漆原 広樹選手 (天理)
寸評
控え投手だが、実に恵まれた体格から投げ込む右腕。この恵まれた体格を活かす技術が身に付けば、剛球右腕へ変貌する可能性を秘めている。 右オーバーから投じる速球は常時135キロ前後を計測。これほど恵まれた体格ならば140キロ台を叩きだしてもおかしくないが、体全体のパワーを伝えてきれていないのは勿体無い。変化球は100キロ前後のカーブ、110キロ前後のスライダーを投げる。主に縦に割れるカーブを武器とし、緩急を付けた投球を得意とする。 クイックは1.20秒前後で標準のクイックができている。フィールディング、牽制の技術については分からなかった。 (投球フォーム) セットポジションから足を上げるまでの姿は山本 竜也とそっくりだが、足を降ろしてからの粘りがなく、上半身の回旋の軌道がぎくしゃくしていて、勿体無さを感じるフォーム。テークバックを上げる時に上体が浮いた状態になってしまい、体の近い軌道で腕を振ることが出来ず、適正なリリースポイントで放ることができない。特にストレートのコントロールが安定しない。 馬力という点では山本 竜也とさほど変わらないが、腕の回旋がスムーズで、強く腕が振れる山本と違って、まだ彼はぎくしゃくしている。もう少し下半身の柔軟性を高め、そこから上半身と下半身が連動していくとストレートのスピードも変わっていくのではないだろうか。
更新日時:2012.08.26
将来の可能性
まだ本格化していないが、恵まれたポテンシャルを活かすフォーム技術を習得できれば、常時140キロの到達も可能な逸材だ。次のステージでも続けるならば、環境にとらわれず、志を高く持って取り組み、数年後、大きく化けたと思わせる投球を見せることを期待したい。
更新日時:2012.08.26