松田 進吾選手 (札幌日大)

寸評

　高校通算25本塁打を放つ、道内屈指の強打者。このたびプロ志望届けを提出し、にわかに注目を浴びている一人です。 　 （第一印象） 　 　スラッガーというよりは、広角に打ち返す中距離ヒッター。特に膝の送りが柔らかいのが、この選手の持ち味。 　 （守備・走塁面） 　　 　南北海道大会・東海大四高戦を見たのですが、試合途中でコールド負けしまい、守備・走塁共によくわかりませんでした。打球もま飛ばず、走塁タイムを計測する機会もありません。あまり肩に関する情報はないのですが、脚力は50メートル5秒８と俊足であるとのこと。 （打撃内容）　　 　僅かこの試合では、２打席まわっただけで試合が終わってしまいました。それもセンターフライと、見逃しの三振のみ。低めの球でも食らいつける、柔らかさが印象に残っています。 ＜構え＞　☆☆☆　 　スクエアスタンスで両足を揃え、グリップの高さは平均的。腰の据わり、全体のバランス・両目で前を見据える姿勢なども並でしょうか。スラッとした体型で、腕が長く遠くの球にもバットが届く特徴があります。 ＜始動＞　早め　 　投手の重心が下る時に動き出す、早めの始動。典型的なアベレージヒッターのタイミングであり、パンチ力はあっても本質的には対応力重視の打者であることがわかります。 ＜下半身＞　☆☆☆ 　大きく足を引き上げるように、始動から着地までの「間」はあるものの、強く踏み込むことを重視しているのがわかります。そのためスピードへの対応は、始動が早い割にはそれほどでも。軽くインステップするように、外の球を意識。踏み込んだ足元はブレないので、外角の厳しい球や低めの球にも喰らいつくことができます。 ＜上半身＞　☆☆☆　 　早めに打撃の準備である「トップ」の形を作ることで、速い球に立ち遅れません。バットの振り出しは少し体から離れて踏み出されるのが気になりますが、バットの先端であるヘッドを立てることで、体勢を崩してもボールをフェアゾーンに落とします。 ＜軸＞　☆☆☆　 　足を大きく引き上げるので、目線の上下動はそれなり。体の開きは我慢でき、軸足には粘りを感じます。 　

将来の可能性

　この試合を見る限り、力強さよりも柔らかさやシブとさを強く実感致しました。それに加え、ツボにハマればスタンドインのパンチ力を秘めているというのは興味深いところ。実際のところわからないところが多すぎて、正確な能力は判断できません。いずれにしても今後どういった進路を辿ることになるかはわかりませんが、興味深い選手であったのは間違いありません。