今野 龍太選手 (岩出山)
プロ入り後の今野投手
最速146キロを誇る速球派右腕として、部員11人のチームを引っ張り、ノーヒットノーランを達成し、夏3回戦まで導いた。 その今野を東北楽天9位指名。2013年の最下位指名選手となった。1年目はじっくり身体作りを行い、2年目、3年目がデビューと考えていたが、予想以上に速いスピードで成長。高校時代には取り組まなかったウエイトトレーニングに取り組むなどをして、最速151キロを計測するまでになった。そして一軍昇格。5試合に登板し、防御率8.44と数字は悪いが、部員11人の小所帯、ドラフト最下位の投手が高卒1年目で一軍デビューし、その名に刻んだことを考えると、一つの物語が出来る。宮城のファンもそう感じていたようで、本拠地の初登板となった8月26日の埼玉西武戦。本塁打王の中村剛也に対し、初球の147キロのストレートで空振りを奪った後、大歓声が送られた。 今野にとっては大きな励みになる瞬間だったのではないだろうか。 今野はどんな投手かというと、三嶋 一輝、浅尾拓也などバネが強く、テークバックが小さいフォームから140キロ台後半の速球を叩き出す投手だ。 コンスタントに常時140キロ~150キロを計時しており、非常に伸びのあるストレートを投げている。変化球は130キロ前後のスライダーを投げているが、基本的に力で押す投球が目立つ。強打者相手にも動じずに投げ込むことが出来ている。 (投球フォーム) ノーワインドアップから始動し、左足を高く上げて、右足の膝を適度に曲げてバランス良く立つ。左足をショート方向へ伸ばしていきながら、 重心を少しずつ下げていく。左足を伸ばしながら、真っ直ぐ踏み出すことが出来ている。股関節を曲げて、スムーズに体重移動する準備が出来ている。 左腕を下げた状態で伸ばして、テークバックは内回りの旋回をしていきながら、しっかりとトップを作る。肘がしっかりと上がっており、肩甲骨が しっかりと使えて、胸もしっかりと張れているので、故障へのリスクも小さい。そして素晴らしいのはリリースポイント。腕の振りは内旋で、 打者寄りでリリースすることが出来ており、球持ちは非常に良い。これが高スピンのストレートを投げる秘訣といえるだろう。最後のフィニッシュでも 膝が突っ張ることなく、軸足もしっかりと蹴り上げることができており、体重移動も良い。基礎がしっかりしたフォームといえるだろう。
更新日時:2014.11.30
今後へ向けて
これほどの成長を見せたのは、基礎がしっかりしていて、強い腕の振りが出来るフォームなので、トレーニングでしっかりと肉付けが出来れば、 ストレートは、スピードアップしやすい投手だったといえる。 二軍では、15試合に登板し、3勝0敗で、29イニングを投げて、自責点7.防御率2.17と好成績を残したが、被安打が32とイニング以上に安打を打たれやすい投手だった。 投球を見るとストレート中心のストライク先行なので、四球から乱れることはないのだが、武器になる変化球がない。 一軍では防御率8.44だったのは、ストライク先行で、ストレート中心の投手なので、狙い球を絞りやすい投手という認識だったのかもしれない。 まだ投球の引き出しを増やしていけなければならないだろう。来年は二軍で、1年間投げ抜き、イースタンでも上位の成績を残し、一軍からお呼びが かかれば、そこで結果を残し、3年目以降の飛躍を期待したい投手ではないだろうか。ここまでの具体的な課題を提示できる投手まで成長できたこと を考えると収穫ある1年だった。ぜひ地元ファンの期待に応える活躍をこれからも見せてほしい。
更新日時:2014.11.30
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