伊勢 隼人選手 (鳴門)

寸評

　小兵揃いの鳴門においてポイントゲッターとして期待される伊勢 隼人。練習試合・公式戦を通じてトップの9本塁打。127打数で9本塁打なのだから、このペースで446打席立てば、31本塁打を放つ計算だ。豪快に振り切る打撃スタイルは相手チームにとっては警戒しなければならない存在だろう。 　（打撃） 　四国大会の打席などを振り返ると長距離砲としてよりも対応力が広い打者という印象を受けた。四死球も多く、かなり警戒されているのが分かる。選球眼もそれほど悪くない選手で、実に粘っこい。 　スタンスはオープンスタンス。グリップを肩の位置に置いて背中を丸めて構えている。投手の足が降りたところから始動を仕掛けていきながら、小さく足を上げて真っ直ぐ踏み込んでいく。トップの動きを見ていくとグリップが体の近くに入り、また腕が長く、遠回りしたスイングになるので、インコースの裁きが難しい。スイングは豪快で、捉えた打球速度はなかなかのものである。 　高めの対応には分からなかったが、この選手、速球の対応力と低めの球の粘っこさがあり、安樂智大の高めに抜けた速球をしっかりと引っ張ることができていて、縦のスライダーも踏み込んだ膝が我慢して捉えることができており、中前安打を放っていた。 （守備・走塁） 　守備のサンプルが少なく、一塁の守備を測ることができなかった。選抜でも一塁になる見通しだが、選抜で一塁の守備力を測っていきたい。走力についても詳しい走力まで把握することはできなかった。走塁もそれほど売りにする選手ではないだろう。

将来の可能性

　長距離打者というよりも様々なコースに対応する中距離打者という印象を受けた。プロ云々のタイプではないが、いずれにしろ四国地区を代表するスラッガーとして注目を集める存在。鳴門においては頼りになるポイントゲッターで、選抜では勝負強い打撃と長打を披露することを期待したい。