星 慧選手 (玉野光南)

寸評

　スリークオーターから、キレの好い球を投げ込む好投手。甲子園では、6回を6安打4失点と打ち込まれたものの、今後の可能性を感じさせてくれる投球でした。 （第一印象） 　ボールそのものは好いのですが、合わせやすいフォームなのか？　コースを突いたような球でも打たれてしまう傾向にあるようです。これをいかに改善して行けるのかが、今後の課題ではないのでしょうか。 （投球内容） 　球速はすでに135～140キロぐらい出ており、空振りを誘える球質をしています。ただボールがシュート回転したり球威はないので、合わせられると長打を喰らいやすい傾向にあります。変化球は、カーブ・スライダー・チェンジアップとありますが、相手を仕留めきれるほどの変化球はありません。マウンド捌きは洗練され牽制もまずまずで、クィックも1.15秒前後と基準以内。肉体のポテンシャルに優れているというよりは、野球センスに優れたタイプではないかと思います。 ＜長所＞ 　グラブは最後まで体の近くにあり、両サイドの投げ分けは安定。足の甲でも深くを地面を捉えており、ボールもそれほど上吊りません。ただまだ「球持ち」が浅く、ボール押し込めないので、この辺が改善されると更にコントロールの精度が上がるのではないのでしょうか。 　引き上げた足を高い位置で伸ばせており、お尻は一塁側に落とせます。そのためカーブで緩急をつけたりしても、肘への負担は少ないはず。腕の角度にも無理がないので、肩にも負担は少ないはず。そういった意味では、故障の可能性が低いフォームだと言えるでしょう。 ＜課題＞ 　けして「着地」までの粘りが悪いとは思いませんが、体の「開き」が早く、球筋がいち早く読まれてしまうのが気になります。またボールへの体重乗せも不十分で、少し上体が流れてロスしてしまっていいます。そのため打者の手元まで、球威のあるボールが投げられません。

将来の可能性

　筋は好い投手なので、上手く課題を克服しつつパワーアップを図れれば、今後の活躍も充分期待できます。コンスタントにキレのある140キロ台の投球も期待できるだけに、本人の志しと環境次第ではプロをも視野に入れられるでしょう。今後も期待して、その成長を見守って行きたいと思います。