
水本 弦 (大阪桐蔭)
- 寸評
- 大阪桐蔭では、3番・右翼手として出場し、大阪予選では打率.636厘と打ちまくり、甲子園でも打率.421厘と優勝に大きく貢献。更にU-18の世界選手権では、中堅手として守備で好守ぶりをアピール。基本的に、ボールを転がすタイプではありません。そのためヒットになろうとアウトになろうと、打球は上がります。ただ大阪予選では、チームダントツの11四死球を選ぶように、打率だけでなく出塁率の高さも自慢です。
(第一印象)
当初タレント揃いの大阪桐蔭では、それほど目立つ存在ではありませんでした。逆にチームメイトがマークされる中、相手が油断したところを逃さず結果を残しました。
(守備・走塁面)
中堅手としては、かなり広い守備範囲を誇り、球際にも強く上手い部類の選手だと言えるでしょう。地肩も基準レベルはありますし、守備に関しては上のレベルでも充分通用すると思います。
私が計測した時は、一塁までの塁間を4.35秒前後と左打者として速くはありません。ただ実際には、もう少し速く走れるのではないかと試合を見ていて感じます。大阪予選の8試合では、盗塁は3個。絶対的な走力は感じませんが、動ける選手ではあるようです。
(打撃内容)
前足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。特別構えに、特筆すべき点はありません。始動も遅く、どちらかというと狙い球を絞って手元まで引きつけて叩く、長距離打者や生粋の二番打者が採用するタイミングで始動します。もっとアベレージ色の強いスイングをしてくるのかと思っていましたが、完全な強打者スタイルです。
<長所>
最大の特徴は、目線が上下に動かず非常に安定していること。身体の開きも我慢出来ていますし、軸足も大きく崩れません。大阪桐蔭の打者に多く見られる、軸のブレないスイングができています。
興味深いのは、上からミートポイントまでロスなく振りぬいてきます。そしてボールを捉えたあとは、大きなフォロースルーでボールを遠くに運びます。
<課題>
始動~着地までの「間」は取れていないので、速球や変化球など、いろいろ球には瞬時に対応できません。実際見ていると、ストレートを振って来ることが多いのですが、U-18の世界選手権では充分にスピードボールに対応できませんでした。 - 将来の可能性
- 守備という武器にできるものがありますし、打撃でも走力でも一定のレベルに達しております。そのためレベルの高い環境で野球を続けても、早くから順応し活躍できるのではないかと思います。中央の大学などレベルの高いところに身を置き、高い志しを持って精進して欲しいですね。卒業する頃には、ドラフト候補としてマークされるような存在に成長して欲しいと期待します。
- 情報提供・文:2012.10.01 蔵建て男
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