坪井 将希選手 (明大中野八王子)
短評
観戦レポートから抜粋(2014年3月16日) まだ名は上がっていないが、今後、東京都で話題になる投手がいる。 その名は明大中野八王子の坪井 将希である。 坪井は昨年、背番号7でプレー。都立日野戦ではリリーフとして最速143キロを計測した速球派右腕だ。当時は野手を兼ねながらの出場だったので、技術的にも荒削りだったが、一冬超えて大分投手らしくなった。 まず投球フォームである。昨夏は踏み出す左ひざが開いて、それによって左肩の開きも早いフォームだった。投球はストレートが中心で、変化球はあまり使わない投球。『投手』へ成長するには長い期間を置く必要があった。坪井自身、投手らしさがなかったことを自覚をしていた。 「昨夏、自分は神宮で投げたんですけど、速球だけで、変化球を満足に投げることが出来なかった。秋負けて、緩急が必要なんだと思って冬の練習に取り組んできました」 左肩の開きが押さえられ、お尻から先行する体重移動ができており、内回りの旋回をしていきながらトップを作り、打者寄りのリリースで指先に力が伝わったストレートを投げ込む。速球の勢いはこの日同じ球場で投げていた鈴木 優(都立雪谷)と比べても遜色がない。むしろ今日に限っては坪井の方が良かった。 5回を投げて、被安打2奪三振6の完封だ。相手の力もあるとはいえ、昨夏からの成長を感じられる投球だった。 冬の間は、投球の幅、制球力、投球フォームの改善に努め、140キロ台の速球をより速くするために、短距離のダッシュ、股関節周りのトレーニングなどを中心に取り組んできたという。 本人も「2月から3月まで雪、試験、修学旅行で、殆ど投球出来ていない中でも、自分が目指す投球はできていた」と語った。 特に縦に落ちるカーブの切れは絶品で、攻玉社の打線は全くタイミングが取ることができていなかった。 このカーブを磨いたことで、投球に緩急が生まれた。またそういう投球をしないと、打力が高いチームを抑えることができないと身をもって実感しているからだろう。 非常にバランスが良く、まとまった投球であった。 (補足) 内容は抜群でしたね。明大中野八王子はあの大雪で、なかなか雪が解けず、2月は雪かきで、3月は試験、修学旅行もあり、部員全員が集まって練習ができたのは3月14日だったようです。まだ秋川には雪が残っていました。そんな中、彼の投球からは成長の跡が見えました。体は小さいですが、いずれは武田久、美馬学のような小柄でも、制球力、変化球の切れが優れた実戦派右腕へ育っていくのかなと思いました。性格的にも物静かに見えても、なかなか芯が強そうな子に見えたので、上の世界でも活躍出来る投手だと思います。
更新日時:2014.03.19
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