川本 拓歩選手 (岩国)
寸評
中学時代には、すでに100メートル・11秒6 で走り抜けていたなど、高い身体能力が売りの核弾頭。まだまだ新2年生だけに、これからの成長を期待したい楽しみな選手。 (第一印象) 足の速さだけでなく、高々と打ち上げた打球がなかなか落ちて来ないなど、持っているポテンシャルは高いなぁと実感させられます。それを、今後上手く活かすことができるのかが最大の課題です。 (守備・走塁面) 100メートル・11秒6と非凡な脚力の持ち主ではありますが、一塁までの塁間は、4.1秒前後とそれほど際立つものはありません。それほど盗塁数も際立つものはなく、野球で活かせる脚力を磨く必要があるでしょう。 二塁手としても、可も不可もなしといった感じで、新チーム結成以来の41試合で16失策と安定感に欠けるところがあるようです。選抜でのプレーを見る限りでも、少しこわごわプレーしている感じがしました。まだまだ本当の意味で、その高い身体能力を活かせていないのではないのでしょうか。 (打撃内容) 現状持っている資質には面白いものがありますが、技術的、感覚的にはそれほど図抜けたものはありません。 <構え> ☆☆☆ 前足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。後ろ足に体重をかけつつ、腰の据わり・両目で前を見据える姿勢は悪くありませんが、全体のバランスとしてはどうでしょうか? <始動> 遅すぎ 投手の重心が下るときに、ベース側につま先立ちします。しかし本格的に動き出すのは、リリースを迎えるあたり。ここまで遅いと、一定レベル以上の球速・キレのある投手には立ち遅れてしまいます。 <下半身> ☆☆☆ 始動~着地までの「間」がないので、あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」が求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角の球でも幅広く対応したいタイプ。踏み込んだ足元はブレないので、外角や低めの球にもついてゆくことはできます。 <上半身> ☆☆☆ 早めに打撃の準備である「トップ」の形は作ることで、始動の遅さを補います。バットの振り出しが遠回りで、内からバットが出てこないのが気になります。それでもバットのヘッドが下がらないようにしつつ、大きな弧を描いて振りぬきます。現状は、コンパクトヒッターというよりも強打者タイプのスイングをしています。 <軸> ☆☆☆☆ 足の上げ下げが小さいので、目線は上下にブレません。体の開きも我慢出来ていますし、軸足にも粘りは感じられます。
更新日時:2014.03.23
将来の可能性
始動が遅すぎることと、内からバットが出てこないスイングが気になります。また高い身体能力を、まだまだ活かせていないのも残念です。持っているものは面白いので、これからの意識・努力次第では面白い選手だと思います。その才能が開花するのを、密かに待ちたい選手でした。
更新日時:2014.03.23