菅原 秀選手 (福井工大福井)

菅原 秀

球歴:福井工大福井

都道府県:福井

ポジション:投手

投打:右 / 左

身長:182.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

寸評

 最速148キロを誇る剛腕エース。第94回の開幕戦を飾る素晴らしい快投を見せた。140キロ台の速球、2種類のカーブをコンビネーションで勝負する本格派右腕だ。 (投球内容) ストレート 148キロ 常時140キロ~144キロ カーブ 120キロ前後 ナックルカーブ 120キロ前後  速球は常時140キロ~145キロ前後を計測しており、馬力の大きさは今大会出場投手の中でも屈指。ドラフト候補レベルのポテンシャルの大きさは備えているだろう。  そして彼の武器はなんといってもナックルカーブ。リリース寸前に指を立てて弾くようなリリース。打者の手元で浮き上がるように錯覚させ、不規則に変化する球筋で、簡単にミートすることは出来ない。何より素晴らしいのはこのナックルカーブをコントロールできていること。三振の主な球種はこのナックルカーブだ。  他には普通のカーブ、スライダー、フォークと球種自体は多彩であり、一つ一つの球の精度は抜群であり、福井大会では34イニングを投げて44奪三振。開幕戦でも10奪三振と、三振が奪える投手である。その半面、34イニングを投げて20四死球。一試合で5四死球出す計算であり、試合中に突然荒れるのは十分考えられる。  実際の試合ではコントロールを大きく乱す時があり、乱れ始めた時はリリースポイントが一定にならず、四球を連発してしまう。リリースポイントは試合中には修正出来ず、秋田商戦のように、待球作戦をされると8四死球出してしまう。良い面と悪い面が実にはっきりした投手なのだ。 (投球フォーム)  ワインドアップから勢いよく足を上げて、捻りを入れる。少しずつ重心を下げていきながら、前足をショート方向へ伸ばしていきながら、重心を下げて着地する。軸足はしっかりと折り曲げているが、前膝の送りはあまり良くないので、上半身が強いフォームになる。グラブの開きはやや早いが、恐らく上半身を鋭く回旋させる狙いであろう。  テークバックはやや右肩を下げている。しっかりと胸を張っているが、肩肘への負担をかけやすく、今は故障をしていないが、マウンドの傾斜を上手く使って、縦回転で放ることが出来ているからであろう。マウンドの感覚が合わず、制球を乱れる事が続くと、故障の心配があるので、気を付けてほしい。タフネスなように見えるが、故障のリスクは否めない投手だ。  上半身を鋭く回旋させる形が出来ているので、強い腕の振りを実現することが出来ているのだろう。この強い腕の振りと彼の指の力の強さで魔球・ナックルカーブを生み出す事が出来ているのだろう。
更新日時:2012.08.16

将来の可能性

 2回戦で制球難を露呈してしまったが、一つ一つの球の精度はドラフト候補クラスで、一芸を買って制球難をうちで直して、速球派右腕に育て上げようと思う球団もあるかもしれない。ただ現状では上位指名確定の投手と総合力で劣るので、大学・社会人で実績を上げて安定感のある投手に成長してからプロを狙うべきという評価が殆どだろう。  才能ならば今からでもプロを狙える素晴らしい素材だが、フォーム的に危うさがあるので、どう転ぶか読めない。彼を預かるチームは彼の持ち味をそのままに、粗さを取り除く事が出来るか注目してみたい。
更新日時:2012.08.16

寸評

  均整の取れた体格で、右の本格派といった感じの投手です。球速もコンスタントに140キロ台を記録しますし、横滑りするスライダーに、何よりナックルカーブという、独特の縦のカーブを投げ込んできます。この球の曲がりが尋常ではなく、捕手も中々止めることができますせんし、自分自身まだまだ制御しきれていません。 (第一印象)  球速はあるのですが、ストレートは結構手元で動かすようなボールが目立ちます。そのため手元でグ~ンと伸びたり、ピュッと切れるような空振りを誘う球ではありません。それでも、低めに切れ込むナックルカーブを強く意識させられているのか? 打者は、高めのストレートを思わず振ってしまいます。 (投球内容)  ボール一つ一つの威力には見るべきものがありますが、制球力・変化球の精度という意味ではもうひとつで、総合力では発展途上です。 <長所>  グラブは体の近くにありますし、足の甲も深く地面を捉えています。「球持ち」も悪くないように見えますが、イマイチ球筋が安定していません。これは、指先の感覚があまり良くないのと、まだまだリリースが安定していないのかもしれません。体がもう少しシッカリして来ると、制球は安定してきそうです。  最大の魅力は、腕を強く振れるところでしょう。だから腕が緩みそうなナックルカーブでも、上手く投げることが出来ています。結局カーブという球種は、その球が来るのが読まれたら威力半減ですから。 <課題>  お尻を一塁側に落とせるフォームではないので、カーブや縦の変化に適しません。この独特の縦の変化球を投げるために、かなり腕も縦に無理に振っています。そういった意味では、体への負担も大きく故障の可能性は否定できません。日頃から、アフターケアには充分注意してもらいたいですね。
更新日時:2012.08.09

将来の可能性

  体格にも恵まれていますし、フォームにも悪い癖はありません。独特のナックルカーブも、上手く制御できるようになれば、プロでも苦労する曲がりだと思います。私自身も、殆ど観たことのない曲がり方をするので正直驚いています。まだまだ制球力・変化球・投球術にも課題がありますし、肉体的にも発展途上。素材としては魅力がありますが、その将来像はまさに未知数です。そこにあえて切り込む球団があるのか、それとも3,4年レベルの高いところで様子を見るのか、意見は別れる選手ではないのでしょうか? 私ならば後者を選択肢、もう少しアマで資質を磨いて欲しいかなと思います。
更新日時:2012.08.09

短評

観戦レポートより抜粋(2012年08月08日) 投手で目立ったのは、菅原秀である。 大会前、専門誌などは「ストレートの最速148キロ」ばかりを話題にしていたが、この日目立ったのはむしろ変化球。ストレートは無走者のときで3割程度だろうか、とにかくストレートの割合が少ない。そして、走者が出ればさらに変化球の頻度は上がり、ストレートは見せ球程度になり下がる。 なり下がるが10奪三振のうち、ストレートで奪ったのは4個と多い。変化球でカウントを作り勝負球はストレートという配球が功を奏したのである。 変化球は多彩だ。カーブは縦に落ちるナックルカーブとスタンダードな斜め変化のカーブと2種類備え、カーブと同じスピード帯のスライダーがあり、ここにチェンジアップを交え、打者の目を翻弄する。 ただし、投げ終わったあと体が一塁側に流れ気味なので、右打者の外角、左打者の内角方向にボールが集まる傾向がある。これを次の秋田商戦までに直せるかどうか、重要なポイントになる。
更新日時:2012.08.09

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