが、これから大学など上のレベルの野球で活躍するためには、その精度を更に高めなければいけません。野球に対する姿勢は素晴らしく、体の小ささを感じさせないナイスガイ。こういった選手が、グランドを所狭しと走り回る姿を、大学などでも見てみたいものです。今後も、期待して見守って行きたい一人でした。